嘘×嘘
エイプリルフールについた小さなウソ。
嘘をついた少女の純粋さに
キュンキュンしてもらえるとうれしいです。
4月1日の話だ。
あの日僕は幼馴染の女の子と家に帰っていた。
「そう言えば今日エイプリルフールだね」
なんてキミが言うから僕は「そうだね」
その一言だけを返した。
「嘘・・・ってさ。ホントじゃないから付くんだよね」
キミはおかしなことを僕に聞いてきた。
とてもじゃないけど頭がいいとは到底言えない君だったけど
それは哲学なのかい?
その解答に僕は「そうだね」。そんなありきたりな答えを提示した。
「そっか・・・そういえばさ、エイプリルフールについたウソは
その一年間ずっとホントにならないってホントかなぁ」
一体どこでそんな情報を仕入れたのか。
そんなことはどうでもいいし、そんなジンクスも知らない。
だからどう答えたらいいかわからず、僕はただ「そうなんじゃない?」そう答えた。
「そっかぁ・・・」
キミはなにか思いつめた顔で何か考えていた。
少しの沈黙の後、キミの家の前についた。
「じゃあね」
そんな言葉はいつも掛けているつもりだったけど
どうやら今日は君の様子がおかしい。
「あ、あのさ・・・」
「なに?」
「私・・・・嫌い」
「なにが」
「君のことが」
そう言い残すとキミは家の中に入って行った。
あの時はただ純粋にショックを受けていたけど、今隣にいる君にあの時のことを話すと
「う、うるさい!昔は昔なの!」
なんて怒って僕の好きなハンバーグを作ってくれる。
毎年4月1日になると僕は君に
「ずっと大嫌いだよ」
そんなことを言う。
バカな男でごめんね。
どうでしたか?
オチは、二人が将来結婚をして
あの時のことを話すと女の子は恥ずかしげに
幸せを感じている・・・そんな感じです。
またいつか書きたいです。