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羽根
「羽根」
届かないことはわかってた
君の中に僕はいないということも
それでも伝えてしまったのは
止まらなかったから
もっと傍にいたかったからなんだ
でも僕は強くなんてないから
きっと君の重荷になる
君が飛ぶのを邪魔してしまう
羽根を持つ君は飛ぶのが宿命
今は片翼だけれど、きっといつか飛べるように
そう願う僕の勝手を許してほしい
君の隣はもう望まないから
その、純白の羽根で空に羽ばたいてよ
いつか君の隣に
他の誰かが寄り添う日が来るのでしょう
君のもう一つの翼になる誰かが…
少し哀しくて寂しいけれど
僕がここにいて、君が笑っているのなら
涙は、出ない…