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ヒーローをキミへ  作者: 古川モトイ
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13/13

#13ありがとうをキミへ(最終話)

・カーテン


 度重なる妨害や破壊活動にめげずに地下駐輪場はかなり修復されていた。ミドリさんの発する光りはだんだんと強くなり、形も人間からはかけ離れていった。はたして、青く輝く裂け目は、以前見たときと同じように目の前に存在している。


「ここ、一般人立ち入り禁止だから。」


明らかにヴィランだと分かるヤツが追い返しにきた。なぜ、巨大な輝くミドリウミウシを連れているボクを「一般人」だと思えるのだろう。


「どいてろ。危ないから家帰れ。」


張り倒すといじらしい仕草で逃げていった。素直なところは好感が持てる。見ると前のような装置は無い。


「ワタシが中から閉じるから…ここでお別れ。」


ミドリさんはずりずりと地面を這うと裂け目の中に入っていった。


「…ありがとう。」


ミドリさんがいなくなるのは寂しいが、自分の世界に帰って行くのを、引き止めることは出来ない。


「あり…がとう…」


ボクはやっと一言搾り出した。しかし、次の瞬間、ボクも裂け目の中に飛び込んだ。


「え!?来ちゃダメ!!」


真っ青な光の世界に飛び込んだ目の前には2mほどの黒い痩身が立ちはだかる。顔は無い。そいつがミドリさんの背後から襲いかかろうとしていたのだ。


「私の名前は『歩み寄る死』だ、『死神』と言ったら分かりやすいか?」


ボクは顔があるはずのところにぽっかりとあいた闇を睨みつけながら言った。


「その『シニガミ』がミドリさんに何の用事ですか?」


死神と名乗ったそいつは感情の起伏を全く感じさせない声で喋る。耳に障る。ふいに通信が入る。


「カタガネくん!そいつはデッドマンウォーキングだ!!スーパーヴィランだよ!!オーバーデッドライン級の人知を超えた存在だ!!」


委員長がノイズ混じりにそう教えてくれた。そういえばこのドミノマスクには隠しカメラが内蔵されていた。委員長のパワーならばボクのマスクのカメラの映像を盗み見るぐらい、造作も無いだろう。そんな委員長のせっかくの情報だが、横文字は苦手だった。


「オーバードライブ級かスーパーベッドメイキング係かなんだか知らないけど、要はお前もヴィランって事だろ。」


そいつはボクの言葉には返事をせずに


「2人も、地球も、もう『寿命』なんだよ。」


と言って襲い掛かってきた。


・アンコール


 ボクは一切手加減しなかった。自称「死神」が本当かどうかは分からないが、自称「死神」だったら死ぬ事は無いだろう。何よりも、こいつから発せられるプレッシャーが凄かった。体の輪郭が絶えず波打って、まるで黒い煙のようだが、実体はありそうだ。


「クロックアップだ!思い切り行くぞ!」

「はい!!」


ボクのドミノマスクが緑に光る。ミドリさんが同時に光り始める。


「うぉぉぉぉおおおおおおおお!!!」


マウスピースを噛んだまま、唸り声を上げてデッドマンウォーキングに突っ込んだ。全身を拳で連打していくと途中でコアのような感触がある。これに違いない。ミドリさんがパワーの副作用を肩代わりできる時間が終わった、視界が白くぼやけ始めたところで、ボクは後ろに跳び退った。


「どうだ!」


デッドマンウォーキングの全身は蚊柱が砕けるように散り散りになりながら、胸の中央にあるコアを露出させる。コアにヒビが入ったのが分かる。デッドマンウォーキングは少し後ろに下がったように見える。


「『クロックアップ』か…強力なパワーだ…」


そう言うと、手をかざして何事か呪文を唱えた。コレまで地面だと思っていた場所が透けて、はるか眼下に無限遠を思わせる黒い世界が広がる。そこには灰色のウミウシの群れが飛び交っていた。そして、こちらに飛んでくる。飛び上がってくるウミウシを殴りつけて迎撃した。ミドリさんも、触手のようなもので払っている。


