表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

0,プロローグ

頭の中身が騒ぐのを僕は感じた。

沸騰石を入れない水みたいに、いつ暴発してもおかしくないくらいだ。

「かかって来いよ、ヤク中共。」

挑発気味に呟いた。

眼前には最早、人が人である為のなにかを棄てた獣が蔓延っている。

『ウヒはハハは!!!」

狂った獣が鳴いた。

嫌に耳障りで、僕は唾を吐いてパイプでそいつを殴り飛ばした。

コンクリの壁にぶつかって、動かなくなった。

「酷いことするねぇ。ニンゲンだぜ?」

軽い口調で、彼が言った。

「治療と言えアホ。やらなきゃヤラレんのはこの世の理だ。」

まぁな、と彼は苦笑して死体をつつく。


『そちらの状況は?オーバー。』

無線から彼女の明るい声が聞こえた。

『相変わらず汚染者スランバーしかいねえ。オーバー。』

『こっちは一人生存者を見つけたわ。オーバー。』

『了解。直ちに帰投する。オーバー。』

『了解。待ってる。』

「あ゛ー!疲れた。帰ろうぜ?」

「おっけー、了解。」


肩を並べて歩く彼等を、漏れた薬品のガスで緑色に染まった太陽が照らしていた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