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プロローグ的な終わり方

少しタイトルを変えました。試読から来てくれた人がいたら嬉しいなー

【失恋】この言葉は誰もが知っているだろう。思い出したくない人だっている。それは、悲しみや嫉妬や罪悪感が一気に精神を襲ってくる思春期の学生や恋をしている人にとっては1番の天敵、そんな人間の心の傷だ。

上から目線な言い方になってしまったが、言い訳をさせて貰うと俺もその傷を負っている者である。

嫌だと思うが、少しでいいから俺の過去を聞いてくれ。

言い忘れていたが、名前は都城 斎宮という。どっちも名字みたいだが気にしないでくれ。俺は去年の冬、中学校生活最後の行事である卒業式後に告白した。自分で言うのもなんだが容姿に関しては少し自信があった。でも、敢え無く撃沈。それだけなら、まだ良かった。


***


「そっか。ごめんな、こんな時間に呼び出して」

告白して振られた後、俺がそう言ってこの重い空間から立ち去ろうとした時、その告白した相手は声を大にして俺に向かってこう吐き捨てた。


『帰るならとっとと帰ってくれない?こちとら、これから打ち上げあるし。てか、オタクに告られて“はい”って二つ返事する奴なんかいるの?キモいし、あんたのことなんか好きじゃないから』


彼女は痺れを切らしたのか、颯爽と立ち去った。

かという俺は開いた口が塞がらず、しばらくその場で立ち尽くしていた。

【失恋】という傷とともに。


***

「クッソーーーー!オタクの何が悪いんだよ!」


深夜。地方への出張により両親がいない我が家で、俺は嘆いていた。今言った通り、俺は【オタク】というカテゴリーに含まれる。だが、それは世間一般の目からだと嫌な目を向けられる物である。だが、俺はそんなものと知らず堂々とクラスでラノベを読んでいた。

そしたら、いつのまにか男子からはいじられ、女子からは引かれていた。俺の他にもバリバリ読んでたやついるけどな!


『まぁまぁ。元気だしなよ、ミヤギ!これからいい出会いがあるかもしれないしさ』

「イケメン様に言われたところでやる気なんかでやしないんだよ、詩音」


なんで家にいるのに、会話してるかだって?電話だよ電話!某無料チャットアプリのビデオ通話だよ!で、俺が今、通話している相手は神楽 詩音。さっきイケメンと言ったが、あれは嘘だ。詩音は中性的な顔つきで、どちらというと女の子みたいに可愛いの方が合っている気がする。いわゆる【男の娘】。下手したら、その辺の女子より可愛いぞコイツ。

そして、知っている人は少ないがコイツも【オタク】の分類である。クラスでラノベを堂々と読んでいたヤツの一人だ。俺とは小学校からの付き合いで、殆どの学年でクラスが同じだった。高校は俺が行くところの近くにあるところに行くらしい。あと、コイツは俺のことをミヤギと呼ぶが、俺の名字と名前をちょって入れ替えると“宮城”になるからだと言う。


『そうだよ、斎宮。詩音の言う通り、これからステキな出会いがあるかもしれないじゃん』

「けどなぁ〜皐月。俺にそんな出会いあると思うか?」

『ないね』

「おい!お前から言っておいて即否定は酷くない?泣くよ?」

『もうさっき充分泣いてたじゃん』

「そうだけどさ!!」

『始まっちゃったか〜、いつもの』

「『いつもなんかしてない!!』」

『おー、息ぴったり』


対して俺と口喧嘩していたヤツは、国立 皐月。詩音と同じく小学校からの付き合いで【オタク】仲間。彼女は主にBL方面だがな。

皐月は黙っていればショートカットの超可愛い美少女なのだが、喋ってしまうとあら不思議!可愛げの無い毒舌女に大変身!詩音と喋っている時は普通なのだが、俺と話す時は言葉が鋭くなってくる。今日はましだが、ひどい時は本当にひどい。そんな彼女だが、こう見えて詩音と付き合っているとかいないとか。(自称)親友の俺でさえ知らないのだが、詩音のスマホから話しかけてくるのだから一緒にいるのだろう。べ、別に詩音が羨ましいとか、そんなじゃ無いんだからね!


『斎宮。貴方がツンデレヒロインの真似とかすると吐き気がするから今後しないで』

「お前は、エスパーか何かか!?」

『本当に不快だけれど、斎宮の思考だけわかってしまうの。いい病院知らない?詩音』

『うーん、あまり思いつかないけど。僕としては羨ましいけどなぁ』

『じゃあ、1日だけ入れ替わってみようよ。そしたらこの不快さが充分にわかるから』

『……やっぱり良いや!』

「お前ら、俺の気持ち考えろや!こちとら失恋して凹んでんじゃい!」

『ざまあ』

「皐月、お前ホントにブレないな!?」

『他人の不幸は蜜の味……と言いたいけど、その人貴方だけじゃ無くて私のことも否定してるわね。よし、殺るか!』

『皐月、やめときな。一応数十分前までは!ミヤギの好きだった人なんだからさ』


本当にこいつら、俺を馬鹿にするのを楽しんでいやがる。まあ、でもこいつらのおかげで元気が出たのは確かだ。今もこうやって馬鹿みたいに喧嘩したりして、今期のアニメについて語りあって、そんな日常が一番なのかもしれない。だったら……


「恋愛なんかしないほうが良いな…」

『『はあー!?』』


ただの独り言だったのに、2人は過剰に反応してきた。びっくりしてのけぞってしまい頭を打ってしまう。しばらく悶絶していたが、デスクに手をかけよじ登ると、ビデオ通話が終わっていてチャット画面になっていた。おそらく、彼方から切ったのだろう。俺は手を離し、また床に倒れ込む。そして一人考え込む。これで、俺のラブコメは終わったんだ。これからの高校生活では彼女はできないだろう。まあ、別にいい。あいつらがいるなら。

なんだろう、この話を小説にしたら面白そうだな。タイトルは……

【失恋】デバフを持ったオタクな俺の青春ラブコメは始まらない】かな。


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