29話 一方そのころ
雷属性の魔術を使ってみてわかったことがある。やはり雷は炎と違い速度が乗る。だが斬撃性能は炎よりも弱い。
逆に雷は一点を切り落とすのには便利そうだ。当てるのが難しいので練習が必要かもしれない。かといって魔術を過信しすぎてもいけない。
自身の戦闘能力も上げないとな。
「ねぇねぇ」
リリアが俺の腕をつついてくる。
「ん?」
「ハルトってさ、彼女いたの?」
「は?急になんだよ」
「いいから教えてよ~」
リリアは意地悪な笑顔を浮かべながらつついてくる。
「いや~、俺ゲイだから女には興味ないんだ~」
「え!?ゲイなの?」
「冗談」
「なによ~、もう!」
怒ったのか顔をそむけてしまった。
「ゲイってなんですか?」
ソフィアが俺たちの会話を聞いていたのか不思議そうに聞く。
「い、いや~、それは・・・」
「簡単に言うと男同士で**********」
「へやぁ!?そ、そうですか・・・」
ソフィアは恥ずかしそうに頬に手を当て赤くなる。
「おいこら。王女様になんてこと教えてんだ」
「王女!?まじ?」
「まじだ」
「え、え~と、その、すいません」
ソフィアは聞こえていないのかまだ赤くなっていた。
「え?怒ってる?私殺される?」
リリアが顔面蒼白になり俺の体を揺さぶる。
「知らん」
「ちょっとぉ~」
そうして着々と港町に進んでいた。
・・・
クレア視点
ヴィンダーさんとミリカさん大丈夫かな。そう思っていると転移門が開いた。
「お二人とも大丈夫でしたか?」
「えぇ、ヴィンダーも辛うじて生きているわ」
「よかった・・・」
ヴィンダーさんを助けに行くって言ってミリカさんが突然消えたのはびっくりしたけど二人とも無事でよかった。
「じゃあ邪魔もいなくなったことだしみんなでご飯でも食べましょ~」
ミリカが片手を天に指し飛び跳ねる。
「ミリカ。子供じゃないんだからもう少しだな・・・」
「いいじゃない。たまには童心にかえりたくなるのよ」
いつもと何が違うんだ。まぁ、これは言うまい。そうヴィンダーは心のなかで思っていた。
そうして三人は魚介類のご飯を楽しんだ。
食事中・・・
「いや~おいしかったわね」
「あぁ、魚本来の味を残しつつ味も薄すぎず濃ゆすぎず。絶品だったな」
「そうですね。初めて食べましたけどおいしかったです」
「さて、これからどうする?ここで情報収集してもいいと思うが」
「そうねぇ。情報も大事だしね。それに王都での一件もまだこの村には伝わってないかもしれないしね」
「あぁ。だからこれから三日間この村での情報収集をすることにする。異論はあるか?」
「ないわ」
「ないです」
「じゃあ決まりだな。各自情報収集を頼む。宿泊施設は私が何とかする」
「じゃあ高級なところでお願いね」
「勘弁してくれ・・・」
「ふふっ」
そんな二人の会話に思わず笑ってしまう。
「お二人は仲がいいんですね」
「まぁね。ヴィンダーとは子供からの付き合いだし」
「そうだな。子供のころのミリカといったら手が付けられなかった」
「そうなんですか?」
「あぁ、おねしょは毎日するは好き嫌いは多いわすぐ喧嘩するわでそれはもう大変だった」
「ちょ、それは言わないでよ!そんなこと言ってヴィンダーだって荒くれ者だったじゃない」
「そうなんですか?」
「えぇ、それはもう毎日のように暴力沙汰になるわ相手をボコボコにして学園をやめさせるわで大変だったのよ?」
「要するに二人とも仲がいいのですね」
『なんでそうなる?』
2人の声が重なる。そういうとこですよ。そう心の中で呟く。
「まぁ話はそれたがこれより三日間情報収集を行う。そしてその日の夜に収集できた情報をみんなで話し合う。これでいいな?」
『ええ。「ミリカ」はい「クレア」』
「よし。じゃあ解散!」
そうして三人は情報収集するために店を出た。




