42話 港国
Zランクか。いつかあってみたいもんだが今の俺じゃ相手すらしてくれないだろうな。
もっと強くならないとな。
「ハルト君。ちょっといいですか?」
「なに?」
小声で聞いてきたので小声で返す。
「リリアさんのことなのですが本当に信用してもいいのでしょうか」
「あーそうだな。少なくとも今のところは害はないし安心していいんじゃない?」
「そう、ですね」
ソフィアはやや不安そうだが納得してくれた。
確かにリリアも裏切らないとは限らないしな。
油断は禁物だ。
「あれ港町じゃない?」
リリアが指をさす。
「ん?ほんとだ」
さされた指の先を見ると港町が見えていた。
港町だけあって海の近くに建造物が立ち並び船が行きかっている。
漁猟が盛んなようだ。
にしてもでかい。町にしてはデカすぎる。
ミューゲルニアのように外壁が町を包み込むようにそびえたっている。
最早町ではなく国だ。
「そういえば港町ではなく港国でした」
「だよね」
やっぱりな。これが町ならミューゲルニアはなんなんだとなってしまう。
「あの門から入るん?」
見たあたり外壁についている門以外に入り口はなさそうだった。
「そうですね。そうするしかなさそうです」
ソフィアだいぶ大人になったな。
最初会ったときは箱入り娘だったのに。
えらい変わりようだ。
それもこれもヴィルカスのせいか。
あの野郎は絶対に殺す。
「身分証明書は持っていますか?」
「そんなのいるの?」
「はい。ギルドカードでもハンターカードでもいいですよ」
「どっちもないんだけど」
「だったら奴隷として連れ込む?」
「は?」
「身分証明書を持っている人の所有物である奴隷なら証明書なくても入れるはず。ですよね?」
「えぇ、でもそれじゃあハルト君が」
「まぁ、いいよ。しょうがねぇ」
「でも、その・・」
ソフィアが頬を赤らめる。
今の会話で恥ずかしがるとこあったかな?
「そうね・・・」
リリアも同じ反応。どしたんこいつら。
「どした?」
「奴隷として入国するなら全裸じゃなきゃいけないの」
「・・・は?」
数秒思考停止した。全裸?裸?はだか?
「え!?ちょ、まっ、無理やろ」
「でもそれしか方法が」
「なにぃー!?」
無理無理無理。さすがに大衆の面前で全裸は厳しい。
男が裸になって誰が喜ぶんだよ。女じゃなきゃ意味ないだろ?
「どうするん」
「さぁ」
覚悟を決めるしかないか。
「わかったよ。やるよ」
俺は脱ぎだす。
「え?ちょっ、」
リリアが目を隠す。ソフィアも。
そして俺は全裸になった。
「目開けていいぞ」
「隠してる?」
「あぁ」
リリアとソフィアがゆっくりと手をどかす。
するとそこには股間を覆い隠すように光っている光球があった。
「どう?イカしてるやろ?」
くっそはずい。死にたい。
「え?えぇ、まぁ」
「じゃあ行こうか」
・・・
門に到着。
「そこのお前たち、止まれ!」
兵が槍を突き出しながら近づいてきた。
「身分証明書の提示を」
「はい」
「これを」
2人は冒険者カードを出した。
「よし。そこのお前もだ」
兵はやや引き気味の顔で俺を見た。
そりゃそうだ。人の前で息子を開示してるんだからな。
たとえ光の玉で隠してたとしてもな。玉だけに。
「こいつは私の奴隷よ」
「ほんとだな?」
「えぇ、これが何よりの証拠でしょ?」
全裸の俺を指さす。
「まぁそうだな。通ってよし」
兵が道を開ける。
そして俺たちは港国に入国した。
一人変態を含む。




