第1話 唐突
何もない日常。
些細な変化すらない平凡な日常がここにはあった。
他愛のない話やいつも通りの習慣。
学生の本分である勉学。
そんな物とは程遠いお話が世界の裏側では起こっている。
そんな非日常に日常に住む人が稀に巻き込まれるのだ。
夕暮れ時。
夕飯の支度をする為に急いで家に帰っていた時だった。
いつもの裏路地を通り近道をしていた時だ。
三つの音が聞こえる。
一つはダダダダダダッと一般的には聞かない音。
だが、ゲームやアニメでは良く聞く音。
もう一つはヒュッと風を切る様な音。
こちらは余り聞かない音だった。
最後の一つはカンッと甲高い音。
全てを同時に聞く事で刀で銃弾を切り落としている様な音。
そう誰かと誰かが戦っている音がそこにはあった。
「ふひゃははひゃはひゃはははははあああああ!!!
なってねぇなってねぇ。おっせーんだよ、てめぇはよぉ!」
ガラの悪い男が刀を振り回しながらそう叫ぶ。
一方は可愛らしい制服を着た女性で二丁拳銃で連射をしていた。
いわゆるフルオートってやつなのだろう。
だが、音を聞いて可笑しい事に気がついた。
余りにもその銃口から吐き出される銃弾が多すぎるのだ。
既に数十発と言う弾丸がリロードも無しに吐き出されていた。
お互いが一息つく為か離れた事で女の子が話す。
「その遅い相手に一撃も与えれてない様だけど?」
余裕。
その言葉しか思いつかない程に。
そして、綺麗だと見惚れてしまった。
「チッ。しめえだ」
そう言って刀を下ろし、こちらに話しかけてくる。
「そこのガキ。てめぇのせいで興が削がれた。
せっかくいい気で殺り合ってたってぇのによぉ」
後ろに居たはずの自分に向けての言葉。
まばたき一つした瞬間だった。
首筋に刀が当てられていた。
「チッ。こいつこっち側のやつじゃねぇな。
俺ぁ、日常側のやつを巻き込む趣味はねぇんだ。
悪りぃな嬢ちゃん、また今度殺り合おうぜ!」
そう言って男は壁と壁を交互に蹴りマンションの屋上まで一気に登っていく。
少女が逃げられた!と言った顔をする。
だが直ぐに諦めてため息混じりにこちらへと向き直る。
「で、貴方はなに?」
唐突に言われて反応に困る。
貴方はなに。
名前を言おうとしたが
「即答できないなら良い。
そのまま帰りなさい。今見た事は言いふらさず、そして忘れなさい。」
と遮られてしまった。
少女も男と同じ様に壁と壁を蹴り屋上へと昇る。
そして、姿を消したのだった。
このくらいは書いておこうかなと思って書きました。
次回
未定
全然決めてません