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魔法世界の幼女に転生した僕は拗らせ百合少女達に溺愛されています!?  作者: 十一屋 翠


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第14話 別離と決意

前回のあらすじ「良い感じに拗らせが熟成されてきました」

今回のあらすじ「ちょっと長くなったけど、身体強化魔法編完結です」

 ◆魅環◆


「今日もお疲れさまー」


「お疲れ様です柚木さん」


 ここ最近、私は放課後になると柚木さんと一緒に魔法の訓練をしていました。

 そのおかげか、自分でも驚くくらいに身体強化魔法が上達しているのが分かります。

 正直、今まで何故これが出来なかったんだろうと不思議になるくらいです。


 一人家に帰っている間も、私は柚木さんとの訓練を思い出します。

 不思議です。家族と一緒にいるのも苦手なのに、何故かあの人と一緒にいる事は嫌じゃありません。

 それどころか……


「はぁ、もっと柚木さんと一緒に居たかったな……」


 ……って、私は何を言っているのでしょう!? あの人は私が監視しないといけない相手なのに。

 で、でもお父さんも柚木さんとは仲良くなれって言ってましたし。


「そういえば、お父さんの言っていた柚木さんの血を取り入れるってどういう意味なんでしょうか?」


 ふと私はお父さんの言っていた言葉の意味を疑問に思います。

 血? 血を取って飲む? いえいえ、まさかそんな吸血鬼みたいな事は……

 そんなとりとめのない事を考えていたら、もう家についてしまいました。


「はぁ……」


 我が家を見ているだけでため息がこぼれます。

 家に帰って来たくなかったです。


「やっと帰って来たか」


 その声を聞いた瞬間、私の体が無意識にこわばるのを感じました。


「お、お兄ちゃん……」


 今日もまたお兄ちゃんが私を待ち構えていました。


「俺を待たせるとは良い度胸だな!」


 待たせるも何も、お兄ちゃんが勝手に待っていたのですが、それを言ったらまたひどい目に遭わされるので黙っています。

 そうです。黙って大人しくしていれば、それ以上酷い目には遭わないのですから。


「おい! なんとか言えよ!」


 私が黙っていた事で、自分が無視されていると思ったのか、お兄ちゃんが怒鳴り始めました。


「ご、ごめんなさい」


「ふんっ、全くトロくさい奴だ! 分家の連中ももっとましな教育をすればよかったものを」


 そうはいっても私が分家の家で暮らしていたのはほんの数か月で、すぐにこの家に連れ戻されたんですが。


「もう一ヶ月だ。そろそろ全属性のガキの情報も集まっただろ。教えろ!」


「え? な、何でですか?」


「俺に口答えするな!!」


「ひっ!? ごめんなさい!」


 ついうっかり質問してしまった所為で、お兄ちゃんを怒らせてしまいました。

 でもお兄ちゃんは今まで柚木さんの事なんて気にもしていなかったのに。

 お兄ちゃんが柚木さんの話題を出す時は、私に酷い事をする為の理由探しだった筈ですし。


「まぁ良い。お前にも分かる様に教えてやろう。全属性の女は俺のものになるからだ」


「え?」


 それが何を意味しているのか私には分かりませんでした。ただ、とても嫌な言葉に感じたんです。


「そ、それってどういう……」


「ふん、お前は本当にグズだな。そいつを俺の嫁にするからに決まっているだろう」


「……へ?」


 なにをいっているのか、わかりませんでした。


「全属性の女を俺の嫁にして、蓮羅燕家で全属性の子供を作るんだよ。それが父さんの狙いさ」


 ゆずきさんをおよめさんにする?


