5話 帰り道
「朝の街ってこんなに静かなんだー」
(「まぁ今までは転移で行って転移で帰ってきてたものね!」)
「でも魔力切れで転移が使えないとは思わなかったwww」
(「当たり前でしょ?転移も魔法なんだから!それにあの魔法そこそこ魔力使うのよねぇー」)
「そうなんだよ!それに距離が長いとその分魔力使うから困るよね!」
(「そうね!でもまあたまには歩くのもいんじゃない?」)
「そうだね!」
いやーでも魔力が足りなくて中途半端なところまでしか行けなくて街まで身体強化魔法で走ることになるとは思わなかったー♪でもこれで身体強化の訓練にもなったからいいかなー
「ん?…あー!!ウォルドー!!!」
そこにはこちらに全力で手を振る元気な女の子がいた
「ん?…あー!アリス!こんなところで何してるの?」
「それはこっちのセリフ!」
「あー僕はただ早く起きすぎちゃったから散歩してただけだよ!」
「そーなんだー!私はねぇー牛乳の配達のお仕事してたんだ!」
「そっか!…大変だね?重くない?手伝おうか?」
「大丈夫だよ!こう見えて私力あるし!それに私の仕事だから!…あっ!」
そういいながら自慢げにこちらに笑顔で言ってきたのだがこちらを見ていたせいで石につまずき転びそうになるアリス
「危ない!」
(「タイムストップ」)
「ふぅ…間に合ってよかった魔力もギリギリだな!早くしないと!」
そして時が止まった世界で僕は倒れかけているアリスを立たせ落ちそうな牛乳瓶の入った籠をアリスに持たせる
(「スタート」)
「あー!…えっ?今私転びかけなかった?」
「ん?なんのこと?」
「えっ?えっ?ていうかウォルド大丈夫?顔色悪いよ?」
「ん?いや?大丈夫だよ!」
正直言うともう魔力なくなりそうあと数分は歩きたくない
「ちょっと疲れたみたいだから僕はここで休んで行くよ!」
「大丈夫?私もいてあげようか?」
「大丈夫だよ!それにアリスには仕事があるだろ?」
「そうたね!…って!こんな時間!早く牛乳届けないと!ウォルドじゃあね!体調悪い時はちゃんと病院行くんだよー!」
「はぁ…アリスはすごいなぁ…毎日こんな早くから仕事して…僕にどうにか出来ないかなぁ」
アリスの家はとても貧しく僕と同じ4歳であるアリスもああやって働いている一度僕の親が心配だからとアリスの親にお金を渡そうとしたのだが「そんなお金は貰えないし!私たちはお金が無くても幸せで貧乏だからこそお金の大切さを何より知っているの!!だから人様からお金なんて貰えない!」とキレ気味に断られたらしい…ああ…アリスにはそのうち幸せになって欲しいなぁ