表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/86

アリエットの過去

「ここがアリエットの精神世界?」

 チーニョ先生の魔法で送り込まれた世界は冒険者学校そのものだった。とりあえず、アリエットを探さないといけない。彼女が見つからないと、氷の封印魔法を解くことはできない。

 現在いる場所は校門だ。寮にでも行って見るか。しばらく進むと、分かれ道のところで小さな少女に出会った。この少女は誰だろう。少女も自分を警戒している。

「お兄ちゃん、誰?」

 少女は恐る恐る尋ねてくる。

「初めまして。ブレットっていうんだ。アリエットていう名前の人を探しているんだけど知らないかい?」

「アリエットは私の名前よ。何の用?」

 えっ?どういうことだ。この少女は小さい時のアリエットなのだろうか?

「もしかして人攫い?いやー、助けて。」

 少女はそういうと走っていった。少女の言った方向は学生課の方向だ。しばらく悩んだが、先に寮に行くことにした。


 寮にたどり着くと、寮の入り口の前にアリエットが立っていた。彼女は俺を見つけるととても驚いていた。

「ブレット!なぜここに居るの?すぐに帰って。ここは危ない。」

 彼女はそういうと消えてしまった。どういうことだろう。寮の中に入ろうとしたが、入ることができなかった。俺は諦めて、学生課に向かうことにした。


 学生課に着くとアリエットがベンチに座っていた。

「アリエット」

 俺が呼び掛けると彼女は不思議そうな顔をしている。

「君、誰?ボクに何か用?」

 明らかに警戒されている。よく見ると俺の知っているアリエットより少し幼い気がする。学校に来る前のアリエットだろうか。

「信じてもらえるかわからないけど、俺は君を助けに来たんだ。」

「ボクを助けに?無理だよ。誰にもボクを助けることはできない。」

「なぜ?」

「なぜって、ボクの体の中には魔人がいるからだよ。大神官様も助けることはできないって・・・。」

 彼女はそういうと泣き出した。体の中?どういうことだ。大神官って誰だ?

 俺は彼女の横に座ると力強く言った。

「大丈夫。俺が絶対助けてやる。」

「・・・ほんとうに?」

 アリエットは泣き止むと俺の目を見なながら尋ねてくる。

「ああ。魔人をどこにいる?」

「・・・寮の中。」

 彼女はそうつぶやくと消えていった。


 俺は再び寮に戻ってきた。そこにはアリエットが立っていた。

「ブレット、やっぱり戻って来たね。」

「大丈夫。絶対に俺がアリエットを助ける。」

 アリエットの目から涙がこぼれる。

「ありがとう。魔人の核は寮の中にあるよ。」

 俺が寮に入ろうとすると、アリエットが止める。

「ちょっと待って。少し話をいい。ボクの体に魔人の核が植えられたのは実は3年前なんだ。前、クヴォレ先生が言ってたでしょ。王都で反乱があったって。その時にボクは奴らに捕まっちゃったんだ。その時に植えられたんだ。すぐに宮廷魔術師や神殿の大神官様が取り出そうとしたんだけど無理だったんだ。そこで、私の記憶ごと封印したんだ。それがまた捕まっちゃって記憶が戻っちゃったんだ。ボクってドジだよね。しかも、記憶が戻って封印も解けちゃったんだ。だから、自分で自分を封印したんだ。ボク、このまま助かってもいいのかな?」

 知らなかった。彼女にそんな過去があったとは。

「大丈夫。みんな君を助け出そうと頑張っている。外では魔人討伐の準備も進んでいる。ルナールはとても心配していたぞ。チーニョ先生も。ペコラさんも。もちろん俺も。心配するな。みんな、アリエットを助けたいんだ。」

「うん。ありがとう。」

 そういうと、彼女は俺に抱きついてきた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