「他の家や組織も全属性の女を狙っているらしいからな。他の家が動く前に俺達が先んじて動く。だがブスに興味はない。出来損ない、お前はすぐ傍で見ているから全属性の女が可愛いかどうか知ってるだろ? 教えろよ」


 は? ゆずきさんがぶすだったらきょうみはない? じゃあ……


「柚木さんがブスだったらどうするんですか?」


「決まってるだろ。そんな女全属性の才能意外に価値はない。子供を産ませたら用無しだ。処分させるさ」


 は? 死ねクズ。


「は? 死ねクズ」


 その瞬間、私の心と意思が一つになるのを感じました。


「な、何だと!?」


「柚木さんがブスだったら用無し? 全属性の才能以外に価値はない? 子供を産ませたら始末する? ふざけないでください。あの人の価値はそんなどうでもいい事じゃありません」


 本当に分かっていない。柚木咲良と言う人の価値を、この男は何も理解していません。


「で、出来損ないのくせに俺に逆らうのか!」


「逆らうのではなく、事実を言っているだけです」


「き、貴様ぁーっ!!」


 前々から思っていたのですが、この男は自分をカッコよく見せようとして逆に見ている方が恥ずかしい言葉遣いをしているんですよね。

 ええと……そう、滑稽というヤツです。


「良いだろう! そろそろ本気で躾けをしてやるぜ! 腕力強化!!」


 魔法で強化された腕が、私のお腹めがけて殴りかかってきました。

 こんなのが当たったら、私の体はただでは済まないでしょう。

 だから私は身を守る事にしました。


「肉体硬化」


「ばぁーか! まともに魔法を使えないお前が、俺に魔法に勝てるかよ!!」


 その言葉と共に、ベキッという派手な音が私のお腹のあたりで鳴り響きました。


「はっ! 思い知っ……あ、あれ?」


 そして私を見下していたお兄ちゃんの顔が歪みます。

 それもその筈、私のお腹を殴ったお兄ちゃんの手が変な方向に曲がっていたからです。

 更に折れた骨が肉を貫いて外に飛び出していました。 


「い、痛ぇ! な、何でだ!? 何で俺の手が滅茶苦茶になってるんだ!?」


「簡単な事です。私の肉体硬化の方が貴方の魔法より優れていたからです」


 それだけではありません。

 そもそもこの人が使ったのは腕力強化の魔法だけ。

 腕力が強くなっても腕の硬さは強化されないのですから、肉体硬化を使って硬くなった私に攻撃をするのなら、自分の腕を守る為に肉体硬化か強靭化の魔法を同時に使わないといけないのです。

