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ホラー系乙女ゲームの悪役令嬢はVtuberになって破滅エンドを回避したい  作者: 古森きり@書き下ろし『もふもふ第五王子』


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真智の家に避難(3)


「私もラテン語を学ぶことができますか?」

「興味があるのですか?」

「はい。覚えられる技術は覚えたいと思います」

「素晴らしいね。では、今度真智がラテン語を教わりに行く時、お誘いしますか」

「はい、よろしくお願いします」

 

 やったー!

 正直ラテン語がどういうものかわからないけれど、武器は一つでも多い方がいい。

 

「ごちそうさまー」

「ごちそうさま。真宵さん、(りん)さんに美味しかったですとお伝えいただけますか?」

「はい、もちろん!」

 

 ちなみに私はまだまだ食べ続けられる。

 霊力が切れているので物理的に胃に収まる量を無限に食べ続けられるのだ。

 なので、真智には先に宿題に手をつけてもらう。

 リビングに宿題ドリルを持ってきてもらい、私は食べながら真智の宿題の進捗を見守る。

 ……つもりだったのだが……。

 

「嘘でしょ? 夏休みに入って十日は経っているのにまだ一ページも進んでいなかったの!? よくそれで旅行に行こうなんて思っていたわね!?」

「う……だ、だってー……」

「だってじゃないわよ。旅行に行くのならせめて半分は終わらせないと、全然楽しくないわよ? もー、仕方ないわねー。真智は一番苦手な教科はなに?」

「さんすう……」

「じゃあ嫌いな算数から終わらせましょう。大丈夫、簡単だから」

 

 そう言ってページを開かせる。

 小学一年生の算数なんて足し算と引き算ぐらい。

 なので、私にしてみたら楽勝。

 でも、あくまでも真智自身に考えさせるように指導しながら算数の宿題を進めていく。

 

「あ、わかった。足すって増えるんだ。引くって減るんだ」

「そうだよ」

「なんだ! それならなんかわかる!」

 

 どうやらなにかコツを掴んだらしくて、私が教えた計算式を使いながらサクサクと終わらせていく。

 なんという速度。

 今までの苦労はなんだったんだという勢い。

 勉強は勉強方法を学ぶものだと聞いたことがあるけれど、真智は地頭が悪くないから一度解き方を覚えたらスラスラ解いていく。

 え? すごい。

 私が食べ終わるよりも先に真智の算数の宿題が終わってしまうんじゃない?

 

「ふう……食べ終わったー」

「お前めちゃくちゃ食べたな」

「霊力を一番簡単に回復できる方法は栄養を取ることだから」

 

 目を閉じて、ケージを確認してみる。

 おお……!

 霊力ケージがゼロに戻っている!

 マイナスからようやくゼロに……!

 ここからはプラスに戻るだけよ!

 

「でもさすがに胃の容量がぱんぱん。っていうわけで、しばらくは真智の宿題につきあってあげる。算数はどこまで終わったの?」

「あと一ページ!」

「早くない?」

 

 真智、頭の方の成長も早い。

 あっという間に算数が終わった。

 それじゃあ次は国語。

 ひらがなと、簡単な漢字の書き順と書き取りと読み仮名。

 

「おんよみとくんよみってなんだよぉー!」

「漢字はあとでいいから、まずはひらがなを書く練習をしましょうね」

「うー!」

 

 真智が書き取りを始めたので、私は真智叔父妻、三重子(みえこ)さんに許可を得て縁側に移動した。

 陽の気を浴びて、体内の栄養をどんどん霊力に変換していく。

 わかる。

 染み渡る感じがする。

 霊力が、どんどん自分の中に満ちていく感覚。

 

「………………ちょっとおトイレお借りします」

「どうぞ」

 

 栄養が行き渡り霊力となると、そりゃあもう胃に入れたものの残り滓が出る。

 要するに、排便。

 かなりの量が出るのが恥ずかしいが、まあ、所詮は小学一年生が出す量なのでちゃんと流れることでしょう。

 ……多分……。

 

「はあ……」

 

 トイレってなんでこんなに安心できるのだろう。

 水場だし穢れも溜まりやすいはずなのだけれど、きっと三重子(みえこ)さんが綺麗に掃除しているんだろうな。

 それにすごくいい香り。

 いや、今は私のせいで臭いけれど。

 消臭剤のおかげできっとすぐに匂いは消えるだろう。

 まあまあ。

 さっさと真智のところに戻って宿題を進めよう。

 

「ただいま~」

「おかえり! 見ろ! 真宵! すげーぞ! 国語終わった!」

「えええええ!? も、もう国語も終わったの!? すごくない!?」

「へっへーん。だろーう?」

 

 宿題ドリルは国数社と仏神の歴史。

 ここからはちょっと難しいが、授業を聞いていたら難しくはないだろう。

 

「ここからは自分一人でできそう?」

「え? もうこんだけやったんだから今日は宿題終わりでいいだろー。もうすぐ昼飯の時間だし」

「え? もうそんな時間……!?」

「お前ずっと朝飯食ってたから気づいてなかったんじゃないか?」

「ぐ、う」

 

 それはそう。

 まあでもマイナスからゼロに戻ったから、あとは回復するのみ!

 昼ご飯は普通で大丈夫よ。

 ……多分。

 

「真智くん、真宵さん、お昼ご飯の準備ができましたよ」

「はーい! なあなあ、見て見て三重子(みえこ)さん! 俺、国語と算数の宿題終わったんだぜ!」

「ええ!? もうですか!? ほ、本当にすごいですよ、それは! あんなに宿題を始めるのを嫌がっていたのに……始めたらあっという間じゃないですか!」

「だろー」

 

 三重子(みえこ)さんも驚く。

 だよね、やる気が起きるまでが時間のかかるやればできる男。

 なんにしても、お昼ご飯のあとは残りのドリルページをやらせて、心置きなく旅行に行けるといいな~!

 その前に、三重子(みえこ)さんのお昼ご飯をいただこう~!



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