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聖騎士と零の魔法の出会いは必然なのだろうか?  作者: 水城蒼空
ダンジョン攻略第一章
6/6

明日を導く光を求めて

風邪を引いていました。


評価や感想、アドバイスくれると嬉しいです。お願いします。


閲覧してくれた方有難う御座います。それだけでも嬉しいです。ぜひ最後まで読んでください。

 目標は決まったものの、することが多すぎてどれから手を付けていいのやら。

 当面の課題は、金銭面である。

 それに、ミユウは布一枚というきわどい格好をしているし、俺は右の袖が無くなっていて、ボロボロの制服姿。

早急にミユウの服に関しては。どうにかしてあげたい。

 しかしながら一番ネックな問題である。問題では、ミユウはお尋ね者になってはいないようだった。王家の力によるものを信じているらしく、ミユウを見てもこの国の正規軍は反応をしなかった。

 だからと言って、俺たちは危機的状況なのには変わらないが……

 唯一の救いは、ミユウの居住地には真水よりも綺麗な水源があることくらいだろうか。

「ミユウ、何か活用できそうなものはないのか?」

「う~ん、これを売れば多少のお金にはなるけれど……」

 ミユウは、胸元から赤色(せきしょく)の宝石のネックレスを出す。

 迫害されていた家系が持っているには、違和感のある代物である。

 ミユウの宝石の見る目は明らかに、何か意味ありげで、盗んだとか、拾ったとかいう類ではなさそうである。

 この世界の宝石の価値は知らないが、その宝石は、この世のものとは思えないくらいに美しい。

「それ、大切なものなのか?」

「えへへ、うん。わたしたちの家系が代々引き継いでいる宝石で、唯一のわたしの思い出……」

「ちょっと、見せて」

 宝石を差し出してくれる。

「綺麗でしょ?」

 全く、こんなものを売ろうとする。そこまで追いつめられているのにもかかわらず笑いやがって。

 何もできない自分自身をぶん殴ってやりたい気分だ。

「……こんなもん売れないよ」

 眉を細めて警戒した表情に変わるミユウが、見せてくれていた宝石を握りしめる。

 俺は、ミユウの横に立って手を取る。そのまま宝石を空……じゃなかった王家の力によって輝く天井に向ける。

 宝石は、輝く天井からの光を受けてより一層煌めく。 

「ミズキ?」

「ミユウにしかこの宝石は似合わないから、売っても意味ない。俺が何とかして見せるから」

 右半身に、ミユウの温かさを感じる。身長の割にはすっごく軽い重さが、ミユウに何かしてあげたい、ミユウに……

 この世界に来てから何もしていない、もとより現実世界にいた時も何もしていないんだけど。

 変わろうとした。それが俺のスタートになった。やっと始まると思ったけれど、今まで何もしてこなかったツケが今になって返ってきた。

 もっと、勉強しておけばよかった。もっと、運動でもしておけばよかった。もっと、人のことを考えて行動していれば、何をしたらいいのか分かったのかな?

 そんな自己犠牲に浸ってしまう。

「ねぇ、ミズキ知ってる? わたしを助けてくれた騎士様は案外努力家なんだって」

「騎士って誰だよ?」

「ミズキ、じぶんのこと嫌いでしょ?」

 自分のこと好きな奴っているのか?

 俺は、平凡で何もない、あきらめることに慣れて、出来ない事を正当化する。そんな最悪の人間である自分が憎いくらいに大嫌いで、変わろうとした自分て、今更になって無力な自分い絶望する自分がこの上なく気持ちが悪い。

「わたしはね、好きだよミズキのこと。ミズキわたしの為だけに自分を責めるところとか。すっごく嬉しい」

 心まで広がっていくミユウの暖かさ。俺なんかを見てくれているミユウの優しさに救われる。

「なんだよそれ……」

「今顔赤いでしょ?」

「別に、赤くねーよ」

「嘘だ~。だってわたし多分顔、赤いよ?」

 肩に感じる体温に目をやるとそこには、ピンク色に染まった頬のミユウが手に握った宝石に光を入れている。

「助けてくれて、本当にありがとうねっ」

「それは……」

 俺はミユウに説明した。この世界とは違う世界にいたこと、助けたのは俺じゃないかもしれなくて、もし助けたとしてもそれは善意ではなく、偶然だということも。

 それでも、ミユウはありがとうと、感謝してくれている。

「それにっ、自由な世界を見せてくれるって言ってくれてありがとう」

「何もできてないけどね。でも、絶対に叶えて見せるから……」

 何の確証もないけれど、俺はミユウに自由な世界を魅せるためになら何でもして見せる。手立てがないなら、考えて考えて、それでもだめなら死んでも叶える。

「ミユウ、これなんだかわかるか?」

 そこら辺に落ちていた手ごろな木の枝を拾って地面に星を書く。

「わかんない、けれど、可愛い形してるね」

 可愛い? 星はかっこいいだろ。まぁけど、この地下帝国だと星なんて知る由もなさそうだ。

「これはな、空の宝石。夜にしか見えない奇跡の光なんだ。暗い夜を見えない明日に向かっていく生ある者たちの道しるべになるんだ。だから、いつか一緒に星をみて、自由な世界の明日を見ような」

「うん、ミズキ! 約束、だからねっ!」

「あぁ、星に誓って」

 ミユウは俺の書いた星が気に入ったのか真ん中に宝石を置いて眺めている。

 俺もミユウをマネて眺めてみる。

 今は偽物の光のない星。だけどいつか本物の星の輝きの下で寝っ転がりながら、地面に描いた星を見ていたことを笑いたい。


 ――半透明の赤色の宝石が乱反射を起こす。地面に描いた星型の線上に赤色の光が宝石から流れている。

 少しづつ広がっていく光は、一つの魔法陣を一瞬で描き上げる。


「ミズキ!」

 宝石の光は二人を覆い、包み込んだ。

『対象者の魔力を開眼。能力開放。

ステータス 零

 天性使者 成神瑞希

 魔法適正 雷撃

 固有魔術 【条件発動】 テレポート 空間生成 未確認10……

 身体能力 機動感覚

 特殊能力 波動理解 言語変換


ステータス 零

 天性使者 ミユウ

 魔法適正 鬼風

 固有魔術 再生治癒 精気

 身体能力 重力操作

 特殊能力 空間把握 思考略奪

 

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