「お前もそろそろあの群れに戻ってはどうだ?ずいぶんと地球人に感化されたな?」


地球では少女であった異形の生命体はその言葉に目まぐるしく色を変えながら激しく震えた。


「私は奪われた知性と理性を取り戻しただけだ!」


デッドマンウォーキングから放たれた黒い球体が炸裂した。ミドリさんがボクをかばう。


「ミドリさん!」


ミドリさんがどちらを向いているか正直分からないけど、ミドリさんは多分ボクのほうを向いて答えた。


「大丈夫。この世界ではワタシも強くなっている。それより、アイツを倒して下さい!」


ボクはミドリさんの肩らしきところを触って応えた。


「必ず!」


・ダブルアンコール


「凄まじきパワー…」


デッドマンウォーキングのコアが砕けた。ボクのスーツは多分もう修復不能なぐらいに壊れているだろう。強化ゴムの肩当てがだらしなく下がっているのを引きちぎって投げ捨てた。


「やった!シン!」


なかなか、ボクの本名の下の名前を呼ぶ人も少ないが、ミドリさんは仕方が無い。


「良くやったな。」


その声に驚いて振り向いた。2人の背後にはもう1体のデッドマンウォーキングが立っていた。心臓が止まるかと思うほどの衝撃だった。


「無駄なんだよ。右があれば左があるように、生があれば死がある。右がある限り左が消えたとしても、それはまやかしだ。生きる者がいる限り、死は存在し続ける。お前たちがセカンド・カラミティーと呼んでいたアレは、必然的に訪れた『死期』なのだよ。ティーチャー…あいつは賢いやつだった。」


無傷のデッドマンウォーキングがそう語りかける。もう1体は倒せるかもしれない。しかし、コイツの言う事が本当ならば、コイツは何体でも現れる。


「見ろ。」


見ると、8つの門が見える。そこに向かって名状しがたい不定形が流れ出していて、その向こう側で世界中のヒーローたちが戦っている。灰色のウミウシも相当数混じっているが、途方も無く巨大な触手がこの次元の無限遠の黒い彼方から差し伸べられている。デッドマンウォーキングが「そろそろ『スローター』の本体もお出ましだぞ」と言うと名状しがたい冒涜的な予兆を感じた。


「死期を悟れ。人間。抗うな。私はお前たちを憎悪しているのではない。宇宙の自然の摂理に共に寄り添おうとするだけだ。」


デッドマンウォーキングはそう言いながら次々と増えていく。それは絶望的な数だ。


「私を倒したヒーロー。お前は『かき乱す』ことをしようとしているだけだ。お前は何のために戦っているんだ?ヒーロー?」


間髪入れずに背後から声が聞こえた。


「オレのためだ!」


次元の狭間の外から声が聞こえる。


「アンタは!…オレたちの町のヒーローだから!だからオレたちの為に戦ってるんだ!」


次元の裂け目の淵に沢山の人が押しかけている。


「そうだ像金町にはアンタがいるんだ!俺たちのヒーローだ!俺たちが困った時には助けてくれる!」


青い光に照らされた顔が、ここから良く見える。


「バスに乗ってた時だって、駅前が火事になった時だって!」


夜も更けた工事中の駐輪場には、町の人々が懐中電灯片手に集まっていた。


「アンタが負けたら地球は終わりなんだろ!?」


真っ暗なスロープをスマホのライトで照らしながらドンドンと人が詰め掛ける。


「絶対勝てよ!負けたら恨むから!」

「バカ、恨むより先に言うことがあるだろう!兄ちゃんアリガトな?」


町の人はどんどん増えていく。デッドマンウォーキングは徐々に減っていた。そして、元のように一人になった。町の人々もボクもミドリもなんだか気が抜けたようになってポツンと立ち尽くすデッドマンウォーキングを見ていた。デッドマンウォーキングはこの光景を見て何を思っているのだろう?何をするのだろうか?パワーで町の人もろともボクを消すのだろうか。


「…寿命になっても生き延びる方法がある。」


どよめいた。


「種をまくんだよ。次の世代に託すのだ。」


そう言いながらデッドマンウォーキングは徐々に浮かび上がっていく。


「どこ行くんだよ?その先を教えろ!!」


デッドマンウォーキングは上へ向かって加速しながら、顔の無い顔で笑ったように見えた。


「…そうしたら、次の春にはまた芽生える。」


そして、急降下してボクとミドリさんを裂け目の外へ弾き飛ばした。


「私たちが知らなかった方法…そんな方法が…」


少女であった異形の生物は、再び少女の姿に戻って体を折って震えていた。地下駐輪場は電気が来ていなくて相変わらず暗い。そこにパンパンに町の人が詰め掛けて、頼りない懐中電灯でボク達を照らしている。