 これ、一緒にお父さんから習ったんですけどね。


 そんな訳で、この人は鉄の壁に豆腐を叩きつけたみたいに、自分だけがダメージを受けてしまったのです。

 まぁ、私の方も攻撃が当たる瞬間に体を前に沈み込ませて、カウンター気味に当たっていったんですが。


「い、痛ぇ! 痛ぇよ! 医者! 医者を呼んでくれ!」


 怪我をした腕がよほど痛いらしく、地面に転がって泣き出し始めました。

 これが身体強化魔法の最高峰である蓮羅燕家の本家の人間の姿ですか。


「本当にダメダメですね」


 ええ、柚木さんと一緒に魔法の訓練を始めてから気づきました。

 この人は自分の才能に胡坐を掻いてたんです。

 柚木さんの様に真剣に練習をするわけでもなく、魔法のセンスがある訳でもない。

 だから魔法の質も今の私と比べればずっと下手くそだと分かりました。


「私よりも年上なのに」


「おい! 早く医者を呼べよ! 俺の命令が聞けないのか出来損ない!!」


 この状況で私に命令をするあたり、まだ状況が分かっていないようですね。

 私は肉体硬化に加え、脚力強化の魔法を自分にかけます。


 そして以前やられたのと同じように、この人の顔の傍に思いっきり足を踏み下ろしました。

 衝撃で踏み潰した小石が砕け、道路のアスファルトが砕けながら大きくへこみます。


「ひっ!?」


 飛び散った破片がこの人の頬をかすめて血が滲んでいますが、まぁどうでもいいことです。


「お兄ちゃん、私は、今までずっと魔法を使う理由がなかったんです」


 私は自分の心を吐きだすようにこの人に話しかけます。


「私は人を傷つける事が嫌でした。だから人を傷つけるくらいしか使い道の無い身体強化魔法を覚えるのが嫌だったんです」


 そう、私は身体強化魔法が嫌いでした。

 だって他の魔法と比べて、誰の役にもたたないんですから。

 せめて回復魔法だったらと、何度も思ったほどです。

 そんな風に思う私だから、どれだけ練習をしても上手く魔法が発動するわけがなかったんです。


「でも……彼女が、柚木さんが私を変えてくれたんです。ただ魔法が好きだからというそれだけの理由で柚木さんは魔法を頑張っていた。でもそれなのに魔法が上手に使えなくても別にかまわないとも言い切ったんです。彼女は魔法なんて無くても自分の、そして私の価値は変わらないと、魔法が使えるからって特別な存在なんかじゃないと教えてくれたんですよ」


 あの言葉は本当に嬉しかった。心に沁みた。衝撃を受けた。

 ええ、今なら分かります。あの時、私は柚木さんの事が大好きになったんです。


蓮羅燕(はすらえん)家に生まれたからってそれが偉いわけじゃない。身体強化魔法が上手く使えないからって出来損ないじゃないと教えてくれたんです」


 そう考えると人の価値を魔法が、それも身体強化魔法が上手く使えるかどうかだけに拘っているこの人が、どれだけくだらない人間だったのか良く分かります。


 ああ、私は何でこんな人を怖がっていたんだろう。

 そして何で、人を傷つける事なんかを怖がっていたんだろう。


「お兄ちゃん、私は目的を見つけたんです。そしたらね、私、人を傷つける事が全然嫌じゃなくなったんですよ。おかげで魔法もメキメキ上達したんです。だからね……」


 私はお兄ちゃんの上に跨って、はっきりと宣言してあげました。


「今なら躊躇うことなく、本気で貴方を壊す事が出来ますよ」


「ひっ」


 お兄ちゃんがひきつった声で悲鳴を上げます。


「だからもう二度と私に関わらないでくださいね。うっかり潰しちゃいますから」


 それだけ言い切ると、私は地面に転がったお兄ちゃんを放って立ち上がります。

 ああ、すっきりした。

 こんなに気分が良いのは生まれて初めてです。


「……っ」


 後ろでゆっくりと立ち上がる気配がします。

 そして気配は音をたてないように私に近づいて来ます。


「で、出来損ないが俺に命令するなぁーっ!!」


 叫び声と共に、魔法で強化された拳が私の後頭部目掛けて襲い掛かってきました。


「あっ、そうだ」


 私は予想通り放たれた攻撃を紙一重で回避します。


「柚木さんに手を出したら許さないですから。そんなことしたら……」


 そして、相手の横を通り抜けざま、腕力強化と肉体硬化、そして脚力強化の三つの魔法をかけた拳で、お兄ちゃんにカウンターを叩き込みました。


「ぐぼっ!?」


 鈍い音と汚い鳴き声が聞こえます。


「兄妹でも殺しちゃいますよ、お兄ちゃん」


 ええ、勿論殺したりはしません。そんな事をしたら事件になってしまいますからね。

 あっさり壊してはもったいないです。何しろ蓮羅燕家の跡継ぎなんですから。


「うまく利用させてもらわないと」


 ああ、柚木さん、私に世界の広さを教えてくれた人。

 私に本当に価値のあるものを教えてくれた人。


「私は貴方のお陰で目的を見つけました。魔法を学ぶ目的を」


 貴方を守る為に、この暴力くらいにしか使えない力を躊躇いなく力を振るいます。


「私は、貴女を守る為に、貴方の傍に居る為に魔法を頑張ります」


 ◆


「おはよう柚木さん」


 学校に登校していると、珍しく魅環ちゃんから話しかけてきた。

 でもそれ以上に驚いたのは、彼女が笑顔を浮かべていた事だ。


「お、おはよう魅環ちゃん。何か良い事があったの?」


「はい。今までずっと悩んでいた問題が解決したんです」


 それってもしかして服の下の青痣の事かな?


