よくある物語の始まり
「いけませんお坊ちゃま!」
「屋敷内は走らないで下さいとあれほど…」
「僕に命令する気か?」
「メイドの分際で生意気だぞ!」
「坊ちゃま、そこには階段が!!」
「え、?」
「坊ちゃまぁぁあ!」
「きゃぁあ!?」
「上から坊ちゃまが?!!」
まるでお手本の様な異世界転生系小説あるあるなシーン。
メイドの言うことを聞かず屋敷内を走り、見事に階段から転がり落ちたのは、わがままで意地悪な悪役令嬢…ではないのだが違うのは性別だけなのでまあ一緒だろう。
いわゆる悪役令息、名前はアンサス・アイオーン。
アンサスは公爵家の中でも最大の権利や財力を持ち、信頼度も高い由緒あるアイオーン家の一人息子で跡継ぎ候補である、年齢は九歳。
両親はどちらも優しく、顔もいい。
アンサス自身も顔がよく、それだけではなく知力や運動力にも長けている。
そんなアンサスには問題があった。
そう、性格だ。
アンサスはとにかく性格が悪かったのだ、これには両親もメイドも困り果てていた。
当の本人はそんなことは知らず、やりたい放題暴れまくっていたのだが、
まあ天罰だろう、階段から転げ落ち、頭を打って丸一日寝込むことになった。
ここで、大抵の異世界転生系小説であれば、前世の記憶が戻って今までのことを反省して、バッドエンド回避を目指すのだろう、前世で読んだ小説の悪役令嬢に自分が転生していることに気づいて。
この「悪役令息と護衛騎士~未来のことは気にせずしたいことしよう~」もよくある異世界転生系小説と同じく、前世の記憶が戻るのだが、アンサスは普通の転生者とは違った。
それはまあ、物語を読み進めれば分かるだろう。
あ、お前は一体何者だって?
申し遅れました、この小説の案内人、まあ天の声的な感じだと思ってください。
名前はそうですね、ピースとでも呼んでください。
この小説はちょっと頭のネジが外れたご令息と、その護衛騎士のお話です。
それでは本編をお楽しみください。
行ってらっしゃいませ~
初投稿なのでお見苦し点があると思いますが、ここまで読んでいただきありがとうございます!
間違えている点ありましたら教えていただけると幸いです。