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ホラー系乙女ゲームの悪役令嬢はVtuberになって破滅エンドを回避したい  作者: 古森きり@書き下ろし『もふもふ第五王子』


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旅行二日目の朝


 呪い屋は、いいことをしていると思っている。

 だから妖怪にはならない。

 実際呪い屋に依頼する人間は、呪い屋に感謝しているから。

 呪いをかけられた側も、心当たりがあるのは依頼した人間の方だから呪い屋よりも依頼者の方に対して贖罪を求める。

 こうして、金を受け取り人に感謝される呪い屋は自分たちのことを“いいことをして金を得ている”と思い、誰かに裁かれることもなく呪いを広げていくのだ。

 これは予想に過ぎないが、結界の中でも祟り神や悪魔が生まれるのはそういった呪い屋が呪いを振り撒くためであり、今回依頼のあったという悪魔の住む屋敷は呪い屋が関わっているのではなかろうか。

 マジで最悪である。

 真智叔父と十夜母はなにやら話し合ってから、私の頭を撫でて、なぜか「ありがとう」とお礼まで言って出かけて行った。

 依頼先に行くのではなく、連絡をとりに行くそうだ。

 ひとまず、最悪の事態は避けられたと見て間違いないだろう。

 

「おはようございます。真宵お嬢様、もう起きておられたんですか?」

「あ――ええと、み、禊の時間に、いつも通り起きてしまったの。習慣だから」

「ああ、なるほど。でも、今日は無理なんじゃないですか?」

「お風呂場でやるわ」


 なにもしないよりはマシ、と思って部屋に備えつけのお風呂で禊を行う。

 やっぱり習慣を一日でもやらないとなんかこう、変な感じがする。

 っていうわけで禊は完了。

 私が禊を終えて着替えて戻ると、中居さんがテーブルに朝食を並べていた。

 真智叔父と十夜母の分は最初から朝食の予約人数に入っておらず、三重子(みえこ)さんがまだ寝ている真智と十夜を起こしに向かう。

 今日は付近の神社――羅州(らす)神社とやらに行くことになっている。

 まあ、真智叔父たちが今日、依頼先に行かないことになったから、なにも不安もなくなった。

 というわけで、心置きなく豪華な朝食に舌鼓を打てることになったわ。

 朝から新鮮な魚料理を味わえるなんて最高!

 

「真宵さんと(りん)さんは先に食事を始めていてください。まだ時間がかかると思うから」


 と、苦笑している。

 男子ども、夏休みだからって完全に寝坊がデフォになっているんだな。

 (りん)と顔を見合わせて、三重子(みえこ)さんに向き直る。

 

「「手伝います」」

「いいの? ありがとう」


 というわけで男子たちを叩き起こし、顔を洗わせ、身支度をさせる。

 小学生なのだから、もう一人で起きてお着替えもできるでしょう。

 と、思っていたら十夜がごねるごねる。

 

「やだあ、お着替えしてぇ」

「甘えないの。もう小学校一年生でしょ! 一人でお着替えもできないなんて、赤ちゃんじゃない!」

「ふええ……!?」

「あ、赤ちゃんじゃねーもん! 着替えくらい一人でできる!」

 

 母がいなくて甘えん坊モードになっている十夜の布団を剥ぎ取り、叱りつける。

 こうしてる厳しく接することで、十夜には私をお嫁さんにするのは無理! って思ってもらわなきゃ。

 あと普通に十夜の“ママ”をやるつもりはないわ!

 ちゃんと一人の立派な男性になってもらわなきゃ。

 真智は元々の性格的に甘えるのがド下手。

 自主性は育っているから、煽ればなんとかなる。

 十夜はしょぼしょぼしながら目を擦りつつ顔を洗いに行き、真智はさっさと自分で顔を洗いに行って、さっさと着替えて食事の並ぶテーブルの前に座った。

 うーん、しっかりしている。

 

「ふええ……ママは?」

善岩寺(ぜんがんじ)さんはお仕事よ。ふふふ、十夜くんは寝起き、甘えん坊さんになるのね」

「ママ……」

「おい、ぐずぐずするなよ、十夜。仕事ならしょーがねーだろ」

「そうよ。早くご飯を食べて神社巡りに行きましょう。神社のパワーに触れると、すごくパワーアップするの! いい修行になるわ!」


 大栄神社で増えた分の霊力は昨日今日のしっかりとした食事と睡眠で、完全回復!

 今日の神社巡りでさらに能力が強化できたら、ますます配信の幅が広がるはず!

 あと、予知夢ってやつをもっとちゃんと使いこなせるようになりたい。

 多分今回うまく夢が見られたのは、昨日大栄神社で力を得たばかりで“お試し”みたいな意味だったように思う。

 多分家に帰る頃には一夜さんから背景や専用BGMも届いていると思うし、そうなったら、いよいよ……!


「美味しい……」

「本当! やっぱり旅館の朝食は美味しいわね。お昼ご飯も旅館の食堂で食べようかしら? それともどこか外で食べる? なにか食べたいものはある?」

「お肉! ハンバーグ食べたい!」

「ぼくもー!」

「お魚も美味しいですけれど、そろそろ洋食が食べたい気分かしら? いいわね。それじゃあお昼はどこかのレストランで食べましょうか。旅館の人に聞いてみて、予約しておきましょう」


 三重子(みえこ)さん、一人で未成年を全員面倒みるの大変よね。

 私と(りん)もキッズたちの面倒を見るの手伝おう。

 食事を終えると中居さんが「食後のお茶とお菓子です」とデザートを置いて行ってくれた。

 薄い饅頭のようなものと、玉露茶。

 すぐにでも出かけるつもりだったが、これはいただかねば失礼というもの。

 みんなでまったりとお茶とお菓子を堪能。

 こんな美味しそうなお菓子を前に、無視して出かけるなんてそんな失礼なことできない。

 美味しくいただくことこそ、礼儀というものよ。



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