表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
時間操作魔法の変わった使い方  作者: オリオン
姫の部隊、第1章、護衛
55/429

1日目のキャンプ

あの鳥の魔物の襲撃を撃退して、俺達はしばらくの間歩き続けた。

その間に他の魔物の襲撃などはなかった。


「うむ、かなり進んだの、しかし、魔物というのはあまりおらんのじゃな」

「いや、それはミナのお陰だ、ミナが魔物がいない道を指示してくれてたからな」

「む? そうなのか? なにやら、遠回りになる道ばかりを言っておったが、それか?」

「あ、はい、その、魔物が近くにいて、このままだと接触しそうだから、道を変えていました」


ミナはかなり離れている場合を除けば、魔物の位置を簡単に確認することが出来る。

だから、隠れている魔物を回避したり、こちらに気が付いていない魔物を回避したり出来る。

こう言う長旅ではかなり便利な魔法だよな、魔物と戦わないで済むし。


「おぉ! じゃから魔物があまり出なかったのか!」

「流石はミナちゃんだよね」

「私はこれ位しか出来ないから」


ミナは少しだけテレながら、そう恥ずかしそうに言った。

もう少し自信を持って言えば良いのに、でも、恥ずかしがるのはミナらしいな。

その後もしばらくの間俺達は少し遠回りをしながらも、魔物と接触せずに進んでいった。

しかし、やっぱり1日で隣国なんかにたどり着けるわけもなく、周囲は暗くなり始めてきた。


「暗くなって来たのぅ」

「あぁ、結構長い間歩き回ってたし、暗くなるのは仕方ないだろう」

「そうじゃな、では、ここで今日は休むとするか」

「おぉ! じゃあ、休もう!」


俺達は近くに大きな岩があり、少し離れた場所に森がある平原で今日は休む事になった。

見張りはあの岩の上でやれば、全方向を見ることが出来そうだな。

ミナ以外が見張りをするときは、あそこでするようにした方が良いかな。

そうしないと、馬車と岩に阻まれて、全方向を見張るのは大変そうだし。


「おし、テント張るぞ!」

「妾はテントなど持ってきておらぬぞ? 馬車で休む予定じゃったし」

「大丈夫だ、テントは俺達が持ってきてる」

「しかし、お主らはそんなテントを持てるような状態ではないはずじゃろ?

 ミナは警戒しておったし、ミーチェは大きな剣をずっと持っておったし

 ソールとルーリアもそんな大きそうな物を持っておった様には・・・」


そうか、そう言えば、リーシャは俺の四次元弁当箱の事を知らなかったな。


「まぁ、そうだな、大きな物は持ってなかったな」


俺はそんな事を言いながら、自分のポケット付近を探したが、無い・・・あ、そうだ、馬車の中だ!

普段は紐で括って、ズボンのポケット辺りに付けているから忘れてたが、今は馬車の中だっけ。


「よしよし、あったあった、これだこれ」

「む? 弁当箱じゃな、そう言えば、初めてお主に会ったときも、そんな物を腰に付けておったな」

「あぁ、結構前からずっと携帯してるんだ」

「そんなに思い入れがあるのか、じゃが、何故、今その弁当箱を出したのじゃ?

 今は弁当箱など必要ないじゃろ?」


リーシャが不思議そうな表情で俺の方を見ている。

まぁ、事情を知らなければそんな表情をするだろうな、なんせ、外側はただの弁当箱だし。


「まぁ、見てろ、凄いことが起こるから」


俺は箱を空けた弁当箱の中に手を突っ込んだ。


「べ、弁当箱の中に手を入れたじゃと!? ど、どうなっておる!?

 その弁当箱の何処を見てもお主の手がそこまで入る程深くは無さそうじゃぞ!?」


驚愕しているリーシャの質問に答えずに、俺は弁当箱の中に入っているテントを出した。


「っと」

「ぬぉぉぉ!! お、お弁当箱の中から・・・お、大きなテントが、テントが出てきおったぁ!!??」

「え? そんなに驚くところかな?」

「驚くわぁ! な、何じゃ!? 何でお主らはそんな平然としておるのじゃぁ!?