「このゲートを先に閉じていたら、この人類は終わっていただろう。」


デッドマンウォーキングはそう言うと翼を広げるように大きく構えた。


「来い!ニンゲン!」

「ウラァァアアアアアアアアア!!!」


ボクは奥歯を噛まなくてもパワーが使えている事に驚きながらもデッドマンウォーキングのコアに拳の嵐を見舞った。これは何と言うか「儀式」だ。ヒーローとヴィランが繰り広げる、平和への儀式だ。それをボクは分かっている。デッドマンウォーキングも分かっている。町の人々はどうだろう。途中から拳ではなく頭突きになっていたが、ボクの視界が真っ白になっていくのも気にせずぶちかまし続けた。この白い光は平和の光だ。苦労して得られた平和は、またすぐに破られるだろう。でも、懲りずに種を蒔けばいいのだ。ボクは宮沢賢治の有名な詩を思い出していた。


「雨ニモマケズ!風ニモマケズ!…」


デッドマンウォーキングは黒い衣に黒い肢体であったはずだが、もはや、ただの白い人だった。ボクはうろ覚えの詩を暗誦しながらゴツゴツとコアを頭突きする。


「だから…ボクは…ボクは…!!」


もう限界だ、コアに額をぶつけたまま、全身の力が抜け始める。パワーは使いきった。


「…そういうヒーローにボクはなりたいんだ。」

「…オマエはすでに、」


ボクのドミノマスクと、デッドマンウォーキングのコアは同時に砕けた。コアは黒い光を放っていたはずだが、僕に言わせればデカイ真珠玉のようなものだ。地下駐輪場も真っ白、デッドマンウォーキングも真っ白、このいけ好かないヴィランもこうしてみると宗教絵画の天使のようで憎めない。すぐに、視界に色が戻ってきて光の世界はまた元の暗いじめっとした地下駐輪場に戻っていくが。ボクは自分がミドリさんに膝枕されて仰向けに倒れているのだと気づいた。だんだん冴えない顔も見えてくる。金物屋の親父、駅員、パチンコ屋の制服もいるだろうか、えらく化粧の濃いババァは髪を紫に染めている。


「…分かったら…仕事にもどれよ…」


そう言ってボクは重い体を引きずり起こした。


・カーテンコール


 地下駐輪場の人ごみをかき分けて、ボクは地上を目指した。人が避けて道が作られる。誰も喋らずに、時折、息を呑む音がかすかに聞こえるだけだ。スロープをあがり、小さな駅前のロータリーに面した横断歩道を渡れば、目の前には小さな古い総合病院がある。あいにく、歩行者用の信号が赤く光っていた。待っている車など一台も無い。でも、信号を待つ。少しやりすぎたけど、この町の人たちが、またいつものだらしなく忙しい生活に戻っていけるように、想いを込めて。


「渡れるよ?」


ミドリさんがかけた声にハッと信号を見上げる。一度立ち止まった所から歩き始めるのは大変だ。踏み出すと、たった数本の白線がこんなにも遠く感じる。


「ありがとう!」


後ろから声がする。拍手が聞こえる。ボクを賞賛する声が聞こえる。拍手の音が疲れた脳髄に押し寄せる。張り詰めていた感情が崩れそうになる。横断歩道を渡りきっても、町の人はボクを許してはくれないようだ。マスクが無ければ涙は隠せない。ボクの全身が輝き始めた。高く跳躍する。


(なるほど、ゴージャスマンがやっていたのはこういうことだったのか…)


歩行者用信号の上に着地したボクに人々が「おお」と声を挙げる。皆がボクの次の言葉を待っている。グリーンに輝くドミノマスクに、ホワイトとグリーンの強化スーツ。そして全身を覆うグリーンのマントだ。ボクの姿を見たらヴィランは震え上がり、人々はこう思ってくれるだろう。


「安心してください…町の平和はボクが守るッ!!」

カーテン

「カーテン」はアガサ・クリスティの生んだ最高の探偵エルキュール・ポアロの最終作の題名。アガサ・クリスティには慣れなくても、読んだ事だけはアピールしたい。ちなみに「エルキュール」は「ハーキュリー」「ヘラクレス」と同じ名前。


