表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/86

氷の剣

「神の悪戯に翻弄される冒険者」という連載作品を始めました。よければこちらもよろしくお願いします。

「ブレットさん、アリエットに何を飲ませたんですか。」

ルナールが問い詰めてくる。

俺はルナールに黄金に輝くポーションを見せる。

「ムートンさんに貰ってたんだ。」

そのポーションを見たイブーが驚きの声をあげる。

「そのポーション、エリクサーじゃないか。」

「エリクサー?」

「完全回復薬のことだよ。」

そういえば、ムートンさんが腕ぐらい生やせるっていってたな。


しばらくすると、アリエットの輝きが一点に集中していく。そして、そこから冷気が漏れ出してくる。この冷気は覚えがある。アリエットの魔法か?

「今度は何?」

ルナールがアリエットに使づこうとするのをイブーが止めた。

「まて、ルナール。近づくな。どうやら彼女は魔法で何かを作っているようだ。」

よく見ると輝いたところから何かが氷で形成されていく。

「氷造形魔法かな?いや、ちょっと違うな。人工物も混じっている。」

その人工物には見覚えがあった。精霊の短剣の持ち手の部分だ。氷は折れた部分を補うように増え、氷の剣が作られていく。見る見るうちに剣が出来上がった。

その剣は持ち手は精霊の短剣だが、残りは氷でできていた。しかもこの冷気、魔力の感じからして封印の棺を形成していた氷と同じ種類の氷だ。

俺は無意識のうちに剣を手に取る。冷たさは感じなかった。手からは精霊の短剣の魔力とアリエットの魔力が流れ込んでくる。

「何なんですか。その剣は」

ルナールが尋ねてくる。

「おそらく、アリエットが精神世界で折れた精霊の短剣を核に作った剣だと思う。」

「ちょっと見せてもらえますか。」

俺がルナールに剣を渡そうとするとが、それを拒むように剣から冷気が漏れ出てくる。試しにリオンに渡そうとしてもダメだった。

「おそらく使用者を限定することで剣の能力を上げてるんだと思うよ。ブレットに魔人を倒してほしいというアリエットからの意思表示かな。」

これがイブーの判断だった。彼はこの手の魔法のスペシャリストを目指しているので、前半部分は間違いないだろう。後半はどうなんだろう。


突然、凄まじい爆裂音がすると同時に部屋全体が揺れた。おそらく、強力な爆裂呪文が使われたのだろう。どちらが使ったのだろう?俺たちは部屋で待機するように言われている。確認しに出ていくことはできない。不安で胸が押しつぶされそうだ。もし、今の呪文を魔人が使ったのなら、先生たちは全滅していてもおかしくない。それほどの呪文だった。

ガタン。部屋のドアが勢いよく開いた。

「みんな。すぐに避難して。」

入ってきたのはペコラさんだった。ペコラさんは全身にかなりの傷を負っていた。息も荒い。ここまでダメージを受けたペコラさんは初めて見た。

「ペコラさん、外はどうなったんですか。」

ルナールが尋ねる。

「現在、こちらの主力のほとんどは怪我を負っているわ。おそらくあと少ししか持たないわ。外は魔人が召喚したC~E級の魔物が多数いる状態ね。あなたたちはすぐに避難して。」

「魔神はどうなったのでしょうか?」

「魔人は・・・先ほどチーニョ先生が放った爆裂魔法でかなりのダメージを与えたわ。ただ、私達の攻撃ではなぜか致命傷は与えれそうにないの。おそらく、特別な攻撃手段がいるの。」

ペコラさんの表情が曇る。どうやら、魔神を倒す方法が見つからないのだ。俺たちを急いで避難させようとしているのもそのせいだろう。

「ペコラさん。この剣はどうでしょうか?」

俺はペコラさんに氷の剣を見せる。

「どうしたの、その剣は。」

ペコラさんは食い入るように見つめる。手にしようとしたがペコラさんも手にすることはできなかった。

俺が剣のことを話すとペコラさんが「いけるかもしれない。」呟いた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