4話
前書きゾーン書くことないんですよね
通路を進みながら、俺は前、相方は後ろに位置取る。
ユイを真ん中に挟んだ、簡易的な護衛陣形だった。
「……本当に、ついて行くだけでいいんですか?」
「死にたくなきゃ、余計なことしないことじゃ」
「は、はい……」
そう答えた直後だった。
天井から、影が落ちてくる。
「上だ」
俺が声を出すより早く、相方が動いた。
落下してきた獣型モンスターは、着地する前に真っ二つになり、
そのまま床へと転がる。
「……え?」
ユイが、瞬きをしたまま固まる。
さらに前方。
複数の反応が、一気にこちらへ向かってきた。
「数は五か」
「妾が三。残りを任せる」
「了解」
次の瞬間、通路は戦場に変わった。
踏み込み。
閃光。
衝撃音。
敵が攻撃動作に入るより早く、すべてが終わる。
残ったのは、破壊跡、砕けた魔石と肉片だけ。
通路には、再び静寂が戻った。
「……あの」
ユイが、おずおずと口を開く。
「これ、普通じゃ……ないですよね?」
「普通じゃないな」
「じゃろうな」
即答だった。
「でも、初見って言ってましたよね?」
「言った」
「……ですよね?」
どう考えても納得がいかない、という顔をしている。
しばらく歩いた後、
ユイが小さく咳払いをした。
「その……お二人って、どういう関係なんですか?」
相方が、ちらりとこちらを見る。
「ほう。気になるか?」
「い、いや!配信的にっていうか、視聴者さんが多分……」
「視聴者?」
「……あ」
またやった、という表情だった。
俺は軽く息を吐く。
「相方だよ」
「相方……?」
「それ以上でも、それ以下でもない」
「ふむ。妾としては、それで十分じゃがな」
「え、えっと……一緒に住んでたりとか……?」
「住んでる」
「住んでおるな」
「……二人は、付き合ってないんですか?」
「ないな。相方だし」
「!?」
ユイの動きが、一瞬止まった。
その直後、前方から、大型モンスターが姿を現し、咆哮を上げる。
「止まるな」
「は、はい!」
俺は一歩前に出て、刀を振るった。
斬撃が走り、モンスターは断末魔を上げる暇すらなく崩れ落ちる。
完全に、オーバーキルだった。
「……コメント、すごいことになってます……」
「?」
「今の何?とか、演出?とか……運営案件?とか……」
相方が、楽しそうに鼻で笑う。
「ほう。随分と賑やかじゃな」
「気にするな。どうせ、上に戻れば嫌でも騒ぎになる」
「そ、そうなんですか?」
「ああ」
俺は前を向いたまま言った。
「東京ダンジョンは安全って噂がある。それが壊れる瞬間は――派手だろ」
その背後で、
ユイの配信画面には、文字通り地獄のようなコメントが流れ続けていた。
――だが、
それを本当の意味で目の当たりにするのは、もう少し先の話だった。
春休みも後少しで終わりですね。
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