巨大な輝くミドリウミウシ

「ミドリさん」という名前に落ち着いた少女の正体がこちらだ。知性を奪われると緑の光が消えて灰色になる。


オーバーデッドライン級

私が勝手に提唱している「僕の考えた最強のヴィラン」のカッコいい言い方。ちなみに筆者の考えたオーバーデッドライン級ヴィランに「エクストラクター」というのがいる。公式サイトでも紹介していただいている「特異点からの使者」がそれにあたるが、エクストラクターが生まれた原因の崩壊はこのサード・カラミティの事で、エクストラクターはタイムスリップしてサード・カラミティ発生前の時間に登場する。


必然的に訪れた『死期』

筆者は作品世界に終末論を持ち込むことが多い。コスモスではパンデミックによる人類滅亡、ブルーピーコックでは惑星震による地殻崩壊、この作品では単に『寿命』と呼ばれている。


名状しがたい冒涜的な

「香り高く、コク深く」に近い表現。コクと言う単語が一体味覚の何を表しているのか分からない。コクがすでに名状しがたい何かだ。


デッドマンウォーキング

死の数だけ存在する。倒しても無駄ヴィラン。「私はお前たちを憎悪しているのではない。」という台詞は厨二臭くてお気に入り。


「オレのためだ!」

デッドラインヒーローズではパワーを持たない現人類とパワーを持つ超人種の二項構造が一つの重要なファクターとして表現されている。その公式の設定をから妄想したバックストーリーから出た言葉がこれ。超人種の発生を「人類という種の抗体反応」と捉えると、本体である「弱い現人類」が滅びて、抗体である超人種のみが生存しても、結局人類は「死んだ」事になる。前述のエクストラクターが発生した時間軸では宇宙の崩壊を止めるパワーを持つ「ディセミネイター」が失われていた。ディセミネイターは「播種者」と言う意味で要は「種を播く人」。一人一人の人間は寿命が来て死ぬだけだが、人類全体で見たときにはそれは新陳代謝しているだけと考える事も出来る。本体である「現人類」と抗体である「超人種」が相互に役割を理解し支えあって、新陳代謝していく構造を「種を播く」と表現したと考えていただけると幸いだ。エクストラクターが目にした宇宙の崩壊では、そのシステムが失われていた。パワーを持つ者と持たない者が切り離されてしまったのだ。この世界では像金町の人々は主人公が誰のために戦っているのか、徐々に理解し始め、主人公も何のために戦っているのかを理解し始める。主人公が成長している裏で、町に住む人々も成長していた事がここでハッキリする。「特異点からの使者」で名前だけ出ていた「ディセミネイター」は「自分のためにヒーローが戦っている事を確信する人々とその想い」の事だ。


デッドマンウォーキングは徐々に減っていた

人類の種としての死がうやむやになっている事を現している。主人公が死んでも、町の人々がくたばっても、次の世代にその関係が受け継がれる限り、本当の死は訪れない。それをほんわりと暗示したかった。


「私たちが知らなかった方法…そんな方法が…」

太古の宇宙で水生知的生命体として反映した種族がミドリさんの正体で、彼らは殺されはしなかったが、知性の無い家畜として気の遠くなる長い時間、スローターをはじめとする邪神に飼われていた。彼らの文明もまたミドリさんのようなパワーを持った個体が戦ったが、パワーのない同胞を尊重して顧みる事はなかった。そしてデッドマンウォーキングに覆い尽くされて滅びたのだ。


雨ニモマケズ

常々、この詞はヒーローのための詞だと思っていたので引用した。「南ニ死ニサウナ人アレバ行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ」と言う部分では決して「死にそうな人を死から救う」とは書いていない。「(死を)怖がらなくていい」という宮澤賢治の超一流のヒーロー像が詠われていると、私は勝手に解釈している。著作権が切れているので誰でも読むことが出来る。読んだ事がない方は、是非、読んでいただいて、10年前から知ってました的な顔をしていただければ幸いだと思う。


真っ白

血圧が下がると、世界が真っ白になる。血圧が測定不能になると、自分が目をあけているのか閉じているのかも分からなくなる。アナフィラキシーになった後、医者から聞いて自覚したが、マジで死にかけていたらしい。2回目のアナフィラキシーでは結構早い段階で「あー、今度こそ死んだな」と思った。と言うことで今、筆者は「人生のロスタイム」を生きていると勝手に思っている。まあ、何がいいたいかと言うとアレルギー本当に怖い。40歳になりました。


