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異世界転生したら敵が強すぎる件  作者: 歌を忘れたカナリア
4章

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36話 クザートの森

「お二人に話があります」

「どした?」

「なに?」

少し元気がないリリアと気まずそうなハルトが返事する。

「今日の特訓が終わり次第クザートの森に行きます。各自準備をお願いします」

「オッケー」

「わかった」

朝食を終え特訓に向かう。

「じゃあ、何する?」

「そうね・・・」

気まずい。どうしよう。

「なぁ、怒ってる?」

「別に」

う~ん、怒ってるようには見えないんだよな。というか落ち込んでる?のかな。

「さっきソフィアちゃんが言ってたように明日か今日でクザートの森に行かないといけない。だからそんな状態じゃ危ないと思うぞ」

「わかってる。ちょっと昔の嫌なこと思い出しちゃって」

「嫌なこと?」

「うん」

「よかったら話してくれないか?人に話すだけでも違うってもんだぞ」

まぁ、万年ぼっちだった俺が言うことじゃないかもだけどな。

「聞いてくれるの?」

「あぁ、もちろんだ」

そうしてリリアは話し出した。その過去を。


・・・


「ってことがあってね。昨日のハルトの攻撃で昔死ぬ直前の記憶が蘇っちゃて。それで・・・その」

思ったよりも重い過去を持っていたようだ。聞いているこっちまで気分が重くなる。

「そっか・・・」

「でもハルトが悪いってわけじゃないんだよ?ただ、少し痛かっただけ」

痛いということにトラウマのようなことがあるんだろう。だが異世界でそんなことを言っていてもダメだ。

無慈悲かもしれないがリリアは慣れないといけない。

「けどリリア?」

「わかってる。これじゃダメだって。だから強くなりたい。だから手伝ってハルト」

「そうか。もちろんだ!俺だって強くなりたいからな」

リリアは思っていたほど弱くないようだ。強いわけでもないが今はそれでいいんだろう。

「じゃあ何する?魔術?剣術?」

「どっちもがいいんじゃないかな」

「そうだな、じゃあそうしますか」

「女神召喚しようか?」

「明日クザートの森に行くんだし魔力は温存しとこう」

「そうね」


・・・


「つっかれたー!」

「そうだな。でもリリアだいぶ強くなったんじゃないか?」

「そう?ハルトもじゃん」

「そうかな?」

「うん」

「お疲れ様です」

ソフィアが歩いてきた。

「どうですか?明日いけそうでしょうか」

「うん。たぶんね」

「俺もいけると思うよ。ソフィアちゃんこそ大丈夫なの?」

「私は大丈夫だと思います」

「とりあえず家に入りましょう」

3人は家にはいり腰を下ろす。

「では作戦会議としましょう」

作戦会議か・・・。嫌な記憶しかねぇ。

「私は援護しますのでリリアさんとハルト君は前衛をお願いします」

「おっけ~」

「わかった」

「回復係も私が勤めます。一応上級までは使えます」

「へぇ~。すごいですね。上級といえば腕を失ってもすぐなら治せるじゃないですか」

「まじ!?」

「はい。上級魔術は手足を失ってもすぐなら治せます」

「すぐってどのくらい?」

「一時間ほどでしょうか。それ以上たったら怪しいかもしれないですね」

「そっか」

でも一時間いないなら治るということだ。上手く使えば武器になるな。

「それで、話を戻しますがお二人はクザートの森で通用する程度には強くなったという感覚はありますか?」

「まぁ、死なないぐらいには強くなったと。女神も召喚できるし」

「俺も死なんぐらいには強くなった、はず」

「女神を召喚?」

「そっか、言ってないもんね。リリアは女神を召喚できるんだ。結構強い」

「そんなことができたのですか」

「まぁ、ね」

「じゃあそれは奥の手に使いましょう。危なくなったら召喚し殿を務めてもらいましょうか」

「そうね」

なかなかえぐいことを言ってるな。まぁそれがいいかもしれんが。

「じゃあ明日出発です。今日は休んでください」

3人は眠りについた。


・・・


「おはよ~」

「おはようございます」

「おはよ」

リリアとソフィアは起きていたようだ。俺がびりだな。

「うげっ、まず」

「そろそろ慣れなさいよ」

「つっても不味いんだよこれ」

「そうだけどさぁ」

そんなこんなでクソ不味い朝食を終え三人は出発の準備をする。

「この場所ともお別れか」

「たった3日だったけどね」

「まぁな」

「じゃあしまうわね」

リリアが家に手を当て

【戻れ】

そう唱えると家は周りながらカプセルに戻っていく。久しぶりに見たな。

「それじゃあ行きましょう」

ソフィアが歩き出す。

「そだね」

「今行きま~す」

それに続き俺とリリアも歩き出す。

「ハルト君」

「ん?」

「ハルト君が使っていたあの魔術は何なのですか?見たことがありません」

「あぁ~あれね、なんて説明すればいいかな。まぁ俺にもよくわからないんだ」

「そうなんですか?」

「うん」

