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名前のない少年
「名前のない少年」
『彼女』は僕の唯一の神
夜から生まれた女神様
僕は『彼女』に手を伸ばす
指先が触れたところから
僕たちは一つになっていく
これからは新しい『僕』だ
新しい自分に名前を付けよう――
*
少年は『世界』に縛られる
アスファルトを踏みしめる足は血に汚れ
少年は痛みの中で絶叫する
「ここから出して」
その声は『女神』を具現化する
コンクリートの中に閉じこめられた深い森
その奥深くに棲む彼女
「この手を取ってくれるなら
君を世界の鎖から解放しよう」
少年は『女神』の手を取った
もう彼女にはあらがえない
2人はもう、1つの存在だから
少年は世界に刃を向けた
名前のない魔物として
*
少年は『世界』に自由を奪われた
少年は『女神』に存在を奪われた
そして少年は、最後に名前を奪われた
残ったのは、振り下ろした刃が作った
大きな世界の裂け目だけだった
おそらく中学生のときに書いたものですが、その中でも黒歴史化していない奇跡の作品。