若き英雄達
これが最終話です。
「神の悪戯に翻弄される冒険者」という連載作品を始めました。よければこちらもよろしくお願いします。
1ヶ月後、俺、アリエット、ルナール、リオンの4人は王宮に来ていた。国を救った英雄として、俺たちの勲章授与式があるからだ。カストールたちも勲章を授与されるのだが、式は俺たち4人が代表ということになった。
「なんか、落ち着かないな。」
俺は着ている礼服を見ながら言った。
「すぐに慣れますよ。」
ルナールは着慣れているようだ。
「ねえ、ボク、変じゃないかな。」
同じく着慣れていないアリエットも落ち着かないようだ。
「大丈夫。似合ってるよ。」
俺がそう言うと、アリエットは頬を紅くし嬉しそうに笑う。
「そこ、式中はいちゃつかないでくださいね。」
「いちゃついてなんかないよ。」
アリエットは頬を膨らまして否定する。
学校では俺とアリエットはカップル、ということになってる。命を賭けてアリエットを救いに行った彼女を救った、というストーリーが学校中に広まっている。
「お前ら、もうすぐ式が始まるぞ。」
リオンは俺たちのやり取りをあきれ顔で見ながら言った。
「フィリップス伯爵、此度は教団の壊滅、および終末の魔神討伐
大義であった。ここにダリア大勲章を授ける。」
「謹んでお受けします。」
ダリア大勲章。確か、初代フィリップス伯爵をはじめ、数名しか授与されたことがなかったはずだ。
「フィリップス冒険者学校代表カーネ、・・・」
最初、代表はペコラさんの予定だったか、体調不良を理由にカーネさんに変更された。出発前、ペコラさんは「よくあんな面倒な式に出るわね」と俺たちに言っていたので、おそらくペコラさんがカーネさんに押しつけたのだろう。
授与式はどんどん続いていく。冒険者ギルド代表としてトローさんが勲章を授与されている。そして最後に俺たちの番がきた。
「若き英雄たちよ。此度は国難に対し尽力したこと誠に大義であった。そなたたちの功績を称え、若獅子勲章を授与する。」
若獅子勲章?初めて聞く名前だ。
「この勲章はそなた達のために新たに新設された勲章だ。」
国王の言葉に回りから驚きの声が上がる。後で聞いた話だが、勲章の新設は100年ぶりの出来事だっそうだ。
無事に授与式を終えた後、俺達を待っていたのは卒業式だった。
しかも、俺たちのだ。
「当たり前でしょう。あなた達は学校でこれ以上何を学ぶの?実力はすでにランクEぐらいはあるはずよ。」
ペコラさんはさも当然のように言った。
「あなた達は卒業後、ギルドに登録するなら、特例でランクFからのスタートになります。」
とカーネさんも言っていた。
こうして俺たちは1年生の夏前に卒業することになった。
「アリエット、よかったら俺とパーティーを組んでくれないか?」
卒業式後、俺はアリエットと呼び出した。そして、俺は顔を真っ赤にしながら勧誘した。回りから見ると告白をしているように見えるかもしれない。脈拍が速くなっている。
「うん、いいよ。」
アリエットはあっさり返事をくれる。いつもの笑顔だ。
「なんだ、つまらねえ。告白じゃないのか。」
いきなり後から声が聞こえる。振り向くとカストールとルナールが立っていた。
「お前、いつからみてたんだ。」
「最初からに決まってるだろ。お前が緊張した顔でアリエットを誘っていたから、絶対告白だと思ったんだがな。」
俺はカストールにつかみかかる。こいつはいつもそうだ。俺をからかってくる。
ルナールはアリエットのところに行くと小声で何かしゃべっている。
「残念でしたね。告白ではなくて。」
「うん。まあ、ブレットだからね。気長に待つよ。」
そういうとアリエットは微笑んだ。
「で、お前たち二人、何かようか?」
俺はカストールとルナールに尋ねた。
「用件は、お前と同じだよ。」
「私たちともパーティーを組みませんか?」
確かに二人パーティーと言うわけにもいかないな。俺はアリエットを見ると、彼女も頷く。
「ああ、宜しく頼む。」
こうして、俺の学園生活はあっという間に終わり、冒険者としての生活がはじまるのだった。
完
これでこの物語は終わりです。最初に思っていたのとは少し違う終わり方になりましたが、無事に終わることができました。最後まで読んでくれてありがとうございました。




