38話 全滅の危機
マズいぞ。意識が飛びそうだ。魔力がゼロで治癒魔術が使えない。
「早く、ソフィアと・・・」
俺はそこで足に力が入らなくなり地面に倒れる。
「り、り、あ・・」
意識が飛んだ。
・・・
ソフィア視点
リリアがハルトを庇い倒れる。
「リリア!」
ハルトが叫ぶ。
腕が・・・。回復しないと。
「んっ」
急に後ろから口をふさがれ何かを吸わされる。
「ん、んんーーーっ!!」
抵抗できない。なんて力。
このままじゃ・・・。
・・・
「ん?」
ゆっくりと目を開ける。
「ここはどこ?」
「フゴッ、フゴォォ……ッ」
後ろから何か唸り声が聞こえた。
「なに?」
振り返るとオークが数匹私を囲んで見ていた。
オークの周りには血塗れの裸の少女たちが転がっていた。
まさかっ!
危機感を覚えた私は立ち上がりオークと距離を取る。
嫌だ。こんな怪物に犯されるぐらいなら死んでやる。
死ぬ?いや、死ねない。リリアさんの腕も直さないといけないし。
こんなところで死ぬわけにはいかない。
【ファイヤアロー】
炎の弓を具現化し弦を引く。
ヒュッ
矢はオークの頭に直撃しオークは倒れる。
「ウゴッ!?」
周りのオークは驚いたように下がる。
次々と矢を放ちオークを射抜いていく。
そして最後の一匹になった。
ヒュッ
「ウガッ」
「よし。リリアさんとハルト君と合流しないと」
・・・
リリア視点
「ソフィアちゃん!」
ハルトが叫んでいる。
痛い。すごく痛い。気がおかしくなりそうだ。
草陰から何かが飛び出してきた。
「!?」
避けようにも避けれず「何者」に抱き上げられ連れ去られる。
「何者」は途轍もないスピードで走っている。
「このっ!」
後ろ頭に蹴りを入れる。
相手はよろめき私を話す。
猛スピードで走っていたので地面に落ちた時の衝撃は凄まじかった。
「ぐっ」
腕から血が噴き出る。傷に土が入りさらに痛む。
「うっ、ぐっ」
涙が出てくる。ハルト助けて。
そして何者が立ち上がり近づいてくる。
「何するんですか?痛いじゃないですか」
私の腕を踏みつける。
「ギャアアアアアアアアアアアアッ!!!」
「あははは!痛いですか?どんな気持ちですかぁ?」
その女は笑いながらリリアの腕を踏みつける。
「やめて!あ゛ぁ゛ーーーー」
「やめるわけないじゃないですか。こんなにも気持ちいい悲鳴を上げているのにやめれるわけがない」
狂ってる。このままじゃ私・・・。
ヒュッ
「!?」
キィィンッ!
炎の矢が女を襲う。
「あっつーい」
「大丈夫ですか?」
ソフィアが近づいてくる。
「ひどい・・・」
ソフィアが傷を見て絶句する。
「今直します」
私の切り落とされた腕をつなぎ
【欠損再接】
斬れていた腕が繋がっていき痛みも引く。
「ありがとうございます。助かりました」
「いえ、仲間ですので。さぁ」
手を握り立つ。
「戦えますか?」
「はい。いけます」
双剣を抜き構える。
「何すんのよ!糞尼!ぶっ殺してやる!」
女はナイフを握り突っ込んでくる。
右の剣でナイフを受け左の剣でカウンターをする。
だが女は身を捩って避け蹴りを頭めがけて放つ。
咄嗟に腕でよける。こんなのハルトのあれに比べたら!
蹴りを押し返し相手の腹に蹴りをお返しする。
「かはっ」
女は血を吐きながらぶっ飛ぶ。
「王女様は後ろに下がって援護をお願いします!」
「わかりました!」
「こんのぉ!」
女は立ち上がりリリアを睨む。
「どうしたの?来なさいよ!」
女を挑発する。
「黙れぇ!」
一直線に突っ込んできた。早い。目じゃ追えない。
けど一直線。感で双剣の柄頭を振り下ろす。
「がっ!」
柄頭は女の首筋にあたり気を失ったのか倒れる。
「どうしますか?ここで殺すのがいいかと」
「そうですね。生かしておいてもまた襲われたら困りますしね。ですが少々心が痛みます」
「じゃあ私が」
私は双剣を女の頭に突き立てた。と思ったが剣が刺さったのは地面だった。
「え?」
辺りを見渡しても女の姿はない。
「どういうことでしょうか」
「さ、さぁ」
一体どこに・・・。それよりもハルトを!
「王女様ハルトの居場所はわかりますか?」
「いえ、先に見つかったのはリリアさんですので」
「じゃあ一緒に探しましょう」
「はい!」
2人はハルトを探しに森を進むのであった。




