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聖騎士と零の魔法の出会いは必然なのだろうか?  作者: 水城蒼空
始まりの草原
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未知の世界グレードスフィア

今の自分の置かれている境遇と、。ミユウについて聞いた。

 ミユウは嫌がる様子なく、俺の隣に腰を下ろしてから話し始めた。結果は、まあ複雑な世界に召喚されたことはわかった。


 ――伝説の文明、リフレインによって創造された『デウス・エクス・マキナ』によってこの世界は創成されたという。

 創造を具現化させた技術力と、創精神を生み出すという人間離れした思考回路。

 それに巻き込まれたのは、人間だけではないらしい。

 デウス・エクス・マキナによって、分類分けとランク付けされた世界グレードスフィア。

 そこで生きる知性と感情、そして六感以上を持つ種族をヒエラルキー分けをした世界を作り上げた。つまりはランク付けされた世界を作り、ヒエラルキーによって権力が分け与えられたらしい。

 イネプトレス(人間種)は、主要な五感と魔法感覚の六感を持ち合わせていて、ごくまれに第七感とも近い何かを有していることもあるらしいが、感覚と呼ぶには些か貧弱らしい。

 それに、この世界のヒエラルキーを全て把握できていないらしく、上流種族が何種いるか、特性や種族名すらわかっていなく、わかっていることは、一番の下位種で地上に領土を持てない二種族のうちの一種族で、もう一つの種族がビーアライアン(獣人族)ということだけ。

 圧倒的に、情報力不足や知識不足。生きていくのでやっとなのにも関わらず、ビーアライアン(獣人族)の侵攻によって日々撤退を繰り返すという立場が十数年前の出来事。

 今は、地下都市最下層もと副都市、現王都ネクサス=レイブンに全人類が生活をしており、太陽の光が一切通らないエリアでビーアライアン(獣人族)も攻めてこないらしい。

 しかし、このエリアでの限界が近づいている。

「それは……魔族。正しくは魔王の存在。そしてデウス・エクス・マキナの唯一の敵」

「いうこともない世界……えっと、グレードスフィア最強の種族がなんでまた最弱ヒエラルキーに?」

 常識的に考えて最強種族が最弱種族に用があるわけはない。

 それに、おかしな話が二つある。ビーアライアン(獣人族)に滅ぼさていない件。

 最下層のエリアはいらないにしても、今後の脅威や、理屈を考えれば、滅ぼした方が好都合のはず。

 そしてもう一つは、魔族が最弱の種族を滅ぼせていないことだ。

「魔族は、王家が誇る大魔術、詳しくは公表されていないからわからないけれど、奇跡の光によって守られている。それは王家にしか使えないの。だから、わらしたちは一国家で生きていけている」

 ミユウは、悔しそうに拳を握る。

 明らかに、王家にたいして敵意がある目をしている。今の話を聞けば王家がもたらした恩恵は大きく、ミユウの態度はおかしい。

「なら、偉大な王家だ」

「違う。あいつらは隠しているんだ」

「どういうことだ?」

 ミユウは俺の隣に座っていたが立ち上がって、何もない草原を歩き始めた。

「わたしたちにはわからないこの世界の秘密を、だから盗もうとしたの。王家の秘文書【The Over Parts】を」

 この世界は、何らかの秘密がある。一つの王国のによって統治されていたはずなのにもず、二つ目の言語が出てきている。それが今確定的になった。俺たちの世界で言う英語、が使われている。二つ以上の文明がないと明かにおかしい。

 ビーアライアン(獣人族)などの種族とは交友関係を結んだとは、今の話からでは推測は出来ない。

 ならば、この王家には秘密がある。

 グレードスフィアにも何らかの秘密があるのかもしれない。

「じゃあ、なんで、ミユウは魔王のところにいたんだ?」

「わからないんだよ……」

 ミユウは首を傾げると、落ち着きを取り戻し、振り向いて俺に向かって歩いてきた。

 座りすぎて重くなった腰を伸ばすために立ち上がると、この空間の地平線が見えた。

「じゃあ、今どうしたい?」

「わたしは、ダンジョンをクリアして空を自分の手で見たい……そして、王家の秘密を晒して、わたしたちは自由を手に入れて、地上で暮らして、デウス・エクス・マキナを倒すっ!」

 青い瞳を輝かして、綺麗で、優しそうで、ひ弱そうな声のミユウはこれまでよりも大きく、のどを嗄らすんじゃないかと思うくらいに叫んだ。

 ただ、聞いていた俺は、求めていたような答え、欲しかった回答、待っていた言葉の気がして、胸が高鳴った。

 まだ知らないことが多い。むしろ、何も知らないのかもしれない。

 謎ばかりで、ミユウの言っていることを理解するには、自分の知己が圧倒的に足りない。日本にいるより何倍も何千倍も楽しいことが待っていそうでワクワクしている。

 初めて、生きていて良かったと思った。

「じゃあ、俺が、付き添ってやるよ」

「うん!」

 拳をミユウに向かって出すと、勢いよく走って拳を合わせてくれた。すこし痛かったけれど、その重みが、何かを立ち上がらせるみたいで!


 刹那、世界は白く、視界を奪った……

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