掃討作戦スタート
11時半、ギルド前には大勢の生徒が集まっていた。俺たち以外は2年生と3年生だ。総責任者のペコラさんが作戦の詳細を説明していく。どうやら一角ウサギが600匹ほど発生しているようだ。俺たちは10パーテーに分かれて、東から西にウサギを狩っていくようだ。俺たちのパーティーは平原の一番南側が担当になった。12時に出発し、予定では18時に西端までたどり着くことになっている。
(1パーティーで60匹か)
作戦を聞いていると、思った以上に難易度が高い作戦だった。60匹の一角ウサギを討伐するのもそうだが、この作戦では進軍速度を10パーティーが揃えないといけない。進軍速度が速すぎると狙い撃ちされる。逆に遅いと穴となり、他のパーティーに迷惑をかける。
「1年生。緊張しているな。」
僕達の一つ上の区域を担当している3年生が声を掛けてきた。剣士、アーチャー、魔法使い、僧侶のパーティーだそうだ。魔法使いと僧侶のいるパーティーか。すごいな。とくに回復魔法の使える僧侶は珍しい。どうやらペコラさんがかなりの実力のある学生を一つ上に配置してくれているようだ。これはペコラさんの配慮だろう。感謝しないといけない。
「まあ、心配するな。できるだけフォローをしてやるから。死なない程度にがんばりな。」
彼らはそういうと自分たちの準備を始める。俺たちも最後の準備を始める。
俺はキュアポーションを取り出すとみんなに一本ずつ配る。アリエットにはマジックポーションも渡す。
「ありがたいけど、どうしたんだ。このポーション。」
カストールがポーションを受け取りながら聞いてきた。
「さっき医務室で作ってきた。あると便利だろ。」
俺が答えるとアリエットがびっくりして聞いてきた。
「えっ。ブレットはポーション作れたの?」
「さっき、ムートンさんに習いながら作ったんだ。マジックポーションはムートンさんからご褒美としてもらったんだ。」
ルナールはとても驚いていた。きょとんとした顔をしている。
「いいんですか?私も受け取って。」
「もちろん。前衛の君は特に必要だろ。」
「確かにそうですが・・・。ありがとうございます。」
ルナールは素直にお礼を言ってくる。俺はルナールをそれほど悪く思ってないのだが、ルナールにとっては意外だったようだ。「ねえ、ブレットはそんなに悪い人じゃないって。」というアリエットの声が聞こえる。俺は購買所で買った爆裂玉について説明する。
「店員によるとすごい音を閃光を出すらしんだ。あまり使いたくないけど、どうしようもない時は使うから、その時は気を付けて。」
使い所の難しい道具だが、必要な場面がくるかもしれないので、みんなに伝えておいた。これを使うときはおそらく絶体絶命の時だろう。できればそんな事態には陥りたくない。みんなの顔を見るとみんな微妙な顔をしている。おそらくみんな同じことを考えているのだろう。俺からは以上だ。他に伝えることはない。
カストールとルナールは薬草を補充したそうだ。かなり多めに買ったそうなのでいるときは行ってくれ、と言われた。アリエットは俺たちにスープを一杯ずつ配る。
「食堂の人に無理を言って作ってもらったんだ。疲労軽減の効果のあるスープ。さすがにスペシャル定食ほどの効果はないらしいけどね。」
そういえば、先週食べたスペシャル定食にはそんな効果があるっていってたな。俺たちはスープを受け取るとすぐに食べる。
(うまい)
力が少し溢れてくるような気がする。これで俺たちの準備は完了だ。時計を見るともうすぐ12時だ。作戦開始の時間になる。俺たちはいそいでスタート地点に向かう。スタート地点に着くとすぐにのろしが上がる。進軍開始の合図だ。こうして一角ウサギ掃討作戦がスタートした。




