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ヤンデレ彼女×サイコパス彼氏≒純愛  作者: 釧路太郎
第一部 日常生活編
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続勉強会 前田唯の場合

 お兄ちゃんは私の部屋で下着とか見ているのかな?

 きっとお兄ちゃんの事だから触らないでそのまま引き出しを戻してそうだけどね。みさき先輩は知らないだろうけれど、お兄ちゃんは戻って来た時にどんな反応するんだろう。


「唯ちゃんとまー君って他の兄妹と比べても仲がよさそうだよね」

「私はお兄ちゃんとずっと一緒に過ごしてきたんで、それも関係あるかもしれませんね」

「私はお姉ちゃんとそこまで仲良くないから羨ましいけど、唯ちゃんみたいに兄妹を好きになる事は出来ないかも」

「お姉ちゃんとお兄ちゃんじゃ接し方も違いますよね。私はお姉ちゃんと買い物とか行ってみたかったですけどね」

「それなら今度一緒にどこか買い物しに行ってみる?」

「いいんですか? 私はみさき先輩と一緒に買い物行きたいです」


 みさき先輩と遊ぶ約束が出来たのは嬉しいけれど、戻ってきたお兄ちゃんは私の顔を見ても何の反応も見せてくれないんでつまらないな。みさき先輩がいなかったら照れたりしてくれるのかな?

 今日はもう着替えちゃったけれど、今度は制服のスカートを少し短くして反応を確かめてみようかな。お母さんとお父さんがいたら怒られそうだから、お兄ちゃんと二人っきりの時だけのお楽しみだね。

 お兄ちゃんは喉渇いているのかな?

 たぶん、聞いてもいらないって言われそうだけど、みさき先輩もいるし紅茶を飲むか聞いてみようっと。


「お兄ちゃんも私が淹れた紅茶を飲む?」

「いや、紅茶は飲まない」

「そっか、今日のはみさき先輩も美味しいって言ってくれてるのにな」


 やっぱりいらないって言われたけど、お兄ちゃんは紅茶苦手なんだから結果は予想通りだったね。私もそこまで美味しいとは思わないけれど、お兄ちゃんは紅茶を飲むような女の子を好きな感じだから仕方ないさ。

 でも、私の部屋に入って色々見たはずなのに、お兄ちゃんの表情も態度も普段と変わらないのはつまらないな。次は何かもっと刺激的な物を隠してみようかな。


「唯のクラスがどこかわかるかな?」

「見ていいの?」

「見ても大丈夫だよ。唯も本当は見られるのが嬉しいと思うし」

「ちょっと、お兄ちゃん。勝手なこと言ってみさき先輩を困らせないでよ」


 お兄ちゃんが私の卒アルで気に入っている写真は私が移動中のバスの中で寝ている写真なんだけど、お兄ちゃんが寝顔を見たいって言ってくれたら毎日一緒に寝てあげるのにね。お兄ちゃんは死んでもそんなことは言わないと思うけれど、言ってくれたら私は行動しちゃうよ。

 みさき先輩はお兄ちゃんの卒アルを見たそうな感じがするけど、お兄ちゃんは絶対に自分のは人に見せないんだよね。私も見たかったのにいまだに見てないしね。今度、お兄ちゃんと同じ学年の先輩に頼んで見せてもらおうかな。


「唯ちゃんが見ても良いって言うなら私は見ようかな」

「みさき先輩がそんなことを言うなら断れないじゃないですか」

「ありがとう、唯ちゃんのクラスを探してみるね」

「でも、今度みさき先輩の卒アルも見てみたいです」

「私のはごく普通だと思うから面白くないかもよ」

「私も普通ですよぉ」


 みさき先輩は見開きの卒業生が全員写っているページで探してくれているみたいだけど、四組の写真を見たら名前も書いてあって探しやすいのにな。根が真面目なのかページを捲るのですら億劫になるほどずぼらなのかはわからないけど、みさき先輩の視線を負ってみると私を見つけたのかいい感じの場所を行ったり来たりしているな。


「どうかな? そんなに変わってないと思うから難しくはないかもしれないよ」

「唯ちゃんは小学生の時も可愛いからすぐにわかったよ」

「みさき先輩はもう見つけたんですか?」

「このメガネの子でしょ?」


 みさき先輩は私が眼鏡をかけている姿でも一発で当てちゃった。

 でも、オシャレ眼鏡じゃなくてガチの眼鏡だからじっくり見られるのは恥ずかしいな。この時も何枚か撮ってもらったんだけど、眼鏡を外す前のが使われちゃったのは誤算だったね。全体がハッキリとわかってみんなカメラ目線なのがこの写真しかなかったって言われたけど、アルバム制作委員の人はきっとわざと選んだと思うな。