 お、お弁当箱の中から、て、てて、テントじゃぞ!? 絶対に入らぬわぁ!」

「入るよ、あ、そろそろ戻すよ」


驚愕しているリーシャをよそに、ミーチェは自分の武器を四次元弁当箱の中に入れた。


「あ、あの大剣が入った!? 当たり前の様に入っていったぞぉ!?」

「驚きすぎだって」

「じゃから! 何でお主らは全くおどろかぬのじゃぁ!!」


俺達はかなり動揺しているリーシャを落ち着かせて、この四次元弁当箱の事を説明した。


「む、むぅ・・・何じゃ、ソールが作った道具か、ならしょうが無いのぅ」

「なんで俺が作った道具だと分かったら、受け入れるんだよ」

「じゃって、ソールじゃろ? もう、何でも出来そうじゃないか」

「リーシャもそう思う? 私もだよ!」


何で俺が何でも出来そうなんだよ、俺が操れるのは時間だけだっての。


「いや、なんで俺が何でも出来そうなんだよ」

「じゃって、ソールじゃし?」

「うんうん、ソール君だし」


2人のその言葉を聞き、ミーチェとミナも何故か頷いた。


「俺はお前らが思ってるほど万能じゃない、俺は仲間がいないとさほど強くないからな」


時間操作魔法は攻撃にも使えるが、主な利用方法はサポートだ。

仲間の攻撃能力や戦闘力を補助し、更に凄い物にするのが俺の能力だしな。


「よく言うよ、自分の時間を加速させて、何とでも出来ちゃうくせに」


げ! ルーリアの奴! リーシャが近くに居るのに! 何でしれっと時間を加速とか言ってるんだよ!


「む? 時間を加速じゃと?」

「あ!」

「ルーリア・・・」

「そう言えば! あの鳥の魔物と戦っておるときの言葉の意味も聞きそびれておった!

 今一度聞くぞ! 何倍とか時間加速って、どういう意味じゃ!?」


・・・ヤバい、これは、もう避けれそうにない・・・もう、言うしか無さそうだな・・・


「・・・えっと、分かった、話そう・・・でも、あまり人には知られたくないんだが」

「随分と話辛そうじゃな、じゃが、出来れば妾に隠し事はして欲しくないのじゃ」

「じゃあ、約束してくれ、この事を周りに言いふらさないと」

「うむ、約束しよう、誰かの秘密を言いふらすなど妾はせんぞ」


俺はリーシャに自分の魔法のことを話す事にした。

今までずっと俺の魔法を身体強化魔法だと思っていたリーシャは俺の魔法が時間操作だと知り

かなり驚愕した表情を見せた。


「そうか、じゃが、何故その事を妾に教えてくれなかったのじゃ?」

「リーシャだけに言ってない訳じゃないんだよ?」

「それは分かっておる、周りに言いふらすなと言っておったからの」

「単純にこの魔法が知れ渡って、有名になるのを避けたかったんだ

 変な研究とかにもしも巻込まれたりしたら大変だからって言う母さん達の配慮でな」

「バージン国は決してその様な事はせんのだが、他国に広まる可能性はあるな」


時間操作の魔法なんて言う便利すぎるがかなり危険な魔法。

そんなのが周りに広がったら、命を狙われる可能性もあるし

家族が迫害される危険性だってある、その上、研究しようなんてなったらな。


「何か、今まで黙ってて悪かったな・・・」

「気にする事は無いぞ、最悪の事態を想定して動くのは正しい事じゃ

 じゃから、妾も最悪の事態を想定して動くことにする、それに、約束もあるからな

 妾はお主の魔法のことは決して誰にも言わぬ、お父様にもお母様にもじゃ」

「・・・ありがとうな」

「約束を破ることなどせんわ」


リーシャは俺達の方を向き、にっこりと笑いながらそう言ってくれた。


「随分嬉しそうだな」

「そ、そうかの?」

「うん! もの凄く嬉しそうにしてたよ!」

「なんで? 秘密を明かされたのに」

「・・・そ、それはじゃな・・・う、嬉しかったんじゃ、お主達が抱えておる物を一緒に抱えれて・・・

 成り行きとは言え、妾に秘密を話してくれて・・・う、嬉しくての」


リーシャが顔を真っ赤にしながら、下を向いてそう小さく呟いた。


「そうか、ま、俺も嬉しいかな、お前に秘密を明かすことが出来て」

「う、うむ、これで、妾はお主らに少し近付けた気がするのじゃ!

 まだまだ距離はあるようじゃが、ゆっくりと距離を近付けて見せよう!」

「リーシャ、あはは! 照れちゃって!」

「う、うるさいわい! ほれ! 早う準備をするぞ!」

「「「「おー!」」」」


俺達はキャンプの準備を始める事にした。

と言ってもだ、殆どの物は俺の四次元弁当箱の中に入っているけどな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