挟撃されました
森の入り口にくるとクヴォレ先生が指示を始めた。
「ブレット、探索Lv2を持っていたな。お前が先頭だ。進路の確保と前方の注意が役目だ。怪物に気を付けて進め。アリエット、お前が次だ。左右前方に注意しろ。怪物が出てきたら、ブレットの援護はお前がするんだ。俺が殿を務める。殿は後方、および隊の左右をも注意する重要な役目だ。」
「了解でーす。」
とアリエットは答える。
「隊列の位置はわかりましたが、目的地の正確な方向がわからないんですが・・・。」
俺は目的地の正確な位置を知らされてない。
「すまん。地図を渡してなかったな。」
といって、クヴォレ先生は俺に地図を渡す。
「1日目の森の東側を通っていく。途中に池があり、その周辺でオオトカゲがよく目撃される。そこから少しすすんだところに木の生えてない場所があるので、そこで1泊する。」
地図を見ると森の東側に小さな池がある。その北にちょっと行ったところに山火事と書かれた場所がある。おそらくここが宿泊予定地であろう。
「わかりました。」
こうして、俺たちは北の森に足を踏み入れる。
相変わらず、森の空気は重かった。アリエットも感じているようで、不安そうな表情をしている。そういえば、前回もそうであったが、今回も小動物などに遭遇しない。
「前回来た時もそうでしたが、動物があまりいませんね。」
「そうだな。いつもはもっといるんだが、少ないな。魔素の量もいつもより多い気がするな。」
「そうなんですか?」
「ああ、いつもは動物も多い普通の森なんだが・・・」
(普通の森?怪物が出るのに)
俺たちは何事もなく森の奥地まで進んでいく。予定通り、昼過ぎに小さな池に辿り着く。オオトカデ討伐予定の場所だ。
「いいか。オオトカゲは体長2~3メートルのトカデで素早さは速くない。いつもあの岩場あたりにいる。」
と少し離れた岩場を指さす。
「了解です。」
「了解でーす。」
俺たちは岩場の辺りを観察する。何匹か居そうな気配だ。近づいて探そうとした時、後ろの池から何か出てくる音がした。後ろを振り向くと巨大な亀が池から出てくる。
「ほう、巨大亀か。Eランクの怪物だ。気を付けろよ。」
確か巨大亀の甲羅は2~3メートルのぐらいだった気がするが、見た感じ5メートルぐらいはある。
「ちょっと大きすぎやしないですか?」
「確かに、そんな気がするな。」
俺たちが攻撃を開始しようとした時、アリエットが叫んだ。
「大変だよ。後ろからオオトカゲが出てきたよ。」
後ろからは10匹ぐらいのオオトカゲが出てきている。大きさは3メートルくらい。大きい方だ。どうやら挟まれたようだ。
「巨大亀は俺が始末する。お前たちはオオトカデを頼む。魔法や弓で離れた場所から攻撃しろ。」
クヴォレ先生はそういうと飛び出していく。同時に、俺たちも攻撃をする。俺は矢を撃ち、アリエットは攻撃魔法を唱える。俺の矢は先頭の個体にどんどん突き刺さる。アリエットの唱えた魔法は氷の矢だ。オオトカゲを凍らせ、ダメージを与えると同時にまわりのオオトカゲの動きも鈍らせる。ナイスな選択だ。
数分後、俺は弓で5匹目のオオトカゲに止めをさしたが、隊列は乱され、アリエットとは分断されていた。辺りを見渡すと、。4匹のオオトカゲが凍っている。
(アリエットはどこだ?)
さらに辺りを探す。岩場の方でアリエットを見つける。まだ、戦っている。最後の1匹がアリエットに近づいていく。アリエットは動けないでいる。おそらく魔法を使いすぎて動けないのだろう。
(このままでは危ない)
俺は意を決して剣を抜くと突っ込んでいく。オオトカゲの後ろから倒れ込むようにして剣を突き立てる。オオトカゲが暴れて俺は弾き飛ばされるが、オオトカゲもそこで息絶えた。
「ブレット、大丈夫?」
アリエットが俺に声をかける。俺は背中を強く打って動けないでいたが、他の傷はなさそうだ。頭も打ってない。吐き気もめまいもしない。
「ああ。大丈夫だ。」
「ホントに?」
どうやら俺が動かないので心配しているようだ。
「心配するな。おそらく、背中を強く打っただけだろう。」
いつのまにかクヴォレ先生がやってきていた。