「おかげで今日は朝から気分が凄く良いんです」


「それは良かったね」


「はい!」


 魅環ちゃんは本当に嬉しそうに笑う。

 理由は分からないけど、魅環ちゃんが幸せそうだから良いかな。


「それでですね柚木さん……」


「何?」


「わ、私と友達になって頂けませんか?」


「良いよ」


「ほ、本当ですか!?」


 僕がうんと言うと、魅環ちゃんがさっき以上に嬉しそうな笑顔になる。


「うん、僕も魅環ちゃんとは仲良くなりたいと思っていたし、大歓迎だよ」


「よ、よかったぁ……そ、それじゃあ咲良ちゃんって呼んでいいですか?」


「もちろんだよ!」


「あ、ありがとうございます柚……咲良ちゃん」


「こちらこそよろしくね魅環ちゃん」


「はい! そ、それでですね! もうひとつお願いがあるんです」


「お願い? 何?」


 すると魅環ちゃんは何やら恥ずかしそうにモジモジとしながらお願いを口にする。


「ええと、私を咲良ちゃんの護衛にしてほしいんです」


「え? 護衛!?」


 何それどういう意味!?


「な、何で!?」


「はい。咲良ちゃんは世界で唯一の全属性魔法使いですから、きっとこれから凄く有名になると思うんです」


「そ、そうかな?」


 さすがにそれは言い過ぎなんじゃないかな?


「でもそうなるときっと悪い人もいっぱい咲良ちゃんを狙ってくると思うんです。だから私は友達の咲良ちゃんを守る護衛になりたいんです」


「な、何で僕なの?」


「それは、咲良ちゃんが世界一の魔法使いになると思っているからです」


「僕が!?」


 世界一とはまた凄い評価をされちゃったよ!?


「だから私は、世界一の魔法使いに成った咲良ちゃんを守る、世界一の身体強化魔法を使う護衛になりたいんです!」


「世界一の身体強化魔法を使う護衛!?」


「はい。私も、目的を持つことにしたんです。そして頑張るなら最高の目的を持ちたいとも……」


 それで世界最高の護衛かぁ。


「私の目的をかなえる為に、咲良ちゃんの護衛にしてもらえませんか?」


「それは光栄だけど、僕まだ小学生だからお給料とか出せないよ?」


「それは出世払いで良いです。咲良ちゃんは将来高給取りになると信じていますから……それに、もしならなくても私が養ってあげますし」


「え? 今なんて?」


「いえ、何でもありません。それで、どうでしょう?」


 う、うーん。魅環ちゃんを護衛にかぁ。

 確かに魅環ちゃんの魔法の上達っぷりを見ていると、本当に世界最強の身体強化魔法の使い手になりそうではあるんだよね。


 ただそうなると、必然的に僕も魅環ちゃんが望む最高の魔法使いにならないといけないって言うプレッシャーが……


「じー……」


 うう、凄く見てる。

 でも……もとはと言えば僕が焚きつけたんだよねコレ。

 それに、世界最高の魔法使いか……ちょっと、いやかなりワクワクする称号だよね!

 うん、それもいいかも!


「分かったよ! 僕は世界最高の魔法使いになる! だから魅環ちゃんも世界最強の身体強化魔法使いになって僕の護衛になって!」


「は、はい! 私頑張ります!!」


 僕が受け入れた事に感極まった魅環ちゃんが、両手を上げてこちらに駆け寄ってきた……んだけど。


「おはようございまーす」


「うわっ!? 燐瑚(りんご)ちゃん」


 突然現れた燐瑚ちゃんが僕達の間に割って入ってきて、魅環ちゃんは行く手を阻まれてしまったんだ。


「きゃっ!? な、何をするんですか!?」


「それはこっちのセリフだよ。何どさくさに紛れて咲良ちゃんに抱き着こうとしてるの?」


「べ、別にどさくさに紛れたりしてません。考えすぎだと思いますよ」


「だったら近づき過ぎる必要はないと思うな」


 魅環ちゃんは燐瑚ちゃんを迂回して僕に近づこうとするけれど、燐瑚ちゃんがそうさせまいと両手を広げて威嚇する。


「そんな事言って、貴女の方が咲良ちゃんと近いじゃないですか!」


「だって私は貴女よりもずっと前から咲良ちゃんの親友だったんだから当然でしょ?」


 え? 僕達親友になってたの!?


