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ある意味最強!?

この投稿をしてから、最弱最強の革命者の更新を少し遅らせます。


理由としては、新しい小説を連載するためです。



「ドラクロワさんっ!」

「っっ…… 坂本先輩!?」


 いきなり声を掛けられたからか、ドラクロワさんは少し動揺している様に見えた。


「いきなり休むから驚いたよ! 何かあったの?」

「いや…… それはその……」


『む、この反応は見覚えがあるぞ! 

 あの時の既朔さんと同じだ!』


「えーっと、とりあえず場所移す?」

「はい……」


 僕の提案に力なく返事をした。


 人が沢山いるバス停から、駅の裏口へと移動し、改めてドラクロワさんに訪ねる。

 すると彼女は、やはり既朔さんと同じ様に重々しく口を開いた。


「私、実は小隊活動に出たくないんです……」


 思いがけない言葉を聞き、僕は目を見開いた。


「それはまた何でなのさ?」


 僕が小隊活動を拒否した時には、ドラクロワさんが励ましてくれた。だからてっきり小隊活動には乗り気なのかと思っていたのだが


「私、自分の魔力が使いこなせないんです!」「確かドラクロワさんの魔力属性って……」

「《彩管》と呼ばれる、召喚系の魔力です」


 歓迎会の時にチラッと教えてもらったが、彼女の魔力属性《彩管》は、自分が描いたものを召喚し、自在に操る。って能力だったはずだが……


「坂本先輩、少し見ていてください」


 そういうと、背負っていたリュックからスケッチブックと羽ペンを取りだした。

 真新しいスケッチブックを開き、1枚目に何かを描き始める。

 スラスラとペンを動かし、一瞬にして完成させた。


「これ、何に見えますか?」

「蛇でしょ! 上手いもんだね!」


 単純な線ではなく、躍動感が感じられる、素人の僕でもわかるような絵だ。


「実はこれ、羊を描いたんです……」

「え!? これ羊なの!?」


 んなバカな ともう一度その絵を見る。

 細長い体、大きな口、どこをとっても蛇だった。


「いやいやいや…… 冗談、だよね?」

「私は本気で描いたんですけどね……」

「おかしいでしょ!? 何でこれが羊になるんだよ!?」

「なんでって言われても、私にはそうしか描けないんです!」


『マジ ……なのか!?』


 これは思った以上に深刻なのかもしれない。


「ちょっと貸してみ!」


 ドラクロワさんからスケッチブックと羽ペンを借りた僕は、同じく羊を書き始める。


『体はフワフワで、頭は少し小さくて……』


 30秒もしないで、大体の形が出来た。


「坂本先輩上手ですね!」

「あんたが下手すぎるんだよ!」


 先ほどのドラクロワさんの絵と比べると、本当に蛇と羊だった。


「どんなに練習しても、うまくならないんです!」


 今にも泣き出しそうな顔でそう言う。


「でもさ、別に絵が下手でも召喚できるんでしょ?」


 なるべく慰めるようにそう言葉を掛けると、


「私の絵が下手すぎて、召喚は出来ないです……」

「それはある意味凄いな!?」


 繰り返すようだが、これはかなり深刻な問題なのかもしれない。


「ドラクロワさんってクラス分け試験で3年生に勝ったんでしょ?」


 1番の疑問をぶつけると彼女は困った表情を浮かべて


「あれは適当に丸を書いたら、たまたま封印の呪文になっただけですよ」

「なにその強運!?」


 単純に考えて、ドラクロワさんの能力はかなり強力だ。

 ただ、その強力さ故に使いこなせていないのだろう。


「大丈夫だよ。練習すればきっとよくなるさ」「私もそう思って、ずっと練習してきたんですけどね……」


 ドラクロワさんの声色は暗い。相当悩んでいるようだ。


「何かしら上手く描ける動物はいないの?」「えーっと…… いるにはいるんですが……」

「マジ!? ちょっと書いてみてよ!」

「……わかりました」


 そう言うと、彼女は真剣な表情で何かを描き始めた。


『なーんだ1つでも描ければ十分だろ……』


 僕は内心安堵していた。


「出来ました」

「おっ! どれどれ……」


 スケッチブックを覗き込むと、そこにはまるで写真の様に繊細に描かれたニワトリがあった。


「いや上手くね!?」

「そんなことないですよ~」


 羽毛の1本1本、鶏冠のシワの1つ1つが緻密に、それでいてしっかりと書かれている。

 先ほどの蛇と比べると、同じ人が書いたとは到底思えないクオリティだった。


「何でニワトリだけこんなにうまいの!?」「実家で飼っていたので、小さい頃からよく見ていたからだと思います」


 ただ、僕はこのツッコミを入れざるを得ない

 確かにニワトリはとても上手だ。

 だが…… だが……


「ニワトリって召喚しても戦力にならないよね」


・・・・・・


「本当にすみません…… こんなゴミレベルの私が同じクラスで…… いや本当すみません……」

「いや全然大丈夫だよ!

  いやーすごいなーこんな絵見たことないよー!」


 あまりの落ち込みっぷりに申し訳なささえ思えてくる。

 確かに戦力にならないかも知れない。だけど、


「ドラクロワさんはゴミなんかじゃないよ」


 これだけはハッキリと言える。


「きっとその強力な魔力が役立つ時が来るはずだよ!」

「坂本先輩……」

「それに、能力的に言えば僕が1番ゴミだ!」


 例えば、


「まず僕はダメージを受けないと強くなれない! 戦いにおいて、この発動条件は致命的とも言えるし!」


 だから


「ドラクロワさんの方がよっぽど使い勝手が良いさ!」


 僕が両手を高らかに挙げて力説していると、ドラクロワさんが堪えられないとでも言う様に笑いだした。


「なに笑ってるのさ!」

「いえ…… すみませんつい……」


 笑いすぎて出た涙を拭きながらドラクロワさんがそう言う。


「坂本先輩はお優しいですね」

「誉めてもなにも出ないぞ」

「いえいえ、本心ですよ」


 なんだか分からないが、元気になったなら良かった。


「それにさ、Xクラスの全員が変な魔力属性なんだから、別に恥じることはないんだよ?」

「それ、坂本先輩が言いますか?」

「ま、まぁそうだけどさ……」


 とにかく、


「明日は絶対に来いよ!」

「はい! もちろんです!」

「じゃあ僕は帰るよ! 時間取っちゃって悪かったね」

「いえいえ、私の方こそ無断欠席してすみませんでした」


 そう言う彼女は、少し吹っ切れた様な顔をしていた。


自分の描いたものを自在に召喚する能力…… 私も欲しい!

あ、だけど私も絵を書くの下手だから駄目だわww

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