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ホラー系乙女ゲームの悪役令嬢はVtuberになって破滅エンドを回避したい  作者: 古森きり@書き下ろし『もふもふ第五王子』


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ネットの世界に触れる


 パソコン。

 パソコンだ。

 インターネットに繋がっているパソコン……!


「お借りします」


 思わず手を合わせたくなるくらい嬉しい。

 検索ページを開くと、和調(ワチョウ)という検索ページが出てきた。

 そうか……グッグルは海外企業だからないのか。

 あれ? それじゃあワイチューブもないんじゃ……!?


「あれ? ワイチューブ……は、ある?」


 ワイチューブも海外企業だったはずだけれど、『ニコたまワイチューブ』という名前で日本企業が立ち上げたモノのようだ。

 世界が遮断されたのが百年前だから、ニコたまワイチューブは日本が独自で開発したのだろうか。

 へー、すごい。

 でも、そうだよね。

 百年前ってことは文明開花して、第三次世界大戦があった頃。

 この世界でそれがあったのかどうかはわからないけれど。

 というか……思わずカレンダーを確認すると、2023年6月25日。

 2023年……!? この文明レベルで!?

 前世の方が文明進んでない?

 っていうか、それだとゲームが始まるのって2035年だったってこと!? 前世よりも未来じゃん!?

 ヤバい、どうしよう。

 ちょっと、思っていたよりもこの世界……私が思っていたのと違う。

 Vtuberについて調べてみると、『Vtuber事務所 異世界文化交流校 ライバー募集』という文字が出てきた。

 なに? 異世界文化交流校?

 他の……私がよく見ている有名な箱のことを調べるがそれは出てこない。

 私の推し、織星(おりほし)ハルトくんの所属していた『りゅうせいぐん☆』もない。

 なに? Vtuberの事務所は、この聞いたことのないVtuber事務所しかないの?

 とりあえずこのVtuber事務所『異世界文化交流校』のことをワイチューブの方から探してみようか。

 一期生がデビュー済み。

 配信も一年くらいしている。

 異世界文化交流校のホームページを見て見るとライバーを募集していた。

 とりあえずこの人たちしかライバーが……この世にいない?

 ライバー募集要項には『こことは別の異世界に住んでいる人』『Vtuberに興味がある人』とある。

 な、なに? 異世界に住んでいる人って。


「真宵さん、漢字がいっぱいあるけれど、読める?」

「はっ! はい!」

「え? 読めるの? すごいね」

「じ、自主勉強、してました!」

「え、偉いねー」

「すごい〜。負けてられないね、真智くん」

「お、おお! ま、負けない!」

「は、はは、ははは……」


 募集要項を注意して読んでいると、突然真智叔父さんから話しかけられてハッとする。

 そ、そうだよね、小学校一年生はこんな難しい漢字がふんだんに使われた説明文、読めないよね……!

 でも、前世の知識があるおかげで割とスムーズに読めるのだ。

 どうしよう、コレ……今更読めないふりもできないし……うーん……でも……。


「あ、あの、この文章、いっぱいあって、読むの大変なので……ぷ、プリンターとか……あ、ありますかね?」

「プリンター? あるよ。このページをプリントすればいい?」

「あ、ありがとうございます!」


 プリンター、あったぁー!

 真智の叔父さんがプリンターの準備をしている間に、三重子さんがホームページを覗き込む。

 しかし、やはり意味がわからなかったらしくて「ブイチューバーって、これ? どういうものなの?」と説明文を一生懸命読んている。

 赤の他人の子どものことなのに、二人ともこんなに真摯に手伝おうとしてくれるのがすごい。

 こんな人たちなら、真智も真っ当に育つだろうな。


「なんだ? この絵が動くのか?」

「そうだよ。絵が動いて喋って、ゲームの実況とかして、人を楽しませるエンターテイナーがVtuber」

「こんなのどうやってなるんだ?」

「えっと、それを今調べてるの」

「こんなのになって、どうするんだ?」


 今までは受け取るだけの側だった。

 これからは自分が発信する側。

 でも、簡単なことじゃないのはわかっている。

 だからこの世界の人間として、この世界の人間らしいVtuberになろうと思う。


「祈祷師系Vtuberになるの! 私、子どもだから……正体がバレたら、お仕事任せてもらえないと思うの。だから、大人の姿になって、祈祷師のお仕事をさせてもらうの。そんで、私自身の修行にする! お仕事をこなせば自分の力になるでしょう? 今はたくさん経験を積んで、強くならなきゃ……」


 Vtuberには各々“プロフィール”がある。

 いわゆる設定。

 私の場合は“祈祷師”ってことで、SNSなどで仕事を募る。

 Vtuberという“ガワ”があれば子どもでも仕事を依頼されるかもしれない。

 もし依頼されなくても、まずは動画で祈祷師の仕事をするところを撮影、編集して投稿する。

 その動画を見てくれた人がいたら、きっと困っていることを相談してもらえると思う。

 だってこの世界の事情を聞く限り、仏神学校で子どものうちから霊能力者を育てているのだ。

 きっと霊力のない人は困っている人が相当多いはずだ。

 Vtuberになれれば色々なことが一気に解決する。

 でも特に……私自身が祟り神になる『宵闇の光はラピスラズリの導きで』の破滅エンドを回避するには強くなる。

 これは絶対。

 自分を鍛えるのを、忘れてはいけない。

 私自身が強くなるために、誰かに見守っていてくれた方が自己肯定感も上がって成長に繋がると思うし!

 いいこと尽くめでしょ!



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