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ヤンデレ彼女×サイコパス彼氏≒純愛  作者: 釧路太郎
第一部 日常生活編
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家 佐藤みさきの場合

 無事に付き合うことが出来たんだけど、これからどんな感じで二人の時間を過ごしていくのかな?

 私はそんなにアクティブな方ではないので、まー君からリードしてくれると嬉しいな。なんて思っていたら、予想もしていなかったことになってしまった。


「これから家に来る?」

「え? 今から?」

「うん、何か予定あったりするのかな?」

「今日は部活も無いし、家に帰ってからはテストに向けて勉強しようかなって思っていたよ」

「それならちょうどいいかも。俺の家においでよ」

「???」

 付き合ったその日に家に誘われるなんて、こんな展開は予想していなかったからちょっと混乱してしまった。

「今日は妹もいるからさ」

「???」

 妹さんがいることは知っていたけど、家にいるからってどういうこと?

 三人で何かして遊ぶのかな?

 ちょっと混乱してきたかも。


「みさきは徒歩通学なのかな?」

「え? う、うん。徒歩通学だよ」

「俺も今日は徒歩なんで一緒に歩いて行こうか」


 付き合ったその日にいきなり家に誘われるってことは、もしかしたらまー君は遊び慣れているのかな?

 まー君と同じ中学だった子に聞いてみたけどそんな様子はなかったみたいなんだけどな。みんなが知らないところでそう言う遊びをしてたとしても、今のまー君とは関係ないだろうし問題ないよね。

 そう思ってまー君の横を歩いていると、最初はまー君が少し先を歩いていたりしたのに、いつの間にか歩調を合わせてくれていた。ちょっとした気配りが優しくて好きかも。それに、私が持っていたトートバッグまで持ってくれるなんて嬉しいな。中に入っているのは千尋ちゃんから借りた雑誌なんで少し恥ずかしいけど、まー君の優しさに触れられたから気にしないでおこう。

 さっきまでトートバッグを持っていたからか、急に軽くなった両手が不安で落ち着かないなぁ。本当はまー君の手を握って歩きたいけど、さすがにそれは恥ずかしいから我慢しなくちゃ。とりあえず、ポケットに手を入れるのもだらしないし、リュックのベルトを握ることにしよう。何となくかわいく見えるだろうしね。


「ここが俺の家だよ」

「本当に来ちゃったけど良いのかな?」

「遠慮しないで入っていいよ」


 まー君はそう言ってくれたけれど、さすがに彼氏の家に入るのは緊張するよね。これから何をするのかわからなけど、付き合ったその日にそんな関係にはならないよね?


「お兄ちゃんお帰りなさい。学校は忙しかった?」

「今日は始業式だけだったからそうでもないかな」

 この子がまー君の妹さんかな?

 まー君に少し似ていて可愛いかも。

「唯もそうだったから一緒だね。……って、後ろに女の人がいるよ?」

 妹さんが私に気付いて固まっちゃった。

 私が妹さんの立場でもそうなっちゃいそうだな。

「うん、一緒に勉強しようと思って連れてきた」

「え? 勉強?」

 勉強?

 そうだよね、付き合ったその日に家に誘ってする事と言えば勉強だよね。私はちょっと深く考えすぎちゃっていたかもね。

「お母さん、お兄ちゃんが女の人を連れてきてるよぉ」

 妹さんにちゃんと挨拶できないままどこかに行っちゃった。

 そうだ、まー君に勉強の事を聞かなくちゃ。

「ねえ、まー君。勉強って何?」

「え? テスト勉強を一緒にするんじゃないの?」

「そんな話は聞いてないよ」

「ごめん、言ってなかったっけ?」

「うん、聞いてません。勉強するのは構わないけどね」


 家に帰ってから勉強しようと思っていたけど、まさかそれよりも先にまー君と一緒に勉強することになるとは思わなかったな。このまま部屋に案内されてそこで勉強するのかな?

 って思っていたら、まー君がソファーに腰かけていて、その隣に座るように言われちゃった。とりあえずはここに座って落ち着いてから部屋に行くのかな。少し緊張してきたかも。

 落ち着いてリビングの中を見てみると、きちんと整理整頓されていて綺麗な部屋だな。うちのリビングは物が多いからこんなに素敵な空間じゃないんだよね。日曜日になったらお母さんに言って整理整頓してみようかな。

 そう思っていたら妹さんが戻って来たんだけど、何か私を見て興奮しているっぽい。


「あの、もしかして佐藤みさき先輩ですか?」

「そうだけど、どこかで会った事あったっけ?」

 妹さんは私の事を知っているみたいだけど、どこかで会ったことあったかな?

 こんなに可愛い子なら忘れないと思うんだけど。

「いえ、直接面識はないんですけど、去年あった定期演奏会に行った時に先輩の事知りました。あの時のフルートのソロを聞いてファンになったんです。あ、私の友達のむっちゃん、山本睦美が招待してくれたんです。それで、先輩の事を睦美から色々聞いちゃいました」

「ありがとう、そう思ってくれるだけでも嬉しいよ。あなたは吹奏楽やってないのかな?」

 山本さんの友達だったんだ、山本さんは私と違って社交的な人だし、友達も多いのかな?「私はそう言う繊細な事が苦手でして、正直言うとあんまり興味なかったんですけど、先輩の演奏を聞いたら吹奏楽に興味出ました」

「そうなんだ、良かったら今度フルートを教えようか?」

「本当ですか? 嬉しいな。でも、なんでお兄ちゃんと一緒にいるんですか?」

「私がまー君に告白して付き合う事になったからだよ」

「え? え? お兄ちゃんと先輩が付き合ってるんですか?」

「うん、お付き合いすることになりました」

「いつからですか?」

「今日からだよ」

「お母さん、お兄ちゃんが佐藤先輩と付き合ってその日に家に連れてきたよぉ」


 妹さんはまたどこかに行ってしまった。妹さんなら佐藤先輩じゃなくてみさきって呼んでくれてもいいなけどな。戻ってきたらそう言ってみようかな。

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