ゴージャスマンがやっていた

ゴージャスマンのパワーは「ゴージャスに生きよう」とする彼の精神と「自分がゴージャスに振舞う事によって他人の助けになりたい」という真摯な願いに由来している。実際にゴージャスマンが金持ちかと言うとそれは違う。彼は常に年齢につりあわない苦難に見舞われてきた。ジョージ・ハーバートの「Living Well Is the Best Revenge」と言う言葉を「華麗に生きる事こそが、人生に対する最高の復讐である」と訳した一節を目にした時、彼はゴージャスマンとして生まれ変わった。彼が倒れた市民の救助活動をヴィランに持ちかけて、ヴィランが断れないといったエピソードは、彼が持つそうした人間性に由来している。主人公はその経緯を知らないが、「ヒーローとしてカッコをつける行為自体が人々を救う」という精神状態に人々の想いを受けて自力で到達し、ゴージャスマンのパワーの秘密に気づいた。映画「ゼブラーマン」のラストシーンの筆者なりの解釈でもある。


全身を覆うグリーンのマント

主人公のヒーロースーツのビジュアルに関する描写はほとんどされてこなかったが、ここで初めて今までは無かった「マント」なるアイテムも出てくる。きっと、悪党の弾丸を弾くだろう。ただの布ではない。人々の想いが込められている。


「安心してください…町の平和はボクが守るッ!!」

30分間は悩んだ。未だにこれで言いのかわからないセリフ。


・きちんとあとがき

 全13話とは1クールです。ヒーローを1クール、どの視点で見るか?から始まって、必要なエピソードを紙に書き出しました。きっかけはツイッターで見た「デッドラインヒーローで全13回のキャンペーンシナリオ」という何気ない書き込みで、当初、TRPGのシナリオとしてプロットを書き始めました。13回のシナリオを毎回同じパーティーでやるのはかなり難易度が高いため、一人で回せるソロシナリオにしようと思った為、「突如現れた下町のヒーロー」という位置づけにしました。そこから全13話のプロットを書いたのですが、その時点では主人公のパワーは決めておらす、むしろ「プレイしてくれる人が好きに作ったキャラクターで遊べるソロシナリオ」を意識していました。そのプロットを読んだ方が「これってショートストーリーになりませんか?」と仰って、内心「全13話はショートストーリーじゃねーよ!」と思いながら書き始めました。なぜ書いたかと言うと「ショートストーリーにしては?」と持ちかけた方や「温泉回が欲しい」と言い出した連中が、責任取って分担してシナリオ化してくれないかな?と期待したからです。もし実現したら、現段階でデッドラインヒーローズの最大のキャンペーンシナリオになるのではないかなと勝手に思っています。普段、全くと言っていいほど二次創作をやらない私なので、「デッドラインヒーローズの二次創作作品って公開していいの?」と戸惑いがありましたが、彼らはちゃんと調べていて「小説家になろう」はいける…と教えていただきまして、公開させていただけております。お引き回し、誠にありがとうございます。

 ここまで読んでいただけましたら、きっと楽しく読んでいただけたのではないかなと思います。もし、物足りない場合は、公式のデッドラインヒーローズのルールブックは完璧に楽しいので是非お手元に。また、楽しく読んでいただけました方でしたら、公式のデッドラインヒーローズのルールブックも是非、お手元に置いて頂きまして「このパワーは再現できるのか?」とか「広江はコイツはヒーローとしては全く作れないぞ?もしかして…」のように想像を膨らませていただけますとより一層楽しんでいただけるのではないかと考えております。

 最後に、このサイトを運営して下さっているスタッフの皆様、プロットからショートシナリオに起こすに当たってDiscordで貴重なアドバイスを下さった皆様、一晩中ヒーロー論を語って下さった皆様、日夜、素晴らしい仕事をしておられる株式会社KADOKAWA・富士見ドラゴンブック編集部の皆様、デザインワークをされておられるロンメルゲームズの皆様、素晴らしいクリエイターでデザイナーの長田崇様、そして、こんなあとがきの端っこまで読んで下さった皆様に心から感謝を述べさせていただいて締めとさせて頂きます。


2017/09/24 古川モトイ

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