表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/86

前後衛

本日から新作も公開していく予定です。よければ、そちらもよろしくお願いします。

 一角ウサギ掃討作戦から一週間が過ぎた。怪物(モンスター)の異常増殖と変異が確認されたため、生徒の郊外での活動は禁止されている。冒険者ギルドと教師は原因の究明を行っているが、原因は掴めていない。そのため、今週末は校内での補講が開催されることになった。パーティーにおける前後衛の役割、という補講だ。二人一組での参加で前衛と後衛に分かれて狩をする、というものだった。当初、参加する予定はなかったのだが、前日のよるにエーゼルに誘われて参加することになった。ぎりぎりまで後衛を探していたが、他にあてがいなかったらしい。俺は魔力操作の練習をして、早くLv3に上がりたかったのだが、エーゼルの必死の勧誘についには折れた。


「ごめんね。無理言って」


「いいよ。それよりその大きな盾はどうしたんだ?」


「この前の剣術の実習で君に盾の扱いかたが上手いと言われてから、大楯使いになることに決めたんだ。」


「そうなんだ。頑張れよ。」


 大楯使いはパーティーの最前線で敵の注意を引きつけ、他の仲間を守る役割である。パーティーの中で最も防御力が高いが、最も危険なポジションである。ソロでの活動は難しく、回復用ポーションの使用も多いことから金食い虫と呼ばれる。上級者になるとパーティーの生存率を大幅にアップさせるため重宝されるが、そこに至るまでが困難すぎるため、なろうとするものは少ない。俺の言葉で目指した、と言われると何かすごく責任を感じる。


 実習の参加者はあまりいなかった。今回は5組の学生が受講していた。他はすべて上級生だった。パーティー戦の授業はまだ1年にはないためだ。アリエットと補講を受けた時は俺が前衛でアリエットが後衛だった。今回は俺は後衛だ。役割が違う。実は俺は後衛の方が得意だった。父親と狩りをしていたため、父親が前衛、俺が後衛、という形が多かったからだ。実習前に教師から簡単な前後衛の動きについての説明があった。おそらく1年で参加した俺たちのための説明だろう。うん、昔父親からならっとこととほとんど同じだ。狩る相手も校内の森の動物なので問題ない。これは楽勝だな、と思ってイーゼルを見ると、あたふたしている。これはきっと理解できていないな。


 その後、実技実習ということになった。各組、校内の森に入り、5時間でどれだけ獲物を狩れるか、というものだった。俺たちが今回入る森は中級の森と呼ばれ、熊、狼、イノシシなどが生息しているそうだ。この中で面倒なのはやっぱり狼だ。やつらは群れで襲ってくる。一対一なら熊の方が危険だが、狼の方が集団でくるためリスクが高くなる。俺はエーゼルと話し合い、初めはイノシシを狙い、慣れてきたら熊を狙おう、ということになった。狼に出くわしたときはなるべく逃げるつもりだ。


 森での狩は小さい時から仕込まれている。先輩相手とはいえ、負けたくない。俺は本気を出すことにした。しばらく歩けば、森の様子から獲物がどこにいるかなんとなくわかってくる。猿などの知能がある程度以上ある獣は罠を仕掛けてくるため注意も必要だが、この森の生態ならその心配は少ないだろう。もちろん、油断はしない。


 1時間後、2匹目のイノシシを仕留めていた。一匹目はイーゼルが簡単に突破されて、俺とイノシシの一騎打ちとなった。2匹目は「俺が指示を出し、イーゼルがそれに従って動く」としたところ、簡単に仕留めることができた。はっきり言えば、父親と組んだ時よりもやりやすかった。


「エーゼル。そろそろ熊を狩りにいかないか?」


「早くないかな。できればもう少しイノシシがいいんだけど。」


 やっぱり、エーゼルは少し臆病な気がする。その性格のため、基礎科目制覇特別補講の参加も見送っている。エーゼルには自信が足りないのだろう。俺から見ても、エーゼルの実力なら熊くらい余裕のはずだ。そう思った俺は無理やり納得させ、熊を狩ることにした。結果は・・・もちろん圧勝だった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