34話 情報収集
三人は食事を終えた後店を出て個人で情報収集することになっていた。
クレア視点
よし、まずはそこら辺の人にいろいろ聞いてみよう。王都のことについても教えてあげないと。
「あのちょっといいですか?」
釣りをしている老人に話しかける。
「なんだい?」
「ちょっと聞きたいことがあるのですが」
「聞きたいこと?」
「はい。あのちなみに王都が崩壊したのは知っていますか?」
「うん知ってるよ。なにせこの私でも聞こえるほどの爆音が聞こえたからね」
「そうですか」
ここまで聞こえてたんだ。まぁ、そんなに離れてないし聞こえるのかも。
「あの、ここらに大きな町とかあります?」
「大きな町か。ミューゲルニア王国ならここから東に80ブロック行った先にあるよ」
ミューゲルニア王国。このヴィガンド大陸でも指折りの大国だ。行ってみるのもいいかもしれない。
ハルトさんがいるかもしれないし。
「ありがとうございます」
「あ、そうだお嬢ちゃん。最近ここらに物騒な輩がいるらしいから気を付けてね」
「わかりました。お時間ありがとうございました」
そう言うと老人はニコッと笑い釣りに戻った。
物騒な輩。ヴィンダーさんを襲った人かもしれない。
ミューゲルニア王国は生物兵器の実験を行っているという噂を聞いたことがある。
本当かどうかはわからないが一応頭にいれておこう。
何が起こるかわからない。
そして夕方
そろそろ集合の時間だ。
クレアは集合の宿に向かう。
2人はすでに集まっていた。
「やっときたわね」
「すみません。遅れました?」
「いや、私たちもさっききたところだ」
「それで?なにかいい情報はあった?」
「それを今から話し合うんだ」
「こっちの部屋だ」
ヴィンダーさんが先導して歩く。
「ここだ」
203号室。二階の部屋だ。
ドアを開け中に入る。軽く休めるソファーとベッドが置いてあった。それ以上はない。
「殺風景ね」
「しょうがないだろ」
「さぁ、みんなここに座って」
ヴィンダーはベッド、私とミリカさんはソファーに座る。
「それで?誰から言うかな」
「じゃあ私から」
ミリカさんが手を挙げる。
「頼む」
「私が聞いたところによるともう王国のことは大抵の村人が知っているようだった。爆音が聞こえたのこと」
「それは私も聞きました」
「わたしも」
みんな聞いていたみたいだ。
「それとここら辺りに暗殺ギルドヴィシャーダという組織がいるらしいわ。おそらくヴィンダーを襲った奴のアジトかもしれない」
「そうか・・・」
それは私も聞いたな。意外と同じ情報をみんな聞いてきているのかもしれない」
「これで終わりよ」
「じゃあ次は私いいですか?」
「あぁ」
「ここから東に80ブロック進むとミューゲルニア王国があるみたいです」
「結構距離があるわね」
「ミリカの転移魔術ならどうだ?」
「転移魔術は一度行った場所しか使えないのよ」
「そうだったな。すまん」
「あとはミリカさんが言っていたのと同じです。すいません」
「いや、謝らなくていい。一つでも情報があるとありがたい」
「じゃあ最後は私だな」
「さっきクレアちゃんがいった通りここから東にいったらミューゲルニア王国がある。だがその途中の警告を渡る橋がオークロード率いるオークの集団に占拠されているらしい」
「オークロードねぇ。A~S級討伐対象の大物ね」
「あぁ、オークロードだけならこのメンツで勝てないことはない。だがオークがなん十匹といると話は変わってくる」
「でも倒すしかないんじゃない?」
「そうだがどうしようもない」
「橋を崩せば早いじゃない」
「それが橋の入り口付近にいるんだ」
「まったく迷惑な奴らね」
「まったくだ」
2人とも考え込んでしまう。私がもっと戦えれば・・・。
そうだ。いくら数が多くても一体一体相手をしなくてもいいんだ。
「あのちょっといいですか?」
「なんだい?」
「どうしたの?」
「さっきことについてですが別にすべてのオークを相手することはないのでは?」
「というと?」
「これはあくまで提案ですがまずミリカさんの魔術でオークロード以外のオークを殺れるだけ殺ってそのあとオークロードを叩く、というのはどうでしょう」
「ふむ、いい考えだがそんなこと可能なのか?」
「当り前よ。これでも私は五大魔術師なのよ?」
「そうだったな」
「ちょ、何よその忘れてたみたいな言い方」
「すまん」
「まぁいいけど」
「で、できるんだな」
「もちろんよ」
「あのミリカさん。提案なんですが確実にオークを倒すためにミリカさんの魔術と私の収束魔術を組み合わせるのはどうでしょう」
「収束魔術?聞いたことないけど」
え?てっきりミリカさんは知ってるかと思ってたのに。
たしかあれは一人で特訓していたとき。魔術の威力を上げられないか試行錯誤していたとき魔力で武器を作るという魔術を発見した。
そのとき思いついたのだ。攻撃魔術でも同じことではないか?と。
それからは毎日魔力の収束の練習をした。はっきり言ってすごく難しかった。
少しでも雑念が入れば誤爆するし下手したら死にかねない。けど成功したら同じ魔力量で二倍にも三倍にもなる威力がでたのだ。
けどその分魔術の範囲は狭まる。けど威力は上がる。外したら終わり。当たったら高威力。
ハイリスクハイリターンだ。
そうして収束の仕方や使い方をミリカさんに説明した。
「すごいわねクレアちゃん。そんな魔術どの魔術教本にも書いてなかったわ」
「まだ完璧とは言えないですけどある程度は使えるようになりました」
「じゃあその作戦でいこう。クレアちゃんとミリカはそのやり方で練習しといてくれ」
「わかったわ」
「わかりました」
そうして会議は終わり。三人は眠りについた。




