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数億年後の君へ  作者: 櫛名
第二章
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いつもより遅い到着の様です


「さて今日は何を作ろうか......」


今日はセリフィア訪問の日だ。目を見開かせるような夕飯を作る必要がある。しかし律は前日の少将への叙勲式と晩餐会で非常に胃と精神が疲れている。つまるところ今の律はフレンチよりも落ち着いたものが食べたいのだ。


「落ち着いた物で、かつ美味しいもの......。鶏肉を使った炊き合わせでいいだろう」


シンプルでかつ、胃にも優しい先日の疲れも癒してくれるだろう。それにセリフィアは口には出してないがおそらく煮物系がお気に入り、肉じゃががそれを証明している。要件のすべてを網羅しており、かつ保存もある程度効く、なんと素晴らしいことだろうか。


律は鍋を取り出し、颯爽と準備を始める。


「流石に今回ばかりはパンでは変だな.......。少し手間だが白米を炊くか」


もう一つ鍋を用意し、備蓄しておいた白米を倉庫からだし2.5合軽量する。米を研いで鍋に水と一緒に入れ火にかける。


「これでいいだろう。さて炊き合わせを作っていくか」


台所から外の夕焼けを見つつ、料理を進める。調理は順調に進んでいき、日が落ちるころにはすでに、夕食をよそうだけになっていた。


「今日は少し遅いのかな?」


いまだに来ないセリフィアを不思議に思いつつ、火を止めて暖炉前に移動し、椅子に腰かける。


(いつもはすでに来ている時間なのになぜ来ないのだろうか......)


もしや一日勘違いしていたのか?


暖炉の火を見つめつつ、己にそう問いかけたが日にちを間違えたことは今までない。そのため今日であることは確実だ。


「まぁ、そういう時もあるか。ゆっくり待っていればいい」


時間はまだある。少し遅れたくらいでそわそわしていたようでは全てにおいて集中も出来ないだろう。


律は目を閉じる。暖炉の気持ちの良い暖かさに全身を預けながら......ゆっくりと。



「......おや、寝ているのですか。困りましたね」


律はその声を聴き目をゆっくりと開ける。


「ん?あぁ、起きたのですね。おはようございます」


白髪の髪をたなびかせ空中に浮きながら、顎に手を当てている少女が視界に映る。


どうやら寝ていたらしい。昨日の疲れがいまだに残っているのだろうか......。


「......悪い、待っている予定が待たせてしまったかな」

「いいえ。私も今日は来るのが少し遅かったので、お互い様です」


「大丈夫ですよ」というような優しい眼差しで見つめられる。


「今、温めなおして準備するから待っててくれ」

「分かりました。ではそこをどいてください」

「え?あ?」


セリフィアは律を魔法で持ち上げ台所まで運ぶ、何も抵抗ができず、ただされるがままの律なのだが。移動する手間を考えればさほど悪くはない。唯一、懸念点を上げるとすると恐怖心より無力感が勝るということくらいだろうか。


台所まで浮遊で運ばれ、鍋の前につくと浮遊が急に解除される。


「あぶなっ」


とっさに足を地面につけ難を逃れたが、はっきり言って最後は雑と言わざるを得ない。何かしら文句の一つも言ってやろうかと思ったのだが。セリフィアの方に目を向けるとすでに椅子に座り、本に目を落としていた。


あの様子では、もう夕飯ができた頃でなければ反応すらしないだろう。


(まったく、皇帝に引けを取らず。こいつも気分屋のところ多いよな)


雪空の下でお茶会に連れていかれた時もそうだ。あの時も拒否権など律にはなかったのだから。


「まぁいいか」




律は鍋のふたを開け中身を見る。しかし時間がかなり過ぎていたのか、すっかり冷たくなっていた。


(思ったよりも寝てたらしいな)


明日の朝が心配だが、大丈夫だろう。そう信じて鍋に火をかけた。


しばらくお休みをいただきます。

過去の話を修正はしていますので、どうぞお待ちください。

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