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第7話_イケオジお祖父様登場

ようやく本編始動です。長い前振りで退屈させてごめんなさい。

肌触りの良い上質のベッド。上品に挨拶をしてくれるメイドさん。

ここはアリスと有栖の両方にとって知らない場所だ。


スチュアート公爵家?なんでお貴族様の名前が出てくるの?

平民の私には関係が運ばれるのはあまりにも不自然だ。


警戒しつつも、不思議そうな顔をしたまま固まる私に、エリーナさんは様々なことを教えてくれた。


今世のお母さんが元は公爵令嬢だったけど、性格の合わない婚約者と結婚するのがどうしても嫌で、駆け落ち同然で平民のお父さんと結婚してしまったそうだ。エリーナさんは当時、母の専属メイドを務めていたから、一緒について行こうとしたけど、『エリーナは貴族として幸せになって』とお母さんに言われて公爵家に残ったらしい。


平民になったお母さんは、小料理屋の女将として人生を再スタートし、それを公爵家の皆は暖かく見守っていたそうだ。時にはお客として、時には覗き見をして。


お母さんには重度のシスコンの弟がいて、彼は週に1度は私の家を遠くから覗き見していたそう。そのおかげで、早期に火事を発見することができて、私を救うことができたとのことだった。


火事。朧げだった記憶が、頭の中で整理されていく。有栖の文章力を借りながら。

改めて母を失ったことを実感し、大粒の涙が溢れた。


「アリスお嬢様、目覚められたばかりに辛いお話をしてしまって申し訳ありません。」

エリーナはアリスを抱きしめて、優しく頭を撫でた。


小さかった頃にお母さんに撫でてもらったのを思い出すわ。

「エリーナさんはお母さんに雰囲気が似ていますね。」


思わずそう伝えると、エリーナは昔を懐かしむように遠い目をして、「光栄です」と嬉しそうに呟いた。


見つめ合う2人を遮るように、『私だ』という声とともに扉が開いた。


「ご当主様、女性のお部屋をお尋ねのときは、ノックしてから入ってくださいといつも申し上げているではございませんか!」

エリーナの叱責に当主は「すまない、気が急いていてな。」と返すと、私の寝ているベッドの前に立って、満面の笑顔で話しかけてきた。


「はじめまして、おじいちゃんでちゅよ〜!アリスちゃん、抱っこしましょうね!」

おもむろに手を広げて頬擦りをしようとするイケオジの御当主。with赤ちゃん言葉。そしてちょっと臭い。

ここは大人の対応よ。アリスはもう15歳だし、大人っぽくお話ししても大丈夫なはず。


「お初にお目にかかります。お祖父様。ナタリアの娘、アリスでございます。」

有栖が仕事でイギリスの本物のナイトを訪問したときに身につけたカーテシーで挨拶してみる。

世界が違うから間違っているかもしれないけれど、そもそもアリスは平民なんだし、少しくらい間違っていても問題ないわよね。


あまりに年齢離れして洗練されたアリスの挨拶に、ご当主もエリーナも、驚きを隠せずに呆然として固まってしまったのであった。


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