君の魅力
「ですよね、私もそう思います。でもなんとなくありませんか?その、人には理解してもらえないけど好きなもの。」
少しうつむきながら話す彼女。
「たしかに。」
僕はそう言って話を続けるつもりだった。
彼女の髪を見るまでは。
綺麗な黒い髪の毛の中に白い髪の毛が
一束あるのを見つけたのだ。
「……あの、さ」
彼女の目をしっかりと見て話す。
「話を折ってしまってごめんなさい…その、髪の毛のこと聞いてもいいですか?」
「髪の毛?えっと普通の髪の毛です?」
気づいていないのかわざとなのか彼女は
頭に『?』を浮かべている。
「言いたくないなら、無理には…」
言わなくていい。声に出す前に彼女が
「もしかして…」
とつぶやく
「この白い髪の毛のことかな?」
僕は頷いてみせる。やはり気付いていたが言いたくなくてはぐらかしていたんじゃと思いつつ彼女の反応をうかがった。
彼女は僕が心配する必要なんて全く無いと思うようないい笑顔で口を開いた。
「ふふ。かわいいでしょ?尋常性白斑っていう病気らしくて生まれつきなんです。ババアだ白髪だーって言う人もいるけどほら、若いときの白髪はいいって言うでしょ?」
「お気に入りなの。」そう言う彼女の瞳は本当に綺麗で嘘なんて一つも無いようだった。
前向きなのは彼女の魅力だと思う。
「うん。とても似合ってて羨ましいくらいだ。」
僕の言葉を聞いて彼女はにっこり微笑んだ。
「なくなったね。」
なんの事だ。本当になんの事だ。
急すぎる言葉に僕の頭は一瞬混乱した。
「どういうこと?なくなった?」
僕の問に少し悪そうな顔をして
「気付かないかなぁ?」
と返してきた。
何かこの会話の中で無くなったものなんてあっただろうか。
まわりを見回しても何も無くなってなんかいない。
まさかと思い今までの会話を思い返す。
一つだけ最初と変わったことに気付いた。
「…敬語?」
僕の答えはあっていたらしい。
嬉しそうに
「正解!」
と答えてくれる彼女。
「お友達なんだから、無理に敬語を使うのはやめない?」
「そうだね。」
彼女は満足気に笑顔をみせる。
僕は照れて彼女から顔を逸らす。
そのとき目線の先にあるものに気付いて彼女の方を向く。
急に僕が振り返ったせいで彼女は無言で吃驚していた。




