39話 合流
「うぅん?」
ハルトはゆっくりと瞼を開ける。
あぁ、そうだった。俺は気を失って・・・。
「痛って」
オークロードにやられた傷が痛む。
「そろそろ魔力は復活してるはず」
【ステータス 魔力 オープン】
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MP 500
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ちょっとは回復してるな。試しに治癒魔術をかけてみよう。
【治れ】
体の傷がふさがれ痛みは引いていく。
「よしっ!なんとか回復は出来た。後はリリアたちと合流するだけだな」
俺は立ち上がる。
「んじゃ、生きますか」
・・・
にしても本当に強かったなあのオーク。
オークロードなのか?デカかったし。
そういえば俺は魔術を使うために剣を使うとか言ってたけど剣なくても使えるじゃん。
神の言うことは当てにならんな。
「ん?腕がない」
リリアの腕を拾いに来たのだが血痕だけ残して腕はなくなっている。
「どゆこと?」
誰かが拾ったのか?敵が拾うわけもないしソフィアかな。
ガサッ
「誰だ!」
すぐに剣を抜き音がした方を向く。同じ過ちは繰り返さないぞ。
「ハルト!」
草むらから出てきたのはリリアだった。
後からソフィアも姿を現す。
「腕は・・・。大丈夫みたいだな」
元通りになっているリリアの腕を見て安心する。
「ソフィアちゃんも大丈夫?」
「はい。なんとか」
よかった。みんな無事なようだ。
「にしても何だったのでしょうか。あの襲ってきた敵もですしオークも・・・」
「オーク?」
「はい。私は何者かに連れ去られ気が付いたらオークの集団に囲まれていたのです。危なく私犯されるとこでした」
まじか。でも何とかなったのならよかった。
「ハルトこそ大丈夫なの?」
リリアが心配そうに聞いてくる。
「俺?まぁ、ちょっと死にかけたけど何とかなったよ」
「うっ」
急にめまいがして倒れる。
「ハルト君!」
「ハルト!」
2人が心配そうに近づいてくる。
リミットブレイクの反動か。でもここで気を失うわけには・・・。
俺は何とか力を振り絞り立ち上がる。
「だ、大丈夫?」
「あぁ、ちょっと無理したからな。その反動だ」
「肩借すから」
リリアが俺の腕を自分の肩に回し支えてくれる。
「ごめん。ありがと」
「いいよ別に」
そうして三人は歩き出した。
・・・
「そういえばオークロードの死体があったのですが誰かが倒したのでしょうか?A級の冒険者3人でやっと倒せる相手なのですが」
「え?そうなの?」
リミットブレイクの反動が収まった俺はソフィアに問い返す。
「はい。A級冒険者でも必ず勝てる敵ではないようです」
「へ、へぇ~」
え?俺そんな敵と戦ったの?マジで危なかったんだな。
にしても転生した初日はD級ぐらいの強さしかなかったのに今ではこんなに強くなっている。
嬉しいな。けど慢心はしない。強くて損はない。この世界の敵は強いしな。
「どうせハルトが倒したんでしょ?」
リリアが小声で聞いてくる。
「ばれてたのか」
「嘘下手すぎ」
「あはは」
「でもすごいね。一人で倒しちゃうなんて。前私も戦ったけどかなり強かったよ?」
「リリアも倒したのか?」
「うん。冒険者の依頼で」
「冒険者やってんの?」
「そうだよ。いまA級」
「すっげ~。そんなこともやってたのか」
「まぁ冒険者はしばらく本気でやってたしね」
「港町にも冒険者ギルドとかってあんのかな?」
「あるんじゃない?基本的にギルドは大体どこでもあるよ」
「なぁ、今更だけどさ。さんで最初会った時あんなキモイキャラだったの?」
「キモイって・・・。まぁ、いいや。前にも言ったけどあれは振りじゃなくて思ったことをちょっと改変して言ってるだけ」
「にしても今とじゃ違い過ぎるんだが?」
「それは・・・。まぁ、いろいろあってね。いつか話すよ」
「そう?わかった」
気になるがいつか話すと言っているんだ。余計な詮索はよそう。
「もうすぐ森を抜けます。ですが油断は禁物ですよ」
「は~い!」
「OK!」
「なんでそんなにテンション高いのですか・・・」
・・・
「あっ!光が見えるぞ!」
俺たちが進んでいる先の方に薄っすらと光が見えてきた。
「ほんとだ。出口じゃない?」
「そうですね。おそらく出口かと」
やっとこの森ともお別れだな。
「やっと出れる~。もうこんなとこ居たくないよ」
「そうだな。じゃあ走るぞ!」
俺は光に向かって走り出す。
「あっ!ちょっと待ってよ!」
俺に続きリリアも走り出す。
「お二人とも!」
ソフィアも走る。
危機感など皆無だ。
「おぉー!」
森を抜けた先には道があった。
道と言っても草がないだけの地面だが。
いわゆる街道ってやつだ。
「すっげ」
「初めて見たの?」
「そうだな。初めてかも」
にしても本当にきれいだ。
空は晴れ渡っており雲一つない。
日差しも丁度よく気持ちがいい。
それによく目を凝らせば海が見える。
「海じゃん!ってことはあっちに港町があるってことだな?」
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ。走るの速すぎですよ」
息を切らしたソフィアが森から出てくる。
「え?ごめんごめん。ちょっと飛ばし過ぎた」
「本当に思っているのですか?」
「うん!てかソフィアちゃん!海が見えるけどあっちに港町があるんだろ?」
「恐らくそうでしょう」
「じゃあ出発しましょう」
「はい!」
「っしゃー!行くぞコラー!」
「だからなぜそんなにテンション高いのですか・・・」
そうして三人は港町へと足を向け歩き出した。




