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ホラー系乙女ゲームの悪役令嬢はVtuberになって破滅エンドを回避したい  作者: 古森きり@書き下ろし『もふもふ第五王子』


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六芒星結界の結界核


『六芒星』の結界は六つの家が『核』を担当して超強力なものを形成している。

 それのおかげで、日本は安全地帯が確保されており、『六芒星結界』を基盤にアジア圏全体を薄い『六芒星結界』が覆って反転巫女の祟りが薄まるまで人の力で穢れを地道に癒していくことができているという。

 要するに、まあ……完全に祟に覆われることを阻み、時間の余裕ができた、ということ。

 反転巫女を神として崇め、奉ることで祟りを“反転”させ、世界を救うことこそが『六芒星』の悲願。

 今のところ、反転巫女は祀られてから新たなに祟りを増やすことはなくなっている。

 祟りこそ増えないが、人間は生きているだけで穢れを増やす生き物。

 政府が思っていた以上に、世界浄化は進んでいない。

 だがそれでも、『六芒星結界』が世界を延命させているのは間違いないのだ。

 そしてその“核”がこの辺りに、ある?

 

「ここが大栄(おおさかえ)神社だよ。見てごらん、あの立派な御神木! すごいだろう? 樹齢五百年なんだそうだよ」

「「「へーーー」」」

 

 真智叔父が指差す方向には五メートルはありそうな幹を持つ、二十メートルはありそうな高さの大木が鎮座していた。

 しめ縄が幹に巻かれ、実に神々しい。

 なんだろう?

 この木、見上げていると不思議な感覚がしてくる。

 

「この御神木が核ですか?」

「――っ」

 

 なんとなく、そんなことを口走ると、真智叔父と十夜母の表情が凍りつく。

 あ、言ったらいけないことだったっぽい……?

 

『――――』

「……そうなんだ……」

 

 木が教えてくれている。

 言葉はなく、なんというか……感覚のようなもの。

 

「ありがとうございます」

「なんだ?」

「どうしたのー? マヨイちゃん」

「ううん。人前で話すようなことではないみたいだから」

 

 私がそう言うと、おとなたちが顔を見合わせている。

 形容し難いのだが、木が“伝えてきた”のだ。

 なんだろう? 情報として?

 頭と心に入ってきたというか――。

 

「本殿の方に行きましょう」

「そ、そうだね。じゃあ手を洗って。鳥居を潜ったら道の端の方を歩きなさい。道の真ん中は神様の通り道だから、人間は歩くと不敬にあたる」

「そうなんだー」

「わかった!」

 

 水場で手と口を洗い、身を清める。

 鳥居の前でお辞儀をして、鳥居を潜ったら道の端を歩く。

 本殿の前まで来たら深く二回、礼。

 一度右手を少しだけ下げてずらし、手を合わせる。

 パン! パン! と拍手を打ち、ずらした手のひらを元に戻ししっかりと合わせて最後に一礼。

 

「……!」

 

 まただ。

 また、不思議な感覚がする。

 情報が入ってくるというか……“声”ではなくて“言葉”が入ってくるというか……。

 

「そうなんだ」

「「なにが?」」

「あ、う、ううん。なんでもない。二人にはまだ聞こえないんだね」

「「?」」

 

 隣で手を合わせていた真智と十夜は、なにも感じなかったのか。

 二人がまだ幼いためだろうか。

 だとしたら、真宵の霊力の高さ、おそらく“中身”が私だからこそ……祈ることで情報というか、色々流れ込んでくるのだろう。

 この二人だって霊力はある。

 いつかお祈りすればわかるようになるんじゃないだろうか。

 というか、もしかしてパワースポットがパワースポットと呼ばれる所以なのかな、これが?

 結構すごいことを教えてくれたから、旅行や修行や取材と称してあと五ヵ所(・・・・・)、行ってみようかな。

 今すぐでなくてもいいみたいだけれど、今ご神木から教えてもらったところによると『六ヵ所ある六芒星結界核を巡ることで、霊能力を持っている者は六芒星結界の構造を理解できるようになる』のと、『元来の能力が開花する』らしい。

 おそらく元来の『宵闇の光はラピスラズリの導きで』の悪役令嬢、千頭山(せんずやま)真宵(まよい)はここに来てはいないだろう。

 だから今、神社に参拝したことで私の中にあった占術の力が開花したのもわかる。

 どうやら私、夢で“未来が視える”タイプらしい。

 好きな未来を選別して視られるのかどうかは、まだわからない。

 おそらく他の結界核になっている神社に行けば、わかるかも。

 

「どう? 参拝してみてなにか感じられた?」

「はい! とてもすごい場所ですね、ここ!」

「なにが?」

「なんかポカポカする、って感じだったー」

「あらあら。やっぱり女の子の方が精神的にも霊能力者的にも成長が早いのかしらね?

 

 十夜はかろうじて神社の力は感じ取っていそうだが、真智はいまいち。

 しかし、ここは本当に素晴らしい力がある。

 帰ったら(すぐる)に六芒星の結界核に行ってみるよう、教えてあげよう。

 でも、真智叔父と十夜母の反応を見るに数多ある神社の中で『六芒星結界の結界核』である神社というのは外で言ってはいけないようだ。

 おそらく結界核を守るためのものだろう。

 結界核の神社だとは言わず、パワースポットとして勧めるのはいいかな?

 

「お腹空いたー。ねー、おやつない?」

「ぼくもお腹空いたー」

「あ、あれ? そういえば私も……」

 

 二人がそれぞれの保護者の腕にしがみついておねだりを始めたのをみて、いつもの男児らしいわがまま化と思ったら、私も自分のお腹がめちゃくちゃ減っているのに気がついた。

 なんなら心なしか霊力量も減っている時の空腹感のような気がして目を閉じる。

 ゲージが……減っている!?

 な、なんで!? 霊力を使うようなことしてないのに!?

 い、いや、よく見ると――霊力量ゲージが伸びている?

 つまり霊力量が増えたってこと?

 それにしたって増えすぎじゃない!?

 ただ参拝しただけで霊力量が増えるなんてそんなことあるの!?



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