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ヤンデレ彼女×サイコパス彼氏≒純愛  作者: 釧路太郎
第一部 日常生活編
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花咲百合 その三

 前田君と一緒に遊ぶときは撫子ちゃんも一緒だったと思っていたけれど、よくよく考えてみると撫子ちゃんは私と違ってゲームをやらない子だった。

 ゲームは一緒にやっていないというのは事実だけど、ゲームをやっているすぐ隣で撫子ちゃんはそれを見ていたし、ゲームをしていないというのは事実だけど一緒にいたんだから三人でゲームをしたと言ってもいいんじゃないかなって思っていた。私はそう思っていたけれど、前田君の中ではすぐ近くに一緒にいてゲームを見ている撫子ちゃんは一緒にゲームをした仲ではないという事なのだろうか。言われてみたらそうなのだけれど、三人でゲームをしたことにしてもいいんじゃないかなって思うな。


「でもさ、私達がゲームをしているのを撫子ちゃんが見ていたってのはあるし、一緒にゲームをしていたって言ってもいいんじゃないかな?」

「そう言われたらそうかもしれないけど、僕と花咲さんはゲームを一緒に楽しんでいたけどね。妹さんってモテそうだけどそう言う話って無いのかな?」

「どうなんだろう。撫子ちゃんから告白されたって話は何度も聞いたことがあるけど、誰かと付き合っているってのは聞いたことが無いかもしれないな。モテるとは思うけど、特定の誰かと付き合っているってのは聞いた事ないかもしれないよ」

「花咲さんの妹さんは見た目は可愛いけど、なんとなく僕は苦手なんだよね。僕にも妹がいるんだけど、花咲さんの妹さんも僕の妹と似ている部分があるっていうか、ちょっと思い込みが激しい事ってあったりしないかな?」

「どうだろう。昔は私の真似ばかりして後ろをついて歩いていたんだけど、今は私が何をしたいかって思う前に私が何をするか決めてることが多いかも。今日だって前田君を連れてきて私に会わせたりしてたしね」

「僕の妹もそうだけど、昔は後ろについて回っていたのにいつの間にか僕の前に立ってやることを決めていたりするんだけど、それと一緒みたいだね」

「前田君の妹さんもそうなんだ。撫子ちゃんだけかと思っていたけど、結構そう言う妹って多いのかもしれないね。私は聞いたことが無いんだけどさ」

「あ、でも、みさきはお姉ちゃんがいるんだけど、お姉ちゃんに対してそういう事はしたことが無いってみさきは言っていたな。それに、みさきのところはお姉さんがみさきのために何でもしてくれるって言ってたかもしれない」

「そうなんだ。私も撫子ちゃんが喜んでくれることはしたいと思うけど、今は撫子ちゃんが自分でしたいことを何でもしちゃうからな。私が何かしてあげるってことはほとんどないんだけどさ。そう言えば、最近は私の両親も撫子ちゃんのご機嫌を窺うようなことが増えてきているかもしれない。最近だけじゃなかったかもしれないけど」

「ずっと前から思っていたんだけど、花咲さんの家に遊びに来ていた時ってご両親が不在だったと思うけど、二人とも仕事で出かけていたの?」

「パパは普通に仕事だったと思うけど、ママは専業主婦だから家にいたと思うよ。でも、言われてみたら前田君に会ったことないかもしれないね。土曜日とか結構長い時間遊んだこともあったけど、一度も会ったことなかったかも。私も紹介した記憶が無いし」

「偶然だとしたら、それってすごい事だよね。なんで一度も会わなかったんだろうね?」

「もしかしたら、撫子ちゃんが前田君に会わないようにって言っていたのかもしれないよ。パパもママも撫子ちゃんの言う事には従うからさ。末っ子ってそういう時って強いよね」

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