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すくーる/破壊的色彩
「すくーる」
それは水の中に似ている
息をたっぷり吸い込んでから
できるだけ長い間
僕たちは沈んでいなければいけない
浮上しすぎると一人になる
我慢しすぎると死体になる
ギリギリのところで見極める
失敗は許されない
すくーる
それは温かい水
泳げない僕は
溺れ死んだ方が楽かもしれない
「破壊的色彩」
「創る人は壊す人」
昔、偉いのかはよくわからない人が言った
僕は聞き流したけど。
言ってみたところで
理解できない人には理解できないよ
奴らの耳は飾りなのさ。
僕もそうなんだけど。
君は創造的に破壊する?
あいつの話を聞き流さなかったから
君はトレース人間の劣化コピーの海賊版の。
皮肉を言う僕は君と同じで違う
あいつの言葉を破壊して……
その後に何かを創る必要はない
壊し逃げだ
華やかで残酷なピンポンダッシュ
君もわかってくれるといいんだけど。
鮮やかな破壊のガレキから
キリストみたいに生き返る
それをあいつは創造と呼ぶ
でもそれは、僕の創造じゃない。
「すくーる」は中学時代、「破壊的色彩」は浪人時代の作品。ちなみに私は未だに泳げません。