幼馴染の親友
幼馴染そして遊佐の親友。名前は、久那健斗。
中学まで一緒だったが、高校になってから健斗は俺とは違い、夢があったため自分の道に進んだ。健斗とは、約1年半ぶりの再会だった。
「久しぶりだな」
「おう」
ただの挨拶だったが遊佐は少し緊張感を感じた。
「どうしたんだ?いきなり。」
俺はこの空気から抜け出したいため少しおちゃらけて言う。
しかし、健斗の反応は無く、黙ってこっちを真っ直ぐに見ていた。
部屋には重い空気が漂っている。遊佐は俯くことしかできなかった。
数十分しただろうか、ここでようやく健斗がくちを開き始めた。
「なんで学校に行かず、部屋に引きこもってるんだ?」
「.......」
遊佐はただただ黙って俯いていた。
「いろいろ事情は、聞いた。お前の気持ちには同情するよ。
だけど、なんで家に引きこもってるんだ?」
「........」
俯き黙ったままの遊佐に対し次第にいらつきがでてくる
「そうか。黙ったままか........」
「最低な奴だよお前は、本当に。
いつから、そんな奴になったんだ?」
俺はなにを言われても反応をしなかった。しかし、次の一言は.....…
「あの女と付き合ってからか?なんであんな奴とつきあったのかww」
その一言は俺を怒らせるのに十分だった。気づいたら健斗の胸ぐらを掴み殴っていた。
「イタッッ」
気づいたら健斗の胸ぐらを掴み殴っていた。
健斗はなにが起こったかすぐにわかった。
「テメェ!」
殴り返そうと遊佐を見たとき遊佐は涙を流していた。
「俺の事はなにを言われてもいい。だけど...夢香の事を悪く言うのはやめてくれ。
あいつのことだけは...…」
その時、健斗はやりすぎたと思った。元々こうする予定じゃなかったが
健斗は反省し遊佐に向けて言った。
「じゃあ、なんでお前は家に引きこもってるんだ!
せっかく助けてくれた命だろ!!お前の、お前がすきになった人から助けてもらった命だろ!!
それなのにお前は自らそれを無駄にしている。それじゃあ何のために助けてもらったんだよ!
お前は彼女の死から何を見たんだよ」
この言葉に遊佐は
「わかってんだよ!そんなことは。俺も前に進見たいよ
でも、前に進むことであいつを夢香を忘れてしまいそうで怖いんだよ....…」
と言った。
健斗は、微笑みながら健斗の肩に手を置き
「忘れなければいい。いや、わすれるな!お前は彼女の事を死ぬまで記憶から消すな
彼女の意志を継いで、彼女の分までその大切な人生を生きろ。
それが、お前の今やるべき事だろう?違うか?」
この言葉に遊佐は涙を浮かべた
「遊佐。今は、泣いたっていいぞ」
遊佐は、泣きわめいた。健斗が見守る中で。