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異世界から帰ってきただけだが?  作者: Саша


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1/11

1話

異世界系って終着点が難しいですよね

世界は五年ほど前の大地震をきっかけに、ダンジョンという存在が現れた。

東京だけでも二ヶ所。他県のものを含めれば、日本にはすでに十数ヶ所のダンジョンが確認されている。


皮肉なことに、ダンジョン内に出現するモンスターから採取できる魔石には莫大な需要があった。

結果としてこの世界には、「冒険者」と呼ばれる人種が生まれ、第二のゴールドラッシュさながら、人々は日々ダンジョンへと潜っていく。


もっとも俺たちは、その金目当ての連中とは少し違う。


「なあ。なんで帰ってきてまで、俺らダンジョン潜ってんだ?」


「それはお主とわしが、平凡な日常で生きていける存在じゃないからじゃろう」


「身も蓋もねえな」


会話を交わしながらも、二人の足は止まらない。

通路の奥から、甲殻に覆われた魔物の群れが雪崩のように押し寄せてきた。


「来たぞ。数は多いな」


「多い方が楽しいじゃろう?」


次の瞬間、相方の足元が爆ぜた。

轟音とともに岩床が砕け、爆炎が通路を埋め尽くす。


「ちょっ、おま――!」


言い終わる前に、爆炎の中から相方が飛び出してきた。

燃え盛る炎を背負ったまま、刀を一閃。


銀の軌跡が空気を切り裂き、前列の魔物がまとめて上下に分断される。

肉片と血飛沫が壁に叩きつけられ、嫌な音を立てて転がった。


「うるさいのう。逃げ遅れる方が悪い」


「それを言うのは人としてどうなんだ」


俺もため息混じりに刀を構える。

地を蹴り、距離を詰める。


刃を振るうたび、首が飛び、胴が裂ける。

骨が砕け、血の匂いが鼻を刺す。


気づけば、通路は赤く塗り替えられていた。


「ふぅ……とりあえず、この辺りは間引いたな」


「大変じゃったな」


「主にお前がな」


足元には、数え切れないほどの魔物の死体。

原形を保っているものの方が少ない。


傍から見れば、どちらが怪物なのか分からない光景だ。


「いい歳だもんな、俺たちも」


「お主がそれを言うか? どちらも年齢は化け物みたいなものじゃろう」


「そういう自覚はしたくないんだけどな」


「事実じゃからな」


こいつとも長い付き合いだが、相変わらず姿はまったく変わっていない。

俺も人のことは言えないが、不老という人類の到達点に立っていると考えれば、悪くない気もする。


まあ、一生このままというのも、少し寂しいが。


「このダンジョンの最下層って、まだ誰も到達したことないんだよな?」


「わしとお主が、初めてになる予定じゃ」


「じゃあ、さっさとクリアして次に行くか?」


「わしはもっと強い奴と戦いたい」


「お前みたいなのが増えたら、世界が困る」


「それもそうじゃな」


俺たちは金のために戦っているわけじゃない。

強い敵を求めて、ただそれだけの理由でダンジョンに潜っている。


特に隣の相方は、ドがつくほどの戦闘狂だ。

今日だけで、三百体近い魔物を屠っている。


爆発させ、斬り裂き、粉砕しながら進むその姿は、

どう見ても英雄ではなく連続殺人犯候補第一位である。








気長に書いていきます

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