21話 王都の崩壊
ヴィンダー視点
まずはドラゴンを始末する。ミリカが回復してくれたおかげで魔力はなくなったもののまだ戦える。ドラゴンも結構弱っているから倒せるはずだ。まだHUKが続いているので今のうちに倒すしかない。ドラゴンに向かって一直線に猛スピードで走る。HUKの効果で通常の2倍の速さで走っているのですぐにドラゴンの目の前まできた。剣を構える。早速ドラゴンに向かって切りかかる。HUKの効果があるので通常よりも刃が入る。ドラゴンがこちらにきずいたようでヴィンダーに向かってブレスを吐く。HUKの効果で炎は拡散される。その間にまた切りかかる。
【ウインドサイクロン】
剣を回しながら竜巻を起こす。この竜巻は裂傷効果があるのでドラゴンの体にどんどん傷ができていく。
「ゴアァ」
効いているのかドラゴンがよろける。だが鱗は斬れるが中まで刃が届かない。だが傷はできた。その傷にさらに傷をいれる。
【ウインドカッター】
無数の刃がドラゴンの皮膚「鱗」を傷つけ肉を断つ。ドラゴンから血が噴き出す。よし効いているようだな。この間に攻める!今度は遠距離ではなく近距離で攻める。さっきの攻撃で露出した肉「首当たり」に剣を振り下ろす!
ザンッ
剣がドラゴンの首の肉に刃をいれそして切り落とす。
ドチャ
血を吹きだしながら地面に落ちる。あたりが鮮血に染まる。首がなくなったドラゴンは地面に倒れる。
よし。ひとまずドラゴンは倒した。次は。
「カハッ」
血を吐き膝をつく。無理をし過ぎたか。HUK状態の時は魔力がなくとも魔術が使える。だがそれは自分の体力を魔力に変換しているため反動が大きいのだ。
無理をしすぎたか。いや、こんな所で倒れるわけには。ゴブリンやドラゴンと戦っていてきずかなかったが辺りは思っていたより深刻な事態のようだ。最初にここに来た時の2倍ほど辺りは破壊されている。
「なんてことだ・・・冒険者ギルドはどうしたんだ」
ドゴォン
右側から轟音がした。
「なんだ!?」
振り向くと領主のいる建物が破壊されていた。思わず絶句する。
「いったい誰が・・・」
考える暇もないうちにことは起こった。
ドゴゴゴゴゴゴゴ
物凄い音を立てながら上空から熱線が降り注ぎ王都全体を火の海にしていった。熱戦の爆風でぶっ飛ばされる。
まずい!受け身を!だが体が動かない。壁にぶつかる直前ゲートが開き「転移門」ミリカが姿を現しヴィンダーを水の塊で受ける。
水のおかげで壁にぶつからずにすんだ。水がなくなり地面に落ちる。立ち上がりミリカに問う。
「ミリカいったいこれは・・・」
「私にもわからないわ」
「クレアちゃんはどうした」
「もうすぐ来ると思うわ」
そして転移門が頭上で開きクレアがゆっくり降りてくる。
「クレアちゃん大丈夫だったか?」
「はい。ヴィンダーさんこそ大丈夫ですか?」
「あぁ、何とかね」
少し笑いながら答える。
「ミリカ、あの熱線はだれが放ったかわかるか?」
「いいえ。私もあの魔術が放たれる瞬間まできずかなかったわ。この私がきずかないなんて・・・」
「ミリカにもわからないならお手上げだな」
「でもどうするのヴィンダー。領主は死んだしさっきの魔術で王都の大半が崩壊した」
ミリカは何気ない口調で答える。
「なに!?領主が死んだだと?」
「えぇ、さっきの魔術で領主のいた建物もろ共破壊されたからね。私たちは転移魔術が使えたからよかったものの領主が生き残っているなんて思えないしね」
「そうか」
領主が死んだ・・・か。昔から仕えていたが自分でもビックリするほどあまり悲しくも何ともない。
「!?みんな!私に近寄って!」
ミリカが叫ぶ。どうしたんだと思ったがこういう時はミリカの言うことを聞いていたほうがいいだろう。そして私とクレアちゃんはミリカの元へ行く。次の瞬間王都の真ん中に一本の線が見えたと思うと大爆発が起こった。
【最大出力!マジックフィールド!】
ミリカを中心とした光の膜が3人を覆う。
ドゴォォォン
爆発の衝撃で破壊された建物の瓦礫が猛スピードで飛んでくる。私たちにぶつかる前にミリカのフィールドが瓦礫を防ぐ。だが衝撃は貫通してきた。爆発の暴風で3人共とばされる。
「みんな!私に近づけ!」
ミリカとクレアちゃんが私のところに近づいた。二人を抱き風のクッションで衝撃を和らげ着地する。
「二人とも無事か?」
ミリカが痛そうに顔を歪めながら
「えぇ、なんとか」
「わ、私も無事です」
クレアは何ともないようだ。おそらくミリカが庇ったのだろう。
「ミリカ、あの爆発はなんだかわかるか?」
「わからないわ。あれはおそらく人間の魔術じゃないわね。おそらく七天皇かしらね」
「七天皇だと!?。もしそうだとしてなぜここに・・・」
「今はそれよりも今後について話さない?」
ミリカがけがを治癒しながら言う。
「そうだな」
王都は壊滅した。おそらく私たちに以外には生き残っていないだろう。
「ミューゲルニア王国に行きませんか?」
クレアがヴィンダーに視線を向ける。
「ミューゲルニア王国か。たしかにあの国はこの大陸の最大規模の都市だからな」
「そうねぇ、あの国なら今回のことについての情報があるかもしれないからね」
「じゃあミューゲルニアに向けて出発しようか」
そして三人はミューゲルニア王国へと足を運びだしたのであった。




