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時間操作魔法の変わった使い方  作者: オリオン
少年期、第1章、人生の再スタート
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最初の魔法

今回から本編に入ります。

異世界に転生して、俺は小学生になっていた。

基本的に小学生の勉強なんて言うのは本当に楽だ。

仮にも大人だった時の意思があるんだ、小学生の問題なんて楽なもんだ。

それにしても、この世界の小学校は戦闘まで教えているんだな。


「さぁ! 今日から魔法の練習をしますよ! 皆さん! ちゃんと付いてきてくださいね!」

「はい!」


この世界には魔法なんて言う便利な物があるのか、あれだな、テレポートとかだな

俺が死ぬ前にずっと欲しかった能力だ、あれがあれば会社まで一瞬だしな。


「先生! 魔法ってどうやるんですか!?」

「魔法はね、強くイメージすることで出るのよ」

「そうなんですか!」

「うん、それと、皆が使える魔法はバラバラだから、誰かが出来てるのに自分は出来ない!

 みたいな感じに悩む必要は無いからね?」

「そうなんだ! 面白そう!」


じゃあ、俺にテレポートの魔法の才能が無い可能性もあるのか・・・

ふーん、この世界も結構不平等なんだな。


「それじゃあ、やってみよう!」

「はーい!」

「まずは、皆の目の前に石を置くから、それに向けて魔法をやってみて?

 いい? 強くイメージするんだよ、自分の手元から魔法が出てくるって」

「うん!」


イメージか・・・イメージ、イメージ・・・


「炎が出たよ!」

「おめでとう!」

「あぁ! 私は雷だ!」

「すごいわね!」


周りはドンドン出来ているって言うのに、俺は出来ないな・・・

おかしいな、強くイメージしている筈なんだがな・・・

結局その時間は俺以外の生徒は皆魔法が出たが、俺は出なかった。


「ソール君、魔法、出なかったの?」


こう、先生とかに話しかけられたら困るよな、大人口調で返すと面倒だし。

わざと子どもの様な口調で話すって言うのは難しい。


「う、うん、ま、魔法出なかったよ」

「そう、でも大丈夫よ、ソール君も絶対に魔法を使えるからね」

「う、うん」


そして先生は後ろの方に下がっていった、うーん、やっぱり子どもの様に振る舞うのはしんどい。

それから、3ヶ月ほど経ったが、結局魔法は使えなかった。


(使えない・・・やっぱり魔法は無理なのか?)


俺がそんな事を思いながら頭をかいていると、隣の女の子が話しかけてきた。


「ソール君、魔法が出ないの?」

「え、あ、うん、出ないんだ」

「じゃあ、私と一緒に頑張ろう! 私も小さい石が出てくるだけなんだぁ」

「そうなんだ、じゃあ、一緒に頑張ろうか」

「うん!」


この子の名前はなんて言ったか、ずっと隣にいるのに覚えていない。

俺はその子の机の名前を見てみた、ルーリア・アルか。

確か周りの女子はこの子をルーちゃんなどと言ってたな。

ルーリアだからルーちゃんか、なるほど、納得した。

しかし、茶髪か、この教室はカラフルな髪の毛の色が多いのに、随分と目立たない色だな、この子は。

いや、まぁ、俺もそんなに目立たない色なんだけどな、黒髪だし。


「ようし、ん、んん・・・えい!」


ルーリアは集中したあと叫んだが、結局小さい石が出てきただけだった。

魔法のような物を出すことは出来るが、他の子の様に攻撃力がある物は出せないと言うことか。

まぁ、何かが出るだけ俺よりはマシだ、俺なんて何も起らないからな。


「うぅん、駄目やっぱり駄目だぁ! 小さい石しか出て来ないよ」

「やっぱり魔法は難しいんだね」

「そうだね、あ、ソール君もやってみてよ」

「何も出ないと思うよ?」

「良いから、やってみて」

「じゃあ」


俺はルーリアの言うとおりに集中してみた、しかし、やはり何も起きない。

やっぱり俺は魔法を撃てないのか? もしかして、昔の意識があるからか?

昔の意識があるせいで魔法を撃てると思えないから使えないのかも知れない。


「うーん、やっぱり駄目だよ・・・」

「難しいんだね、うん、やっぱり一緒に頑張ろう!」

「そうだね」


俺が小学生になり、1年が過ぎた、俺のテストの点は当然だが満点だ。

だが、未だに魔法が撃てない、ルーリアの魔法は少しだけ石が大きくなった程度の成長だ。

でも、成長しているだけ良い方だろう、俺なんて相変わらず何も起らないからな。


「魔法が出ない、かなり悔しいかも」


周りの魔法はドンドン強くなっているのに、俺は変わらずこのザマだ。

そんな時だ、大きな音が聞え、ガラスがガタガタと震え始めた。


「な、何!?」


俺達が外を見てみると、そこにはもの凄く大きな羽の生えたトカゲが飛んでいた。

あれは俗に言うドラゴンという奴だろう、いやぁ、実際見ると結構間抜けだな。


「ど、ドラゴン!? 何でここに!?」

「あんなトカゲ、僕が倒してやる!」

「止めなさい! み、皆さんは先生の指示に従って行動してください!」


先生の慌てようは尋常じゃ無かった、あのトカゲはそんなにやばいのか?

まぁ、ドラゴンだしな、間抜けずらだろうと結構有名な生き物だろうし。

やっぱり火の玉とか飛ばしてくるのか? だとすると、どうやって出来てるんだろうか。


「あなた達! 何をしているの!」

「え?」


あぁ、俺とルーリアの事か、ちょっとあのドラゴンを見つめすぎた。

摩訶不思議な生き物に出会うと、どうしても興味を抑えられない。


「火の玉が! 急いで! 急ぎなさい!」


火の玉という単語を聞き、俺は後ろを振り向いてみた。

すると、ドラゴンが火の玉をこちらに吐き出していた。

やっぱり火球が出るのか! てか、そんな事を考えてる場合じゃ無い!

逃げないと・・・・いや駄目だ! このまま逃げても間に合わない!

俺は一か八かだ! 俺がどんな魔法を使えるか分からないが! とにかく強くイメージしろ!


「2人とも!」


魔法が出るか? いや、出ないと死ぬ! こんな所でくたばってたまるかよ!

折角新しい人生を作るチャンスを得たって言うのに、死ぬわけにはいかない!

やるしかない! やらないと死ぬなら! やれると信じてやるまでだ!

俺はそう自分に言い聞かせ、強く、強く魔法が出るように念じた

目を瞑り、そうひたすらに念じ続けていると、至近距離で爆音が響いた。

あの火球が当たって爆発したんだ、普通なら死んでいる筈…だが何処も痛くない。

俺は恐る恐る目を開けてみると、そこに火の玉は無く、無傷のままのガラスが張ってあった。


「ど、どういうこと!? ガラスが割れていない・・・理由は分かりませんけど急いで逃げますよ!」

「へ? わぁ!」


先生は俺とルーリアを抱えて素早く教室から逃げていった。

その後ドラゴンは兵士達の攻撃を受けて撤退した

それにしても、なんであのガラスは火の玉を弾いたんだ?

理由がさっぱり分からないが、とにかく助かって良かった。

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