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ホラー系乙女ゲームの悪役令嬢はVtuberになって破滅エンドを回避したい  作者: 古森きり@書き下ろし『もふもふ第五王子』


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真智に正論を言われるとは


 最初から二人も合流予定だったから、まあ、それはいいのだけれど。

 放送のあった指定場所に行くと、(りん)が半泣きで待っていた。

 私の姿を見ると、ビャッとさらに顔を涙でびしゃびしゃにして駆け寄ってくる。

 

「お嬢さまぁああ! よ、よかったああああ!」

「マヨイちゃん! 大丈夫だったの!?」

「真宵! お前大丈夫だったのかよ!?」

「真宵ちゃん、大丈夫!? おかしな男に連れていかれたって、十夜に聞いたのだけれど!? 今警察に行こうと思っていたのよ!?」

 

 案の定大事。

 いや、子どもが誘拐されかけるって普通に大事か。

 そりゃそうだ。

 我がことながらちょっと他人事すぎた。

 怖い思いも十分したというのに。

 股間を殴ったあとの相手の苦悶の表情を思い出すとちょっとやりすぎてしまったかな、って……。

 いや、怖かったけれど。

 ……本当に怖かった。

 だからちょっとザマァって思ったり。

 錫杖が手放せない。

 まあ、その、囲まれて――主に善岩寺(ぜんがんじ)家母と一夜さん、(りん)に。

 

「無事でよかった~~~! お嬢様ぁぁぁ!」

「犯人は!? 殺すわ!」

「大丈夫です、大丈夫です。無事です。犯人も日和(ひより)さんのボディーガードの方が追ってくださったので……」

「捕まえることはできませんでしたが、捕まえることはできますのでご安心ください」

 

 んん? どういうこと?

 日和(ひより)はにこにこしながらそんなことを十夜母に言う。

 なに? 捕まえられなかったけれど捕まえることはできるって。

 私にはちょっと意味がわからなかったけれど、十夜母は「まあ、さすがは陰陽師のご家系」と手を叩く。

 聞けば、日和(ひより)のボディーガードたちは犯人を逃したが、その場にいた悪意に対して追尾の式神を放ったという。

 式神~~~!

 そういえばゲームの中の日和(ひより)も使っていた!

 

「それで追尾しているので居場所はもわかっています。もう少し泳がせて、一気にひっ捕らえる予定です。なのでご安心を」

「あ、ありがとうございます」

「絶対に俺が守るから大丈夫だよ」

 

 日和(ひより)に優しい眼差しで言われて、複雑な気持ちになる。

 そういうのは、将来ヒロインに言うセリフだろうに。

 私に言ってどうするんだよ。

 変に照れちゃった。

 まあ、結婚はするつもりないけれども。

 

「それならもう大丈夫でしょうけれど、十夜も変な男に声をかけられたといっていたのよね」

「いましたね。十夜は大丈夫だった?」

「だいじょうぶ! マヨイちゃんはだいじょうぶだったの?」

「大丈夫だってば」

 

 すごい心配されるけれど、十夜も結構危なかったよ?

 いやあ、世界が変わろうとも美少年は危険に晒されるし、変態は健在なんだなぁ。

 世界の事情的に変態ってもっとひっそりと生きているものだと思っていたわ。

 結構ポジティブに自己肯定していてびっくりした。

 自分の変態性をあんなに肯定的に考えていると思うと、他人にどう思われるのかは考えていないんだろうな。

 他人に恨まれるような犯罪を犯すと妖怪になるのにね。

 自分が妖怪になるようなことをする、またはしている自覚がない。

 呪い屋と一緒の思考。

 怖いね、あそこまで極まっている変態って。

 

「一度全員で集まった方がいいのだけれど、うちの娘息子はほとんど友達と遊びに行っちゃっているし、九夜(くや)は十夜よりもチョロスケで今どこにいるのやら」

「お前らさあ、学校でもこういう人がいっぱいいる時におとなから離れて遊んじゃダメって言われているだろー」

「ごめん……」

「おっしゃる通りで……」

 

 なんか真智に正論でお説教されると腹立つな。

 ド正論で言い返せないんだけれども。

 

「まあ、せっかくの夏祭りではしゃいでしまうのは仕方がない。楽しい気持ちを奉納する場だ。怖い気持ちも楽しい気持ちになるよう、今から真宵さんの行きたい場所や食べたいものの希望を聞いてあげた方がいいでしょう」

「それもそうですね」

「どうかしら? 真宵ちゃん。なにか食べたい物や行きたい場所はある? もう少し向こうに行くと催し物をやっているステージもあるけれど」

「お腹はいっぱいなので……」

 

 (すぐる)にフランクフルトを買ってもらったので、お腹はいっぱいなんだよね。

 ステージの方も気にはなるのだが、知っている出演者や団体は一つもない。

 夏休み明けのことを考えて観に行くのは吝かではないのだけれど、実はもう一つ気になるというか……。

 

「一夜さん、あのー……」

「ん? なんだい?」

「ライブ2Dを見たいんですが」

「おお! 見るか!?」

 

 それもあるのだが、この夏まつりの風景を録画できないものだろうか?

 Vtuberデビューしたら夏祭りの解説動画とかを作りたい。

 っていう話をしたら、一夜には絶賛され、日和(ひより)には『Vtuberってなに?』と覗き込まれた。

 人がたくさんいる場所で話したくないなぁ、デビュー前から身バレに繋がるような話をしたくない。

 なので『今度教えますね』と濁す。

 あれ? Vtuberのこと前に説明しなかった?

 橋の浄化の時の撮影の際に。


「なんかこう、動画にまとめるのなら手伝います」

「カメラ持ってきている?」

「はい、一応。お嬢様になにか撮影できるものがあったら撮影してと言われているので」


 デビュー後の動画の撮り溜めはしておきたいもの。

 今回は夏祭りの様子を撮影して……もちろんお客さんの顔が映らないようにモザイク処理はしなきゃだけれど。

 こういうあまり一般人には伝わってなさそうな事情とか配信してもいいと思うんだよね。

 え? いいよね?



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