「じゃあなんで使えてるのよ」

リリアが話に入ってくる。

「知らん。俺が天才からかもな」

口ではそう言っているが本当は思っていない。これは神の力なのかもしれないしな。

「なわけないでしょ」

でもそう否定されるのはイラつくな。

「そういえばリリアはどのくらいこっちにいるん」

「1年ぐらい?」

「結構いるな」

「まぁね、ハルトこそどうなの?」

「1か月もたってない」

「まじ!?」

「あぁ」

「よく1か月でそこまで強くなったね」

「いろいろあったからな」

よく考えれば俺は最初から最悪な始まりだったな。

「もうすぐ着きますよ。各自気を引き締めてください」

「はぁ~い」

「おけぇい」

気の抜けた返事にソフィアは苦笑する。


・・・


「着きましたよ」

「うわ」

そこには薄暗く不気味な森があった。最悪だ。今からここに入るのだ。

「ん?なんだこれ」

直径2メートルぐらいの魔法陣があり看板に「港町に転移できます。クザートの森は危険ですのでA級以下の冒険者さまやハンターはこれをお使いください」と書かれていた。

「うわっ、怪し」

確かに怪しいが書いてあることが嘘だとは思えん。危険らしいからな。

「怪しいですね・・・」

ソフィアも苦い表情になる。しゃーないか。森を抜けるしか道はないようだ。

「んじゃ行きますか」

「そうね」

「はい」

そうして三人は森の中へと進んだ。

薄暗い。よく目を凝らさなければ先が見えない。

こんなに暗いのに敵が襲ってきたときに対応できるか心配になってきた。

「お二人とも気を付けてください。どこに魔物が潜んでいるかわかりませんので」

「おっけ~」

「わかった」

ハルトもリリアも警戒しながら進んでいく。

神が言っていたことだが剣を通して魔術を使う、というプロセスを与えてくれたが意味はあるのだろうか。

実際剣なしで魔術は使えた。この剣にいったい何の意味があるのか。

「!?皆さん!警戒態勢!」

ソフィアが叫ぶ。

【ファイヤアロー】

「来たわね」

リリアも剣を抜き構えている。俺も剣を抜き三人で背中を守るように立つ。

ドスン、ドスン

地面が揺れ足音が聞こえてくる。

「なんだ!?」

「おそらくトロールかオークでしょう」

まさかオークロード?いや、そんなわけないはずです。

覚醒時期はまだ先のはず。

【腕力上昇】

腕に力が入る。一応身体強化魔法をしといたほうがいいだろう。

ドゴォン

突如木が倒れ巨躯の魔物が姿を現す。

「トロール!」

「グオオォォ!」

トロールは叫びリリアを目標に走り出す。その巨躯な体で信じられない速度をだしながら走る。

「リリア!」

「わかってる!」

トロールはリリアに向かって2メートルほどのこん棒を振る。

リリアはそれをよけできた隙にトロールに向かって距離を詰める。

左手の剣でこん棒を持っている方の腕を斬りながら距離を詰めていく。

目の前ほど近づいたら飛びあがりトロールの目を双剣で刺す。

「グ、ガ……ゥゥゥ……ッ!!」

トロールは拳で顔にしがみついているリリアを殴ろうとする。

だが拳が当たる前に剣を抜き飛び跳ねる。

拳はトロールの顔面にぶち当たる。

「ふん!馬鹿ね。これでもくらいなさい!」

【静寂の断頭台サイレント・ギロチン

リリアは音もなく一瞬でトロールの首を斬った。

ドチャ

首が地面に落ち嫌な音を立てる。

ドスン

支えを失ったトロールの巨躯が地面に倒れ地震のような震えが地面を走る。

「えぇ、まじか・・・」

「ふぅ~」

「無事ですか?」

「はい、まぁ」

「おいおいさっきのは何だよ」

「あれは剣術の技だよ」

「そんなのあるん」

「あるよ。まぁ自己流だけど」

「ん?つーことは技の名前は自分でつけたの?」

「なわけないでしょ。技を習得するとステータス画面に表示されるのよ。そして技名をいうと威力や成功率が上がるの」

「へぇ~。かっこいいな。俺もぜひ使ってみたいもんだ」

「あんたも練習すればできんじゃない?」

厨二心をくすぐられる。いつか使ってみたいな。

「お二人とも。私語はそこまでに。まだいるかもしれません。警戒を怠らないように」

「すいません」

「そうだね。確かにいるかもしれないし」

もう一度周囲を見直す。

「何もいないわね」

「はい。そのようです」

「よかった」

「でもリリアさん。先ほどの戦いは素晴らしかったです。まさか一人でトロールを倒すとは」

「まぁ、何回か戦ったことが」

「それにしてもすごかったです。心強い味方です」

「ありがとうございます」

リリアは少し照れているようだ。てかなんで敬語?

「じゃあ行くか」

「そうですね。まだ先は長いですよ。気を引き締めて行きましょう」

「はい」

「おう」

そうして三人はクザートのもりを着々と進むのだった。






あけましておめでとうございます。今年も「異世界転生したら敵が強すぎる件」をよろしくお願いします。よければ感想や誤字報告などをよろしくお願いします。ここまで読んでくださった皆様。誠にありがとうございます。

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