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ゴブリン討伐5

 ゴブリンキングもジェネラルもチャンピオンも師匠とトローさんにびびっている。怪物(モンスター)がびびる。そんなことがあるんだ。

「せっかくだ。どれか一匹と戦ってみるか、お前たち。」

 いきなりトローさんが突拍子もないことを言い出す。

「良い考えだ。だが、まだジェネラルやチャンピオンは危ないだろう。一撃が強い。やるならキングだろう。」

 師匠が賛同する。俺たちは、まだ戦うとは言ってないんですが・・・。

「そうだな。」

 どうやら、決定のようだ。二人はあっという間、ジェネラルとチャンピオンを倒すと後に下がる。俺たちは諦めて前に出る。

 俺はミスリルの矢を装備する。先ほどはゴブリンウォーリアーとウィッチに負けたのだ。出し惜しみはできない。

「いいか。ゴブリンキングは身体能力能力はウォーリアーより弱い。だが、その分特殊能力がある。味方ゴブリンの鼓舞だ。この状況では全く関係ないスキルだ。俺の見立てではお前たち二人ならどうにか勝てるはずだ。」

 トローさんが腕を組みながら説明してくれる。いい情報だ。


 俺が矢を射ると同時にリオンが切りかかっていく。毒の影響はもうほとんどないようだ。矢は簡単にかわされる。俺は次の矢をつがえるが、射るタイミングが難しい。間違ってリオンに当てては困る。かといって、俺の剣術の腕では剣で切りかかっても邪魔になるだけだ。トローさんはゴブリンキングはゴブリンウォーリアーより弱いと言っていたが、俺には変わらないくらいの強さに思えた。リオンも少し押され気味だ。しばらくして、均衡が崩れた。リオンが少し体勢を崩し後ろによろめく。ゴブリンキングが喜び追撃を使用とする。


 チャンスだ


 俺は矢を放つ。ゴブリンキングは油断していたか俺の矢気づかなかった。みごとに胴体に突き刺さる。でも、致命傷ではないな。しかし、体制を立て直したリオンの一撃でゴブリンキングは息絶えた。たぶん、一対一なら勝てていなかった。

 戦闘後、もちろん反省会が開催された。師匠とトローさんの容赦ない指導があった。その後、打ち漏らしがないかを確認しつつ洞窟を後にした。

 ゴブリンキング1匹、ゴブリンジェネラル1匹、ゴブリンチャンピオン1匹、ゴブリンウィザード1匹と最上位のゴブリンが4匹、ゴブリンウォーリア、ゴブリンウィッチなどの上位種も10匹以上がいた。そして普通のゴブリンは50匹ぐらいだろうか。かなりの規模のゴブリンの巣だった。


 ギルドに戻ると、カーネさんが居た。何か怒っているようだ。

「トローさん、ブラディボ、生徒には町のギルドの依頼(クエスト)に参加させてはいけない、って規則があるのは知ってるわよね。」

「そうだったか?」

 師匠がとぼけている。

「あなたの経営する学校の規則ですよ。ブラディポ。知らないで済むと思っているの?」

 カーネさん、マジで怒っている。よく見ると他のギルド職員は避難している。

「まあまあ、カーネ君。そんなに怒らなくても。生徒たちも無事に戻ってきたんだし。」

 白髪の職員がやってきて仲裁に入ろうとする。ギルドの偉い人だろうか。

「ギルド長さん。これはあなたにも責任があるんですよ。生徒が違法に依頼(クエスト)に行くのをこのギルドは黙認したんですからね。」

 その言葉を聞いて、ギルド長の顔が青くなる。

「いや、あの、えっと。」

 ギルド長さん、完全に圧倒されてるな。

「ペナルティですね。トローさんとブラディボは罰金および3ヶ月の通常依頼(クエスト)の受注禁止。ギルド長は監督不行届きで3ヶ月間、減給です。これは私の名前で王都のギルド本部に報告しておきます。いいですね。」

「カーネ君、厳しくないかい?」

「この処置はギルド規約ならびに学校規則に書かれている内容ですよ。」

 カーネさんが冷たい目でギルド長を睨みつける。

「わかりました。」

 ギルド長はそう言うとしょぼしょぼと帰っていった。

こうして、俺たちのゴブリン討伐の依頼(クエスト)は終わった。



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