修羅場だぞ!!
今日はシトシトと、雨が降り注いでいた。
僕は例によって、何となくアパートで寝っ転がって過ごしていた。
===================ピンポーン=======================
(誰だろう。
宅配業者かな?)
僕は何のためらいもなく、玄関のドアを開けた。
「先日はどうも・・・・。」
こないだの犬の飼い主(?)の女の子が、再び現れたのであった。
女の子は少々雨に濡れている様子だった。
何故、傘を持っていなかったのだろうか。
まあ、シトシトの雨なのでそれほど服が濡れているわけでもなさそうなのだが・・・・・。
「本日も、お礼をさせていただきたいのです・・・。」
そう言って彼女はペコリと頭を、僕に対して下げたのである。
そう素直な態度をされては、僕も女の子を追い返す事はできなかった。
彼女は僕のアパートに上がったのだが・・・・・・・・。
「あの・・・・・。
もしよろしければ少し、別のお部屋を使わせて欲しいのですが・・・・。」
彼女は予想外のお願いを僕にしてきたのだった。
よく見ると女の子は、大きな鞄を持っていた。
「はあ、分かりました。
いいですよ。」
特に拒絶する理由もないので、彼女に別の部屋を使わせてあげることにした。
「それと・・・・・。」
彼女は今度は、なにを言い出すのであろうか・・・。
「少しの間なので、お部屋を開けないで下さいね・・・・・。」
そう言って、女の子は別室に入っていった。
=================恩返し お部屋を開けないで=================
(まさかこれは、昔話<鶴の恩返し>、の再現なのか?)
僕は、彼女がハタを織っている姿を想像してしまった・・・・。
(見るなと言うと、見てしまうのが人間・・・・・。)
僕は、自分で自分を正当化して、女の子が入っている部屋を覗いてしまったのであった。
==============!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!============
「きゃっ!」
下着姿の、綺麗な女の子がとても驚いていた。
なんと女の子は着替え中だったのであった。
「ごっ!!
ごめんよ!!」
僕は大慌てで、部屋をバタンとしめた。
(あわわ・・・、どうしよう・・・・・。)
僕は、ショックを受けてどうしたらよいのか分からなかった。
===================少しして=========================
「お待たせしました。」
別室から女の子がでてきた。
特に彼女は、僕が部屋を覗いたことを怒っている感じでもなかった。
僕は、拍子抜けしたと同時に安堵感で潤っていた。
なんと女の子は、マッサージ師の制服の様な格好をしていた。
「どうぞ、寝てくださいな。」
「は、はあ・・・。」
僕は彼女の言われるがままに、横になった。
女の子のマッサージはとても気持ちよく、僕は深い眠りの世界に誘われようとしていた・・・。
僕の意識は、今まさに朦朧とした状態となっていた・・・・。
その時、しかし・・・・・。
「ナターシャ!!」
僕の失いかけた意識を呼び起こすには、おつりの来る声でナターシャが現れた。
(ナ、ナターシャが・・・・・。)
僕は、ナターシャが現れたことで、とても面倒くさいことになると予感をした。
「うーん!」
ナターシャは、腕組みをして唸っていた。
そして・・・・
「修羅場だな!!」
腕組みをしていたナターシャは、突然に結論の如くその台詞を吐いた。
(修羅場・・・・・。
修羅場って何だよ・・・・。)
僕は、またしてもナターシャの早とちりの犠牲になるという不安がよぎった。
「一体なんですか、貴女は?
数彦様は、今日はワタシと2人で過ごすのですよ。
どうか、邪魔しないでください。」
その綺麗な女の子は、ナターシャの無理矢理な主張に反論してきた。
「うーん!何をいうか!
この泥棒猫めー!!」
ナターシャはなんだか、逆ギレとも言える様子であった。
どちらかといえば、ナターシャの方がネコっぽいのであるが・・・・。
だが、突然2人のやりとりを観察する余裕が、僕には無くなったのである。
何故かというと・・・・。
=====================ガッシイ!!!!===================
ナターシャは、僕の右腕を引っ張り出したのであった。
「そうは、させませんよ!!」
綺麗な女の子も、僕の左腕を引っ張りだした・・・。
そうして、僕の両腕で綱引きを始めたのである。
「ぎゃああああ!!!!!!」
僕の体に、今にも裂けそうなくらいの激痛が走った。
(ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!)
余りの急激な痛みの為に、僕は気絶をしてしまった。
===================しばらくして=======================
僕は、意識を取り戻し起き上がることが出来た。
僕の側で、いつもの黒猫が疲れ果てたように横たわり眠っていた。
(さっきのことは、夢だったのだろうか・・・・・。)
そう思ったのであるが、しかし・・・・・。
僕の服に、茶色い動物のものと思われる毛が付着していたのであった・・・・。




