33話 特訓
「おはヨガのポーズ」
「なにそれ・・・」
俺のしょうもない言い方に眉をひそめるリリア。
「今日も特訓するの?」
あのクソ不味い肉を食べているソフィアに問う。
「そうですね」
「ねぇ、ソフィアちゃん。君のステータス見ていい?」
こっそり見ればいいだけの話だが一国の王女なので一応聞いておく。
「いいですけど魔力測定器は思ってるんですか?」
「なにそれ」
「知らないんですか?尚更どうやってステータスを確認するつもりなんですか」
「そりゃあ魔術で見るんだよ」
「魔術で?そんなことができるのですか?」
「うん」
「じゃあ試しにやってみてください」
【透視】
ソフィアの服が透けて見え、間違えました。
【透視 ステータス】
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ソフィア
HP1000
MP15000
防御力 900
攻撃力 50
特殊能力 魔術攻撃力20%アップ
種族 人間「王族」
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魔力15000!?王族だからかな。にしても多いそうな気がするのだが。
「魔力多過ぎない?」
「魔力測定器なしで見れたのですか?」
「え?まぁ」
「ハルト君あなたは一体・・・」
「俺?俺はさすらいの」
「はい、いいから王女様、特訓はじめましょ」
「おいこら、最後まで言わせろ」
「どうせしょーもないことなんでしょ?」
「うっせ」
そんな感じで朝飯をすませ魔術や剣術の特訓を始めた。
「今日も女神召喚する?」
「いや、召喚するとめっちゃ魔力消費するから疲れるんだよ」
「そっか。じゃあ俺ら二人でやり合いますか」
「そうだね」
「そういえばお前は魔術使えんの?」
「う~ん、まぁまぁかな」
「試しにやってみろよ」
「え?まぁいいけど」
リリアが詠唱の構えをする。構えかは知らんけど。
【視界よ、白銀に染まりて断絶せよアイシクル・ジャッジメント!】
そう唱えるとあたりが真っ白に染まっていき急激に気温が下がり始める。
【励起せよ】
寒いので小声で魔術を使う。少しは暖かくなった。
そうして辺りはほぼ何も見えなくなった。そしてリリアが狙を定めていた木に氷のトゲが絡みつき動きを封じる。「*木は動きません」さらに氷の杭が木に直撃した。
バキバキ
音を立てたながら木は倒れる。木が倒れた音は徐々に明るくなった。
「どう?」
「すげぇ」
「でしょ」
リリアが自慢げに言う。
「調子乗んな」
「のってないし!」
「よっしゃー!俺も魔術の特訓しますか!」
「急に大きい声出さないでよ。びっくりした」
「え?あぁ、ごめん。いや~なんかお前の魔術見てたら俺もやりたくなってさ」
「だったら教えてあげようか?」
「お前に教えられるほど俺は簡単な男じゃないぜ★」
「うっさい。教えるから黙って聞け」
「強引だな。嫌いじゃないけど」
「いい?魔術ってのは詠唱をして魔術回路をまず構成するの。そのあとにどこに魔術をあてる対象を決めて最後に魔術を発動させるの。イメージも大事よ」
「意外と詳しいな」
「結構こっちにいるからね」
俺はこっちにきてまだ一か月もたってないしな。今の俺の奥義といえばリミットブレイクしか・・・・。
ん?そういえばリミットブレイクの後遺症がないぞ?なんでだろう・・・。
「魔術は使えるみたいだしあとは魔術を当てる練習ね」
「そうだな。コツとかってある?」
「コツか。そうね、魔術を当てる対象に何らかの思いを向ければ当たりやすくなるよ。あくまで私の場合だけど」
「OKOK。やってみる」
俺は近くの木に狙いを定め集中する。思い、思いを込めろ。
【死ね!ファイアボール!】
手から前回と二倍ほどの大きさの炎球ができた。そして木に向かって高速で飛んで行く。
ドゴォン
見事木に当たりメキメキと音を立てながら倒れる。そして木は炎で炭と化した。
「ふぅ~。こんなもんかな」
「いいんじゃない?物騒な単語が聞こえたけど」
「強い意味を含む思いを込めたほうがいいんじゃないかと思ってな。愛みたいなもんだよ」
「歪んだ愛だね」
「うっせ」
「でも最初からこんなにすぐできるとは思ってなかったよ。意外と才能あるんじゃない?」
「でもまだまだお前の魔術には及ばないけどな」
「そんなことないと思うよ?」
才能・・・か。俺も剣道で初めて優勝した時は増長したもんだ。それで痛い目をみたんだけどな。それから俺は謙虚になろうと決めた。
ある程度の自信はいいけど過度な自身は自分の首を絞めることになる。調子に乗ってはいけない。
「んじゃ、次は剣術の特訓でもしますか」
「そうね」
・・・・
ソフィア視点
【ファイヤアロー!】
炎の弓を具現化させ弦を引く。そして狙っていた岩めがけて矢を放つ。
ヒュッ
矢はまっすぐに飛んで行き岩を穿つ。
「よし。いい感じ」
内心ガッツポーズをする。二人はちゃんとやっているのかな。
正直リリアさんのことはよくわからない。不確定要素だ。
「・・・・」
お父様・・・。ハルト君を裏切った挙句私まで・・・。
なんでだろう。私何かしたのかな?
いや、今考えても仕方がない。今は特訓に集中しなくては。
明日までにはクザートの森を抜けなくては。じゃないと森の王が目覚めてしまう。
目覚めてしまってはもう終わり。一か月はここから動けなくなる。
そしたら食料が持たない。だから頑張らないといけない。
「ふぅ~」
深呼吸をする。よし、頑張るぞ。
そうしてソフィアは魔術の特訓に戻った。




