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ヤンデレ彼女×サイコパス彼氏≒純愛  作者: 釧路太郎
第二部 二人だけの世界編
80/108

綺麗なお姉さんと二人っきりで

「へえ、君は本当にすごいね。自分で言うのもなんだけど、私の胸に興味を持たない高校生男子っていたんだね。彼女がいるって事は男好きってわけでもないと思うし、もしかして巨乳嫌いなのかな?」

「違うんじゃないかな。若い子が好きなだけだと思うよ。私も愛ちゃんも会社じゃ若い方かもしれないけど、世間ではアラサーなんて言われてる年齢だしね。若い子には勝てないもんだよ」

「いや、お二人は僕から見ても魅力的だとは思いますよ。でもそれ以上に僕にはみさきが魅力的に見えるだけです。たぶんですけど、街でたまたま出会ったとしてもお姉さんたちは僕たちに話しかけたりしてなかったと思いますし、お互いにこうして話す機会も得られなかったと思いますよ」

「そうかもしれないけどさ、でも今はこうして目の前にたわわに育ったお胸が四つもあるんだよ。久子のは物足りないんで除外しちゃうけど、それでも触りたいって気持ちにはならないのかな?」

「はい、特にそうは思わないですね」

「もう、彼女の前だからって我慢してちゃだめだよ。若いんだから、触るくらいなら彼女も許してくれるって。ほら、恥ずかしがらずに手を伸ばしてみなって」

「そうだよ。お姉さんたちはいやらしい気持ちで言ってるんじゃなくて、君がとてつもない勇気を振り絞って彼女を守ったことに敬意を表しているだけなんだからね」

「いや、その言葉だけで充分ですから」


 なぜかわからないけれど、この二人のお姉さんは執拗に僕に胸を触らせようとしてくる。それをすることでこの二人に何のメリットがあるのかわからないけれど、なぜかそれでもしつこく僕に言い寄ってくるのが少し面倒くさかった。

 先ほどから黙っているみさきに助けを求めようと思って振り返ると、僕の隣にいたはずのみさきは久子さんと楽しそうに何やら話していた。


「あ、まー君。私はこれから久子さんともう一回温泉に行ってこようと思うんだけどいいかな?」

「いや、別に構わないけど、それだったら僕も一緒に行こうか?」

「ううん、いいの。私は久子さんと同じ佐藤として仲良くなりたいって思ってね。久子さんが旦那さんの好きなところを一杯教えてくれるって言うから聞きたいなって思ってね」

「ごめんね。私もみさきちゃんからまー君の良いところを聞いているうちにさ、お互いに好きな相手を思う気持ちって一緒なんじゃないかなって思うようになってさ。それで、ちょっと温泉にでも浸かってゆっくり話そうかってなったんだよね。私ももう一回温泉に行きたいって思ってたし、みさきちゃんももう一回くらい温泉に入って今よりも綺麗なお肌になりたいって思うもんね」

「はい、久子さんの美容法も気になります」

「そんなわけで、私はみさきちゃんを借りていくね。そっちの酔っ払い二人の相手はまー君に任せるからさ。大丈夫、その二人って自分から絡む割には臆病だから何もしてこないと思うよ」

「じゃあ、行ってくるね」


 僕と一緒に居る時と同じくらい嬉しそうにしているみさきを見送った後に思ったのだが、温泉に行くなら僕が一緒に行っても良かったのではないだろうか。男湯と女湯で別れるんだし、二人っきりで何かを話すにしても僕が邪魔になることは無いんではないだろうか。


「ねえ、大好きな彼女がいなくなっちゃったね。お姉さんたちと楽しい思いで作っちゃおうか」

「そうよ。彼女とはまた別の思い出を作ればいいと思うし、今だけは失恋した二人を慰めて頂戴ね」

「久子はいつも長風呂だから時間はたっぷりあると思うし、ゆっくりしていきましょうね」


 お姉さん二人は敷いてあった布団を綺麗に畳み直すと、テーブルを真ん中に移動してその真ん中に座椅子を置いてくれた。僕にそこに座るように促すと、僕の正面側にお姉さん二人が座椅子を置いて座っていた。先程まで飲んでいたお酒とは違うお酒を手に持っているし、僕はいったい何を見せられるんだろうか。


「君の彼女が帰ってくるまでお姉さんたちの事もたくさん癒してほしいな」

「そうだよね。君の彼女さんも辛い思いをしたのかもしれないけれど、私達も失恋して辛い思いをしてるんだし、君が私達の事を慰めてくれても罰は当たらないと思うんだよね、。それにさ、そんなに若い君がお姉さんたちのために何かしてくれるってのは悪いことじゃないと思うんだけどね」

「そう言われましても」

「そんな事を言わないでね。君の彼女には迷惑かけないようにするから大丈夫だよ」

「そうだよ。私達みたいに悲しい思いをさせるなんてダメだからね。でも、今だけは私達の事を考えてくれると嬉しいな」


 この二人が何を考えているのかわからないけれど、この時ほど僕はみさきと離れた事を後悔したことは無かった。

 二人は何かを決心しているかのようにお酒をどんどんと飲み進めているのだが、僕はそれをただ黙って見ていることしか出来なかった。この場から逃げ出そうと思えば簡単に逃げることは出来ると思うのだけれど、そうしてしまうと戻ってきたみさきに何があるかわかったモノじゃない。そう言う事もあって僕はこの場から動くことが出来なかった。出来ることなら、二人ともお酒を飲み過ぎて潰れてくれたらいいのにと思っていた。


「ねえ、愛ちゃんがそんなペースで飲んだら潰れちゃうんじゃない?」

「私は大丈夫。大丈夫だって。大丈夫」

「あら、もう限界みたいね。弱いのに無理して飲んですぐに限界来ちゃってさ。本当に可愛いよね。でも、なんでこんなに可愛い子が捨てられなくちゃいけないんだろうね。ねえ、男の人の考えをお姉さんに教えてもらってもいいかな?」

「そう言われましても、僕と他の人は考え方も違うと思いますし」

「そんな事はどうでもいいのよ。私が満足することが出来ればそれでいいんだからね」

「無理ですって。やめてくださいよ」

「今はあなたの彼女と久子は温泉に行っていてしばらく戻ってこないし、愛ちゃんも潰れて寝ちゃってるから私と君の二人っきり見たいなもんなのにさ。どうして逃げないのかな?」

「だって、僕が逃げたらここに戻ってきたみさきがどうなるかわからないじゃないですか」

「そうね。君の大事な彼女がどう思うかわからないけど、君の彼女が今何をしているのか私達にはわからないのと一緒で、君の彼女も今君が何をしているのかも分からないんだよ」

「そうかもしれないですけど。そんな事をしたらダメですよ」


「大丈夫。お姉さんと二人でいいことしましょ」

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