「入学してからまだ一か月経ってないのに親友もなにもないと思います!」


「二人の仲に時間なんて関係ないんだよ!」


「だったら私にも関係ないです!」


 え、ええと、何が起きてるの?

 何故か燐瑚ちゃんと魅環ちゃんが口喧嘩を始めちゃったんだけど……


「咲良ちゃんは私の方が親友だと思うよね!」


「え?」


「いえ、私の方ですよね!」


「ええ!?」


 なんかこっちに飛び火してきたー!?

 ど、どうしよう。これどっちを選んでも大変なことになるよね。


「「どっち?」」


「う、うう……」

 

 二人に囲まれ、逃げる事も出来ない。

 こ、これはマズい!


 キーンコーンカーンコーン


 そんな時だった。学校の方から予鈴の音が聞こえてきたんだ。


「い、いけない! このままだと遅刻しちゃうよ!」


「え? うそ!?」


「もうそんな時間ですか!?」


「二人とも急ぐよ!!」


「「は、はい!!」」


 ありがとうチャイム! おかげで助かったよ!!


 ◆魅環◆


 夜、私はとある人気のない場所に潜んでいました。

 そこは咲良ちゃんの家から1000メートル以上離れた、咲良ちゃんの部屋を見る事の出来る場所。


「あっ、咲良ちゃんが部屋に戻ってきました」


 私は身体強化魔法の視覚強化で目を物凄く良くして、遠く離れたこの場所から咲良ちゃんを見守っていたのです。


 私がお父さんから命じられたのは咲良ちゃんの監視と仲良くなる事。

 だから、私がここで咲良ちゃんを見張っていてもお父さんは怒ったりしない。

 だってお父さんの言う通りにしているのだから。


「だから、私が咲良ちゃんの護衛をする事をお父さんは反対できない」


 私は咲良ちゃんの行動を逐一観察して、お父さんに報告して良い内容だけをメモに取る。


「ああ! 今の咲良ちゃん可愛かったです! ああ、カメラが欲しいです。出来れば一眼レフとかいう遠くが綺麗に撮影できるカメラを。私の役目の為に必要って言ったら買ってもらえるでしょうか?」


 それともお兄ちゃんに()()()して代わりに買って貰う方が早いかもしれませんね。

 こんな時の為のお兄ちゃんですから。


「あっ! 咲良ちゃんの生着替え! やっぱりカメラ、いえビデオを用意しないと!」


 奇跡的な美しさの咲良ちゃんの姿を、私は全身全霊で脳裏に刻みます。


「そういえば身体強化魔法に頭を良くする魔法があったはず。なら記憶力を良くする魔法もあるんじゃないでしょうか!?」


 家に帰ったらすぐに調べましょう! 最優先で覚えないと!

 そう心に誓いながらも、私は咲良ちゃんを見守り続けます。

 そしてカーテンが閉まり、部屋の明かりが消えるまで確認したら私は家路につきます。


「ああ、ずっと休むことなく見守り続ける事が出来たらいいのに」


 早く蓮羅燕(はすらえん)家の魔法を全部覚えないと。

 そして名実ともに咲良ちゃんを守る護衛になるんです。

 私に目的を与えてくれたあの人の為に……


「ふふふふっ、私が永遠に守ってあげますからね。咲良ちゃん」

あとがき「お兄ちゃん、自業自得だけど強く生きて」

兄「妹怖い妹怖い、ガクブル」

次回予告「妹もヤバい奴になってしまった……」


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