「やっぱり唯ちゃんは小学生の時から可愛かったんだね」

「なんですぐに分かったんですか?」

「唯ちゃんとまー君って似てるなって思ってたんだけど、順番に見て行ったらまー君に似ている唯ちゃんがすぐにわかったよ」

「でも、眼鏡で結構印象違いません?」

「そうだね、印象は少し違うけれど、それでも唯ちゃんの可愛らしさは隠しきれていないよ」


 この眼鏡じゃなくてオシャレな眼鏡もあるんでどうせならそっちを見てもらいたいんだけど、みさき先輩はこの眼鏡を気に入ってしまったみたいだよ。

 一応持っているけれど、あんまりこの眼鏡は好きじゃないんだよね。買いに行った時もちゃんと考えて選ばなかったし、意外と似たようなのかけている人も多いんだよね。


「この写真の眼鏡って持っているの?」

「ありますけど、変ですか?」

「ううん、とっても似合っていると思うよ」

「嘘じゃないですよね?」

「嘘じゃないよ。本当に似合っているなって思うよ」

「じゃあ、持ってきますんで待っててくださいね」


 やっぱりこの眼鏡が見たいって事なんだろうな。せっかくだからオシャレな方の眼鏡も一緒に持って行ってみさき先輩にどっちが好きか聞いてみようかな。

 それと、お兄ちゃんが私の部屋で下着を見たかも確認しないとね。本当はカメラをセットしてお兄ちゃんの反応を見たいんだけど、中学生の私がそんなに気軽にカメラなんて買えるわけないし、スマホをセットしてカメラ変わり使ったとしても、それはすぐにばれてしまいそうだよね。


 お兄ちゃんはどんな反応をしていたのかわからないけれど、下着の入っている引き出しを開けたのは確定したよ。引き出しの横に紙きれをたくさん入れておいて、不用意に開けると紙吹雪が出るって装置だからね。

 お兄ちゃんが私の下着を見てくれてどんな気持ちになったのかな?

 つけているところを見たいって思ったりしてるのかな?


 今はお兄ちゃんが私の下着を見たってことが重要なわけで、どんな感想を持ったかは今度二人っきりの時に聞いてみようかな。

 卒アルに乗っている時の眼鏡はしまっていたんだけれど、ちゃんとケースに入れていたから汚れとかもないよ。

 一応学校で使っている方の眼鏡も持っていこうかな。こっちは赤いフレームで可愛いから気に入っているんだよね。


 眼鏡も持ったし、他にやる事も無いから下に戻ろうかな。あんまり二人っきりにしておくのもよくないだろうし。私もさっさと下に降りて、二人がいい感じになりそうになったらじゃ増してみようかな。


「二人ともちゃんと勉強しているの?」


 リビングに戻った私はドアを開けるながらそう言ってみたんだけど、お兄ちゃんは何の反応もしてくれなかった。普段はもっと優しいんだけれど、勉強に集中している時は前しか見えないんだよね。


「唯ちゃんは眼鏡をかけても可愛いね」

「えへへ。みさき先輩に褒められると嬉しいです」

「唯ちゃんは眼鏡をかけてもかけなくても可愛いよね。まー君もそう思っているんでしょ?」

「そうだね。唯はいつでも可愛いよ」


 お兄ちゃんが私の事可愛いって言ってくれるのって、誰かが家に来たときくらいなんだよね。中学で被ってた時期も、小学校で被っていた時期も学校ではほとんど活動していなかったんだよね。

 ちょっと気になって時計を見たんだけど、まだ夕方にもなっていなかった。憧れのみさき先輩が近くにいるってだけでも嬉しいんだけれど、出来るならお兄ちゃんと二人っきりが良かったな。

 お兄ちゃんも私の事を可愛いって思っていてくれているのは知っていたけれど、こうやって人までも言ってくれるのは嬉しいかも。

 勉強してて意識がこっちにあんまり向いてない時に聞くのっていいんじゃない?

 お兄ちゃんが勉強する時は一人部屋に閉じこもっているから出来ないんだけどね。


 さすがに鍵を二つ壊さずに開けることは出来ないもんね。

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