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君は何度も僕を忘れる  作者: 南蛇井


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シーン②

――私は、人の記憶に残らない。


正確には、残れない。


一日が終わる頃には、少しずつ薄れていって、

次の日にはほとんど“なかったこと”になる。


名前も、顔も、会話も。

全部、最初から存在しなかったみたいに消えていく。


例外はない。


どれだけ仲良くなっても、どれだけ長く一緒にいても、

次の日には「誰?」に戻る。


……ただ一つだけ。


私自身の記憶だけは、消えない。


昨日のことも、一昨日のことも、

何度も繰り返してきた“はじめまして”も、全部覚えている。


だから知っている。


あの人がどんな顔で笑うかも、

どんな風に目を細めるかも、

どのタイミングで興味をなくすかも。


――全部。


知っているのに。


その全部を、私以外の誰も覚えていない。


(……慣れたはずなのに)


胸の奥が、少しだけ痛む。


痛みの場所も、強さも、もう分かっているのに、

それでも消えてくれない。


きっとこれからも、同じことを繰り返す。


出会って、話して、少しだけ距離が縮まって――

次の日には、全部リセットされる。


それでも。


やめる理由には、ならなかった。


だって私は、覚えているから。


消えない側にいるから。


だからきっと、今日もまた――


同じ“はじめまして”を、繰り返す。


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