表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

帰り道1

少しだけ心地よい風が吹いて、焚火の炎を揺らしていく。

体育座りでそれをじっと見つめる。あたりは闇に包まれている。

ああ、炎って暖かいものだったんだなあ、なんて改めて思う。

たぶんずっと知らないままだったのかもしれない、自然の偉大さとか…


「考え事ですか?」

とりとめもない考えは、柔らかな女性の声で遮られた。

「勇者様は考え事が多いんですね」

私の隣に同じようにして座る女性…シェルリーナは笑いながら微笑んだ。

「んー、よくまあ頑張ってこれたなあ、なんて思って」

「それは勇者様のお力です、努力のたまものです」

「…べた褒めしないで、恥ずかしいから」

シェルリーナの言葉に思わずうつむくと

「そんな控え目なところも素晴らしいんです!」と

横からぎゅっと抱きしめられた。

「恥ずかしいです」

「女の子同士なんですから」

「私、女の子って歳…」

「女の子なんですから間違ってません!」

思わす笑いだす。…こういうのガールズトークっぽいなあ、私の年齢等々はおいとくとして。


抱きしめた姿勢のままシェルリーナが話し始めた。

「やっぱり、還ってしまうのですか?」

「うん、そのつもり」

それは決めていた事、王様の前でお願いした事。

「……寂しくなります」

シェルリーナの声のトーンが落ちたことに気がつかないふりをして

私は話を続ける。

「私は弟と元の世界に還るよ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