占いの勉強を開始!?
「占いは古今東西、様々な種類がある。自分に合った占い方法を知ることから始めよう」
「自分に合った占い方法?」
「そう。だから世の中には様々な占い方法があるともいえるけれど」
そうか、人によって得意な占いが違うのか。
占いは自分の霊力が発揮しやすいものがいいのだそうだ。
「じゃあ、とりあえず一通り試してみるのがいいのかな」
「そうだね。あとは自分が勉強してみたい、興味があるものは相性がいい確率が高い。やはり本能的にこういうモノが好き、と相性が現れているんじゃないかな」
「へええ」
「へええ、じゃなくて。真宵は興味のある占い方法はないの?」
「興味のある占い方法……って言われてもなぁ。タロット占いくらいしか知らない」
「じゃあ、タロット占いから始めてみようか」
とはいえ、タロットカードが手元にあるわけではない。
それならば、とチラシを切って、裏の白位部分に絵柄と役割を描いていく。
とりあえずやり方を覚えるためにも、カードが必要だと思ったからね。
「これでどう?」
「ええ……? これ、全部なの?」
「わからない。覚えている分だけ」
私が覚えていたのは『逆さの男』『星』『月』『太陽』『戦車』『塔』。
……うん、絶対カード数が足りない。
「本家には占術書が山盛りあるんだけれど……僕も読んだことはないからなー」
「ないんだ」
「そもそも人間のよう肉体があるわけではないからね」
「そういえばそうだった」
はっきり姿が見えるから忘れていたけれど、霊力がない人には秋月の姿って見えないんだった。
秋月が見えないのは英くらいで、英がいる時だけ『あ、秋月って見えないんだった』って思い出すくらい。
「じゃあ、自分で本屋さんに行って参考になりそうな本を買うしかないのか」
「お嬢様、荷物の整理が終わりました。秋月様とのお話は終わりましたか?」
気を利かせて離席してくれた粦が戻ってきた。
そうだ、占いといえば女子中学生や女子高生の大好き分野!
粦ならいい占いの本とかしらないだろうか?
「今、秋月に新しく占いについて教わろうと話をしていたのだけれど、なにから始めればいいのかわからないなーって。参考になる本とか、粦はなにか心当たりない?」
「占いですか!?」
あ、ものすごいテンション上がった。
これは、大好きだな?
「ありますあります! 参考になる本でしたら、公立図書館にたくさん! 最近宿題をしに稲穂さんと行ったのですが、占い本のコーナーですっかり話し込んでしまいまして」
「公立図書館!」
そうか、図書館という手があった!
図書館なら無料! 涼しい! 公共の場だから安全性も高い!
「いいね、図書館! 図書館ならタロット以外の占いについても調べられそう!」
「はい! 古今東西の様々な占い方法が書かれた本がたくさんありましたよ! わたしは星占いや夢占いの本が面白かったです!」
「星占いや、夢占い? それも面白そう!」
夢占いなんてあるんだ?
どういうものなんだろう?
占いって本当にいろいろな種類のものがあるんだなぁ。
「星占いは昔からあるものだね。星の動きを見て未来を占う。夢占いは夢の内容から深層心理を読み解き、夢を見た者の望みや不安を当て、よりよい道筋を示すもの。粦は夢占いが得意かもしれないね」
「わたしですか……?」
「一緒に学んでみたらいいんじゃないか? 占いはどの国でも時代でも需要が高い。いつか身を助けるものになるだろう」
「それだ!」
「「それだ?」」
秋月の言葉にピンときた。
占い! 当たればリスナーに需要が生まれる!
粦には料理動画を出してもらおうと思っていたけれど、占いもできたらさらに登録者数が増えるだろう!
もちろん私も。
メン限とかで占いコーナーとか作ればウハウハな予感――!
「よし、すぐに図書館に行こう!」
「今からですか!? 真宵お嬢様の荷物はお片づけ終わったんですか?」
「……まだです」
「先に荷物を片づければいいんじゃない?」
「では洗濯物を出してくださいませ。先に洗濯機を回してきますので」
「はぁい」
三日泊ってきたんだもん。
洗濯物はたまっているので鞄から取り出す。
真智の家で三重子さんが『洗濯しますよ』と言ってくれたのだが、粦が丁重にお断りした。
家に戻ってからわたしがやります、わたしのお仕事で、わたしはそれでお給料をもらっているので、と言い張って。
「そうだ、秋月様に旅行のことはお話なさったのですよね?」
「うん」
「では旅行の準備も同時に進めてまいりますね。……少し遠出になりますから、予備の下着やお洋服を買った方がいいかもしれません。着回しがバレてしまうと善岩寺の奥様にまた気を遣わせてしまいそうですから」
「あ、あああ……そ、そうね」
まずい、また十夜母に『あれ買ってあげる! これも似合いそう! これも買おう!』ってことになりかねない。
そんなことになったらせっかくの旅行なのに、パワースポット巡りとかできなくなる!
「ゆっくり買い物をして、図書館で占いについて調べましょう。今日はゆっくりなさって、明日早起きして行くのはいかがですか?」
「そう、だね。帰ってきたばかりだものね」
「ええ、そういたしましょう。お昼ご飯の準備をしてまいりますね」
「う、うん」
なんか、最近粦にだいぶ手綱を握られるようになってきた気がするな。




